不登校と向き合う 親御様のケア
 

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不登校 と 母親の仕事の工夫


不登校 母親 仕事

 
前回、不登校の親御さんの悩みに多い「仕事を続けるか?」「辞めるか?」という問題について、お伝えしました。
 
このテーマについて、ご相談者様から「仕事を続ける場合の工夫について、教えて欲しい」と、ご要望がございました。
 
そこで今回は、不登校と「母親の仕事の工夫の仕方」を、お伝えしたいと思います。
 

目次
1.前回のおさらい
2.理想的な母親の働き方
3.工夫1:仕事時間の短縮
4.工夫2:子どもの思う愛情表現で、愛を伝える

 


 前回のおさらい


 
不登校と向き合っている親御さんは、お子さんと同じように 辛いものです。
その中でも、お母さんが仕事をしている場合、下記のように悩まれます。
 
「子どもに寄り添う時間が必要ではないか?」
「…でも、私自身の人生として、仕事もしたい」等々…

このような場合、私の個人的な意見としては…
 
「仕事を休職するか、辞めて頂いて、お子さんと関わることに、人生の時間を使って欲しいと思います。
 
なぜなら 人が人を育てる子育てが、崇高で 何にも代え難い価値のある仕事だと、私は信じているからです」とお伝えしました。
 

しかしながら、母親の仕事は、お母さんご自身が決断されることですので、無理に辞めて頂くことは致しません。
 
ですので、母親が仕事を続ける場合は、お子さんもお母さんも、それぞれが「自分の置かれた立場」と「環境」を十分理解して、その中で工夫しながら、最善を尽くしていけばいいのです。
 
また、迷ってしまう方のために、「期限を決めて テストする方法」を、ご提案致しました。
 
※詳しく知りたい方は、コチラ↓
「不登校と向き合う 母親の仕事1」
「不登校 と 母親の仕事2」
 


 理想的な母親の働き方


不登校 母親 働き方

 
さて、先述したように、 「母親が仕事を続ける」と決断した場合
 
お子さんもお母さんも、それぞれが「自分の置かれた立場」と「環境」を十分理解して、その中で工夫しながら、最善を尽くしていけばいい、とお伝えしました。
 
現在、女性の働き方は多様化しつつありますが…
 
ご自身の思いとは裏腹に、家庭の事情や経済的な問題を抱えつつ、「子育てと仕事の両立に、とても苦労されている」というのが、実情だと思います。
 
また、職業や仕事内容によっては、フルタイムの正社員を離れることで、「今までのキャリア や 苦労が水の泡になってしまう…(涙)」と、感じる方もおられると思います。
 
このような難しい事情の中、お子さんの不登校。
親御さんとしては、いっぱいいっぱいかも知れませんね。
 
とはいえ、親御さんご自身の人生として、「仕事が好きで、仕事をしたい」という場合、私の理想を言わせて貰えるなら…
 
お母さんは、子どもが学校から帰ってくるまでに 仕事を終えている、という 働き方がいい、と思っています。
 
こんなことをいってしまうと、親御さんの中には
 
「仕事を続けていいと言いながら、不登校の今は、子どもがずっと家にいるのだから、私は働けないってこと?!」と思われるかも知れませんね。
 
そこで、母親が仕事を続けるための工夫を2つ お伝えします。
 

 工夫1:仕事時間の短縮


親 仕事時間 短縮

 
まず、フルタイムで働いている方は…
 
勤め先の上司にご相談頂いて、不登校が改善するまでの間は、勤務時間の短縮や、一時的な休暇など を掛け合って下さい。
 
この時、現在の事情を説明し、「勤務時間を 〇時~〇時にして欲しい」など、なるべく明確に要望を伝えることが大切です。
 
また、現在は新型コロナウイルス対策として、既にリモートワークになっている方や、フリーランスの方でも、 仕事量の軽減会議の時間帯の変更など
 
不登校の今は、お子さんとの時間を少しでも多く取れるよう、関係者の方にお願いしてみて下さいね。

なぜなら、不登校のお子さんは、今まで頑張って来た親御さんと同様に、自分を律して寂しさを我慢し、働くお母さんの応援をして来ました。
 
そのため、本来、お母さんに甘えていいはずの時間が 減ってしまっているからです。
 
子どもは、学校や外で嫌なことがあった時、その不安やモヤモヤした気持ちを、家に帰ってまず、お母さんに話します。
 
このお母さんに話すことで、気持ちがスッキリしたり、「大丈夫だよ」と言ってもらったりして、安心するので、また立ち向かうことができるのです。
 
しかし、家にお母さんがいなかったり、忙しさのあまり、子どもの話を聞けないことが多くなると、子どもは 不安やモヤモヤした気持ちが、どんどん蓄積されてしまいます。

例えば大人の場合、嫌なことがあって、不安やモヤモヤしている時は、ご主人に話を聞いて欲しいのではないでしょうか?
 
