不登校と向き合う 親御様のケア
 

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不登校 と 母親の仕事2


不登校 母親 仕事

 
前回、不登校の親御さんの悩みに多い「仕事を続けるか?」「辞めるか?」という問題について、お伝えしました。
 
このテーマについて、ご相談者様から「モヤモヤして、どうしても決まらない」と、ご質問がございました。
 
そこで今回は、「不登校と母親の仕事」について、
「決められない理由」と「改善策」を、お伝えしたいと思います。
 

目次
1.前回のおさらい
2.決められない時は、掘り下げる
3.恐怖発信 と 自分発信
4.モヤモヤの理由
5.自分の気持ちに嘘はつけない

 


 前回のおさらい


 
不登校と向き合っている親御さんは、お子さんと同じように 辛いものです。
その中でも、お母さんが仕事をしている場合、下記のように悩まれます。
 
「子どもに寄り添う時間が必要ではないか?」
「…でも、私自身の人生として、仕事もしたい」等々…

このような場合、私の個人的な意見としては…
 
「仕事を休職するか、辞めて頂いて、お子さんと関わることに、人生の時間を使って欲しいと思います。
 
なぜなら 人が人を育てる子育てが、崇高で 何にも代え難い価値のある仕事だと、私は信じているからです」とお伝えしました。
 

しかしながら、母親の仕事は、お母さんご自身が決断されることですので、無理に辞めて頂くことは致しません。
 
というのも、親御さんによっては、仕事を辞めて お子さんと向き合う時間を多く取ることで、親御さんのストレスが増えてしまい、結果的に お子さんへ悪影響が出る場合があるからです。
 
また、迷ってしまう方のために、「期限を決めて テストする方法」を、ご提案致しました。
 
※詳しく知りたい方は、コチラ↓
「不登校と向き合う 母親の仕事1」
 


 決められない時は、掘り下げる


不登校 母親 仕事 向き合う

 
冒頭でもお伝えしましたが、あるご相談者様から、「テストしたのですが…、モヤモヤして、どうしても 決められません。なぜでしょうか?」というご質問を頂きました。
 
このような場合、もう少しご自身の気持ちと向き合って、掘り下げていく必要がございます。
 
例えば…

1,なぜ、今の仕事を選んだのか?
2,仕事をしている時、ご自身の気持ちは、どんな感じですか?
3,その仕事は、「自分に合っている」と思いますか?
4,不登校になる前、お子さんといる時は、どんな気持ちでしたか?
5,不登校のお子さんと向き合っている今は、どんな気持ちですか?


これは、働くお母さんに、ご自身の気持ちと向き合って頂くための 質問の一部です。
 
母親が仕事をしている場合、ご家庭の事情やご自身の思いなど、さまざまな状況が考えられますが、まずは、上記の質問を考えてみて下さいね。
 


 恐怖発信 と 自分発信


 
親 仕事 恐怖心

 
そして、123の答えの発露が…
 

・(自分や養育費の足しに)お金のため。
・仕事をしていないと、社会の役に立っていない無価値な人間 と思われたくないから。
・「誰のお蔭で、生活できてるんだ」というご主人に、ものを言うため。
・ここで辞めたら、次はないから。
・キツイけど、他の人に迷惑かけるから、辞められない。
・お金のためで、仕事が合っているとは思えない。etc…


このような「恐怖発信」の理由の場合は、注意が必要です!
なぜなら、恐怖発信は いい訳を数多く生み、悪循環を招くからです。

一方、ご自身の「こうしたい」「こうありたいから」、という「自分発信」の理由ならば、改善策を見出すことにも、力を注ぎ易くなります。
 
また苦労はしても、イキイキと働いている親御さんの姿を、お子さんはしっかり見ているので、「私(子)のために、好きな仕事を辞めないで!」と、思っています。
 


 モヤモヤの理由


 
また、もし4の答えが…
 

・あまり手のかからない いい子に育ってくれたから、仕事してもいいよね。
・子どもは可愛い反面、私の人生って…。
・子育てもいいけど、正直、もうしんどい。etc…

 
このような場合、まずは、ご自身の気持ちを全て吐き出しましょう。(紙に書き出す)
 
誰に見せる訳でもありません。「ネガティブな感情を言ってはいけないのでは?」と思わずに、どんどん吐き出していくことが、大切です。
 
そして、自分の気持ちを吐き出し切ってから、お子さんのことを考えてみて下さい。(※くれぐれも、順番を入れ替えないように!)
 
