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不登校からの 進路選択のポイント


不登校 進路相談 選択

 
中学生のお子さんが、登校渋り や 不登校から 進路選択する場合、本人は「不安」であり、親御さんは「心配で仕方ない」のではないでしょうか?
 
ただ登校渋りを繰り返した姉の経験から、不登校の今だからこそ、お子さんの進路に注意して欲しいことがあります。
 
ここでは、姉の例を参考に、「不登校の進路選択」をお伝えします。

 
  

目次
1.不登校の進路不安とは?
2.姉の高校受験
3.受験の落とし穴 
4.親子で話し合う、進路相談


 不登校の進路不安とは?


 
不登校になると、子どもの「学力」「やる気」「集中力」は、低下しがちです。
 
しかし、年齢によっては、「受験」が、迫っているケースも少なくありません。
 
私が受けるご相談の中で、受験を控えている場合、

お子さんご本人の不安よりも、
親御さんの焦りや心配が、大きくなり過ぎていることがあるんです。
 
もちろん、子どもの養育責任 や 学費を負担するのは、親御さんですから、無理はありません。
 
ただ 子どもの進路は、お子さん自身が選択することであり、その後の人生を歩んでいくのは、お子さんです。
 
どんなに愛情があっても、心配だとしても、
親御さんが代わって、学校へ行くことも、人生を歩むこともできないのです。
 
まずは、この真実をご理解下さるよう、お願いします。
 
ただ、もしこの真実よりも、親御さんの心配が勝ってしまった場合、どんなことになるのか、私の姉の例を参考にして頂きたい、と思います。
 


 姉の高校受験


 
姉は、中学3年生になり、高校受験を控えていました。
 
しかし、度重なるいじめに遭っていたため、登校渋りやお休みが多く、先生や両親から進路相談をされても、「それどころではない」といった状況。
 
すると、その様子から、心配と焦りを感じた両親と学校の先生は、次のように考えたのです。
 
「高校へ行けば、環境が変わって、人間関係も変わる。
 
 でも、今の精神状態では 学力も低下しているし、
 受験のプレッシャーに、耐えられないのではないか?」
 
そこで、姉がそれまで頑張っていた部活動を武器に、進路指導の先生が奔走し、出席日数ギリギリでも何とか、スポーツ推薦を受けることができたのです。

ところが、姉が本当に好きで やりたかったことは、「絵」や「イラスト」を描くこと。
 
ですから、本人の本当の希望は、その才能を活かすことのできる 美術系の高校か、専門学校だったのです。
 
もちろん、進路決定までに、姉、親、先生の三者面談を、何度も行いました。
 
また 姉自身も…
 
“これは、私を受験で失敗させないための 優しさであり、救済措置なんだ。”
 
そう理解していたのです。
 
ただ、この時の姉の決断は、自分の可能性を信じて、選択したのではなく、先生や両親の期待に応えるための選択を、最優先してしまった。
 
もちろん、それだけではなく、姉自身も、早く進路を決めて 楽になりたかった。
あるいは、常識や世間体を、気にしたのかも知れません。
 
しかし、その結果、姉は高校入学後しばらくして…
 
「他の子は、自分の夢 や なりたい職業、将来の目標がある。
 
 でも、私は…。
 いつも誰かに、何かをやらされている気がして、
 本当は、自分が何をしたいのか 分からない」
 
このようにふさぎ込み、部活動も勉強も手に付かなくなって、学校を休みがちに…。
 
すると、スポーツ推薦で入学した高校ですから、部活動の成績が伸びないこと、遅刻、早退、欠席日数の多さにより、「退学」を迫られる事態に発展していきました。
 


 受験の落とし穴


不登校 受験 進路決定

いかがだったでしょうか?
このような選択は、私の両親を含め、不登校のお子さんがいる親御さんの
 
「受験で、これ以上辛い思いをさせたくない」や、
「子どものために」という「親心」であることは、確かです。
 
ただ、この「子どものために」は…
 
親自身が、辛そうな我が子を ハラハラして見ているのが嫌で、辛くて、早く安心したかったから、ではないでしょうか?

もちろん、親御さんの中には、
「本当にやりたいことなら、反対されても言って欲しかった!」と、思われるかも知れませんね。
 
しかし、今までの親御さんとのコミュニケーションの中で、自分(お子さん)の意思を伝えても、怒られたり、反対されたり、親御さんの都合で、すり替えられることが多ければ、どうでしょうか?
 