でも、ご主人は忙しくて、話を聞いてくれない。
 
そして翌日も、不安やモヤモヤした気持ちが残っていたとしたら…
 
・嫌なことがあったから、私は不安なんだ。
・主人に話を聞いてもらえないから、私はモヤモヤしている。
 
などと、時間の経過を追って分析をし、理解できます。

でも、子どもの世界は、「今」なんです!
 
大人のように 時間の経過を追って分析したり、別の日に持ち越して、自分の気持ちを整理したりすることは、まだできません。
 
ただ子どもは成長しますので、子どもが思春期ぐらいになると、頭の良い子ほど、親の立場を理解し、自分の立場を理解するので、「きちんとできない私はダメな子なんだ」と、自己肯定感が低くなる場合があります。
 

 工夫2:子どもの思う愛情表現で、愛を伝える


不登校 母親 仕事の工夫

 
ここまで読んで頂いて…
 
「ん!ちょっと待て~ぃ!
 
お子さんもお母さんも、それぞれが「自分の置かれた立場」と「環境」を十分理解して、その中で工夫しながら、最善を尽くしていけばいい、とあるのに、それをすると自己肯定感が低くなるのーー?
 
それじゃ、困るよ~!」と、ツッコミたくなるかも知れませんね。
 
でも、ご安心下さい。

仕事時間の短縮とともに、もう一つ工夫することで、効果的に愛情を伝え、今までの甘えの欲求を満たしてあげることができるのです。

それは、お子さんの思う愛情表現で、親御さんの愛を伝えてあげること。

愛情表現とは、親子であっても、ひとり一人違います。
 
そのため親御さんとしては、「子どもの将来を思い、可能性を広げる習い事を たくさんさせてあげることが、愛情だ」ということもあるでしょう。
 
でも、お子さんは、「お金かかるし 送り迎えも大変だから、習い事は1つでいいので、私の話をもう少し聞いて欲しい」と思っている場合もあります。
 
また、掃除や洗濯などの家事の全てをやってあげることが、親の愛という方もいれば、子どもは一緒に家事をしたかったり、できたことや手伝ったことを褒めて欲しかったり。
 
この他にも、一緒に食事をすることや、スキンシップをすることで、愛を感じる。あるいは、メールのやり取りに、一緒にゲームを楽しんだり、プレゼントを貰うことなど。
 
愛情表現とは、言葉だけに限らず、表情や態度など、さまざまな言動を含めて、感じるもの。
 
そのため、その言動が親御さんの思っているものと、お子さんが思っているもので違ってしまえば…
 
「どうしてお母さんは、○○してくれないの?」と不満が募り、「私を分かってくれない!」となってしまいます。
 
これではいつまで経っても、お子さんの甘えの欲求が満たされることは、ありません。
 
ですのでここは、お子さんの思う愛情表現の形に、親御さんが合わせてあげることが大切です。
 
ただこの場合、「子どもの思う愛情表現が分からない」という場合がありますね。
 
その場合は、色々な方法があるのですが、ご家庭ですぐできるのは…
 
何気ない会話から「お母さんは、~を愛情表現だと感じるけど、○○は何に愛を感じる?」と、聞き出してみてはいかがでしょうか?
 
すると、「えっ、そうだったの?」と思うような、お子さんの新たな一面に出会えるかも知れません。
 
そして、お子さんから聞き出した形で、お子さんと接してみて下さい。
 
こうすることで、今までより深く、親御さんの愛を伝えることができるようになりますよ。

いかがでしたか?
子育てと仕事の両立は、本当に大変だと思います。
 
しかし、お子さんの母親は、あなただけです。
 
さまざまな支援や知恵を借りつつ、不登校という難局を、私と一緒に乗り越えていきましょう!
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、仕事を続ける上での工夫を考える。
2、あなたの理想的な働き方は?
3、上司に相談し、仕事時間の短縮を試みる。
4、子どもの思う愛情表現で、親の愛を伝える。

 
 
 

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