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完璧主義を緩和する方法2


高校生 不登校 完璧主義 緩和

 
以前、不登校の理由に、「宿題が終わってないから、という場合がある」とお伝えしました。

でも、このような場合の原因の1つには、「完璧主義」が隠されています。
 
そこでここでは、親御さんが、
「お子さんの完璧主義を緩和する方法2」をお伝えします。
  

目次
1.「完璧じゃないから」という不登校理由
2.完璧主義の原因
3.「完璧であらねばならない」という思い込み
4.完璧がダメなら、目立たない地味な人?
5.「本来の良さ」と「人に知られてもいい弱さ」の表現

 


 「完璧じゃないから」という不登校理由


 
冒頭でもお伝えしましたが、不登校のお子さんの中には、「宿題が終わっていないから、学校へは行かない(行けない)」という場合があります。
 
もちろんこれは、不登校の「きっかけ」に過ぎません。
 
なぜなら、不登校の本当の理由は、潜在意識による防衛反応で守られているため、お子さん本人が認識していないことが多く、的確には答えられないためです。
 
とはいえ、不登校理由に 宿題・成績・スポーツ・音楽・美術 等、何かが完璧にできていないと、「もう私はダメだ…」と落ち込んだり、今まで頑張っていたことを 急に辞めてしまうような場合は、「完璧主義」が原因の1つかも知れません。
 
そこでここでは、親御さんが、「お子さんの完璧主義を緩和する方法」をお伝えします。
 
※完璧主義を緩和する方法1は、コチラ↓
「宿題が終わってないから」という理由
 


 完璧主義の原因


完璧主義 原因 不登校

 
まず、前回のおさらいも含めて、完璧主義の原因から考えてみたいと思います。
 
完璧主義になる原因は…
 

1,元々のお子さんの性格。
2,幼少期から今までの教育環境。
3,親御さん・先生などの接し方の影響。等々…

 
このように複数の要因が重なっていると、考えられます。

なぜなら、人が成長する過程には、「お箸が使える」「読み書きができる」など、さまざまな課題が与えられるからですね。
 
そして、それらの課題を乗り越えた時に、「努力が報われた」と感じたり、「達成感」や「喜び」と共に、「先生や親に褒められた」ことにより、「承認欲求」が満たされるからです。
 
例えば、まだ何も話せなかった子が、「ママ、パパ」等の意味の通じる言葉を発した時、親御さんの多くは、大喜びしたのではないでしょうか?
 
そんな親御さんの喜んだ表情 や 褒め言葉などを受けて、子どもは 努力が報われて、嬉しく感じます。
 
すると、子どもの脳の中では、「脳の報酬系」と呼ばれるシステムが反応して、「ドーパミン」という物質を放出し、人に「幸せ」や「気持ちいい」感覚を与えるのです。
 
つまり、子どもは親御さんが喜んでくれたり、褒めてくれたことが嬉しくて、その快感を得ようと、頑張るのです。

一方、何かを失敗したり、完璧に何かができないと、親御さんの表情が曇ったり、褒めて貰えない場合、子どもは 快感が得られません。
 
それどころか、「完璧にできない私は、親を悲しませたり、人に嫌われて、見捨てられてしまう」という恐ろしい不安でいっぱいになります。
 
そのため、他者(自分以外全て)が喜ぶような結果を出そうと、常に頑張り、完璧であろうとするのですが…
 
何かが完璧にができない。あるいは、良い評価が得られる確信が持てない場合、「0か100かの思考」をしてしまうので、急に動けなくなるのです。(例:中途半端な宿題を見せるくらいなら、学校へ行かない。等)
 


 「完璧であらねばならない」という思い込み


 
完璧主義 思い込み 改善

 
このように、 不登校のお子さんの多くは、「完璧であらねばならない」という思い込みをしています。
 
でも、よくよく考えてみて下さい。
 
もしあなたのそばに、容姿・性格・仕事・家事・子育て・人間関係・お金・健康 など、全て完璧な人がいたら…
 
きっと、その人といると緊張したり、劣等感に苛まれて、息苦しさや疲れを感じるのではないでしょうか?
 
そして、劣等感を抱いた自分に自己嫌悪したり、ダメな自分を隠そうとしたりして、一緒にはいられない。あるいは、一緒にはいたくない、と感じてしまい、相手と距離を取ると思いませんか?

でも、もしこれが、「○○の部分は秀でているけど、○○な弱さや欠点もあるよね」という人なら、いかがでしょう?
 
おそらく、「あ、この人も、私と同じように弱さや欠点もある 人間なんだな」と、ホッとするのではないでしょうか?
 