お子さんは、大好きなお母さんの気持ちが、自分に向いていないことを 敏感に察知します。
 
そのため、最初はお母さんの気持ちを優先して 自分を律し、お母さんの仕事を応援したり、仕事で家にいない寂しさを、頑張って耐えているのです。
 
もちろん、親御さんとしては、「母親も人間なんだから、私の気持ちも尊重して欲しい」と、思うかも知れません。
 
しかしお子さんは、「尊重する」ということが、どういうことなのか、まだ勉強途中のため、上手くできません。
 
ですので、後々、お子さんは無意識に、お母さんの気を引く言動をするようになるのです。

もし5の答えが…
 

・とにかく、毎日がしんどい。
・なんで、こうなっちゃったの?もう嫌だ~(涙)
・あなたのせいで、私が責められるじゃない!etc…

 
このような場合、「子どもと向き合うことから、逃げ出したい」と思う親御さんの気持ちは、当然です。
 
なぜなら、4でご説明したように、「子どもに我慢をさせて、仕事をしている自分」に、心のどこかで「罪悪感」を感じているから。
 
これは、「良妻賢母」や「子育ては、母親中心」という昔からの日本の教育や、親御さん自身の養育環境(母親の親子関係)の影響を受けている、と考えられます。
 
とはいえ、「罪悪感」というのは、人の感情の中でも、最も辛いものです。
 
故に、それを見ないように蓋(抑圧)をしたり、傷ついた心が麻痺してしまい、「モヤモヤする」とか、「イライラする」といった気持ちに、置き換えてしまうのです。
 


 自分の気持ちに嘘はつけない


不登校 母親 仕事 向き合い方

 
先述したように、 仕事を「恐怖発信」の理由で選んだ場合、「仕事では子育てを理由に、子育てでは仕事を理由に」といった理由が理由を生む、悪循環を招きます。
 
そして、それをうすうす気づいているのに、ご自身が認めたくないため、決まらないのではないでしょうか?
 
もちろん、この他の理由も考えられます。
例えば、 仕事と子育ての両立をしている方への「劣等感」や「憧れだけ」。
あるいは、 「責任を取りたくないマインド」などです。
 
しかし、私がご相談を受ける親御さんの多くは、 「ご自身の気持ちと向き合うことから 避けているため」、という傾向がございます。
 
正直、自分の気持ちと向き合うことは、辛いものですし、とても疲れます。
だから、辛い気持ちや傷付いた心には、触れたくないし、見たくない。
 
以前の私も、同じでした。
 
でも、何かを決断する時、辛くても痛くても、自分の気持ちと深く向き合い、ありのままの自分を受け入れたり、(罪悪感を持つ自分を)自分で自分を許したりして、折り合いをつけるしかありません。
 

よく「自分の気持ちに嘘はつけない」といいますが、本当にそうなんです。
 
お子さんが不登校になったように、親御さんも、自分の気持ちに嘘をつき続ければ、人生のどこかの時点で、無理がたたって表面化します。
 
ですので、今より年老いて、無理が効かなくなってからではなく、今からご自身の気持ちと深く向き合うことを、マスターしていきましょう!
 
そして、親御さん自身が、満たされた心でいられる人生の選択をして下さいね。
 
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、自分の気持ちを、もっと掘り下げる。
2、仕事をするのは、恐怖発信? 自分発信?
3、自分の気持ちに蓋をせず、全て吐き出す。
4、気持ちと向き合い、素直に認める。

 
 

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