よほど強い子でない限り、
「きっと、聞き入れてもらえない。だから、言っても無駄だ」と、思い込んでしまうかも知れません。
 
また、お子さんは親御さんが思う以上に、
 
・進学で、周囲や親御さんの期待に応えたい。
・経済的負担をしてくれるのは、親である。
・もし留年した場合の世間体。等々…
 
これらの状況を十分考え、理解しています。
ですから、お子さんにとって、周囲に逆らえない環境でもあるんです。

姉のように、周囲が良かれと思っても、本人の本音を引き出せないままでは、本人の意思が尊重されません。
 
意思が尊重されないと、自分のやりたいことを見失い、迷走していきます。
 
そして、本人の意思が迷走している状態では、頑張りたくても頑張れないのです。
 
こうなっては、社会で自立していくことが難しくなり、「引きこもり」や「うつ病」など、精神的な病になり兼ねませんので、とても注意が必要です。
 
では、このような場合、どうすれば良かったのでしょうか?
それは…


 親子で話し合う、進路相談


不登校 進路 相談

 
不登校からの進路選択には、次の3つのポイントが大切です。
 

1、心配し過ぎて 親御さんが、子どもの将来のレールを引かない。
2、不登校を根本から改善し、その上で進路を決める。
3、子ども自身が考え、選択できるようなコミュニケーションを、親御さんが取る。


私の両親もそうですが、不登校の親御さんの傾向として、子どもの将来(進路)を、親御さんがコントロールしてしまうケースが多く見られます。
 
子どもを心配するあまり、親御さん自身も気づかぬうちに、護り過ぎてしまうのですが…
 
お子さんの長い人生は、1・2年の留年やお休みなど すぐ取り戻せますし、無理やり行く学校には、意味がありません。
 
また、親御さんが号令をかけることで、子どもの意思は奪われ、「指示待ち人間」となれば、社会に出てから、後々苦しめられます。
 
すると、親御さん自身も 老後まで、お子さんの面倒を見る結果を招きます。
あなたは、それでもいいでしょうか?
 
まずは、不登校を 根本から改善することを考えて頂き、その過程の中で、お子さん自身が 進路を決めることが、重要です。
 
そして、このプロセスとして、お子さんの進路は、
お子さんが自分で考え、選択できるようなコミュニケーションを、親御さんが取るようにして下さい。
 
例えば…
 

・お子さんの本当に好きなことは何か?
・好きなことを活かすには、どんな仕事(職業)や職場があるのか?
・希望の職業に就くためには、どんな学校があり、資格等が必要か否か?
(あるいは、大学等への進学をしなくてもなれるのか、検討する)
・希望職のお給料は、どれくらいなのか?
・希望を叶えるために、今から、どんな行動をすればいいのか? 等々…

 
お子さん自身が将来の夢を、具体的に思い描けるよう、親子でよく話し合ってみて下さいね。
 
もちろん、お子さんの中には、
 
・「恥ずかしくて、言えない」と思い込んでいる。
・「夢を話しても、そんなの無理に決まってるじゃない」と、バカにされたり、否定されるのが怖い。
・「将来の夢なんてないし、何がしたいのか分らない」
 
という場合も多く、なかなか話してくれないこともあります。
 
このような場合は、
 

・お子さんをよく観察し、自ら興味を示すものを知る。
・お子さんが、「どうしたいのか?」を、肯定的に聞く。
・迷っているようなら、選択肢を明確に提案する。
・選択肢のメリット、デメリットを紙に書き出し、話し合う。 等々…

 
お子さんが、自分の意思で選択できるよう 親御さんは、サポートしてあげて下さいね。

親御さんとしては、今は、とても心配に思うかも知れません。
 
しかし、お子さんが成熟すれば、親御さんが、どれほど大変な思いで育ててくれたのか、分かる日が来るのですから。
 
その日の訪れを信じて、お子さんの可能性を信じて、
今を乗り越えていきましょう!
 

最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、子どもの進路は、子どもの意思を尊重する。
2、将来のレールを引かない。
3、不登校を根本から改善し、その上で進路を決める。
4、子ども自身が考え、選択できるコミュニケーションを、親御さんが取る。 

 
 

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