そして、親近感が湧いたり、一緒にいて安心できる存在となり、より魅力的に感じると思いませんか?

このように、完璧であればあるほど、実は、相手に「緊張」を与えてしまいます。
 
すると、人間関係がギクシャクしたり、相手が勝手に比べては、落ち込んだりするのですが…
 
「完璧であらねばならない」という思い込みのある本人は、「私って、嫌われてるの?」「じゃあ、みんなに好かれるように、もっと完璧にしなきゃいけない!」
 
こう思って頑張るので、更に緊張を与えてしまい、人が離れる悪循環から抜け出せなくなるのです。

つまり、“完璧な人は、相手に緊張を与えてしまうので、完璧じゃない人のほうが好かれる”、ということですね。
 
ただそうはいっても、「芸能人 や 憧れのあの人のような 完璧な人になりたい!」と思うお子さんもいるかも知れませんね。
 
でも、憧れのあの人は、遠くから見ているから、完璧に見えるのではないですか?
 
もし近くで接していたら、「憧れのあの人にも、こんな弱さや欠点があったんだ!」と思うのではないでしょうか?
 
そしてこの事実を、お子さんは、まだ知らないだけなのです。
 

 完璧がダメなら、目立たない 地味な人?


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上記のように、「完璧な人は、相手に緊張を与えてしまうなら…、目立たない、地味な人がいいの?」と思うかも知れませんね。
 
でも、 そもそも人間は完璧ではありません。
 
ですので、無理に「目立たないように」「嫌われないように」「地味な私」という態度や演技をする必要は無いんです。
 
もしこれらを演じてしまうと、自分を卑下するようになり、今度は悪目立ちしてしまいます。
 
すると、違う意味で人が離れる可能性がありますので、注意して下さい。

また、この「完璧がダメなら、目立たない地味な人」というのも、「0か100の思考」でバランスが悪い、といえるでしょう。
 
もちろん、思春期には、色々な自分を試してみて、どれが「自分らしいのか?」「一番しっくりくるのは、どんな自分か?」などを、探っている時期でもあります。
 
しかし、 人に嫌われないためだけに、本人の良さを封印しては、もったいない!
それに、本来の良さを抑圧していると、後々無理が祟って、心身の不調を来すことも少なくありません。
 
ですので、もしお子さんが、「目立たないように」「嫌われないように」「地味な私」を演じようとしているなら、親御さんは、それをやめさせてあげて下さいね。

では次に、完璧も、目立たない地味な人もダメなら、どうすればいいのでしょうか?
 
それは…
 

 「本来の良さ」と「人に知られてもいい弱さ」の表現


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お子さん「本来の良さ」と「人に知られてもいい弱さ」の両方を表現する、ということです。

これは、 「自然体の自分」と言い換えてもいいかも知れませんね。
 
物事には常に、いいも・悪いも・グレーも存在するように、さまざまな側面とバランスがあります。これは、人間でも同じことなんです。
 
例えば、「アニメオタク」のような女の子の場合、お子さんの本来の良さは、「アニメ好きで、絵が上手い」「ストーリーの理解力がある」「情報収集能力がある」「集中力がある」「ユーモアがある」などです。
 
そして、人に知られてもいい弱さとは、「好きなものに没頭し過ぎてしまうところ」などですね。
 
こう捉えたり、言い換えると、バランスの取れた状態が表現できる、と思いませんか?

もちろん、お子さんの中には、「アニメ好きを人に知られたくない。恥ずかしい。キモがられる。」と思う子もいるかも知れません。
 
しかし、好きなものが明確な人のほうが、人生は豊かになります。
 
また、「自分が何が好きで、何をやりたいのか分からない」という人から見れば、好きなことが分かっているだけで、羨ましい存在。
 
ですので親御さんは、お子さんの好きなこと や 良さを、素直に表現できるようサポートしてあげて下さいね。
 
そして同時に、「人に知られてもいい弱さ」も、一緒に考えてみて下さい。
 
ここでいう「弱さ」とは、本人が他人に絶対知られたくないような秘密や、強いコンプレックスなどでは、ありません。
 
ちょっとした「嫌なところ」や「抜けたところ」というようなもので、十分です。
 
もし分からなかったら、お子さんに、次の質問をしてみて下さい。
 

・あなたが完璧だと思う人は、誰?
・その人に、もし「こんな嫌なところや、抜けたところがあったんだ!」と知ったら、なぜか親近感が湧くことは、何?

 
親近感が湧くということは、実は、お子さんも持っている「嫌なところ」や「抜けたところ」なんです。
 
ですので、親御さんは、お子さんの良さをしっかり伝えつつ、「本人が人に知られてもいい弱さ」も、お子さんと一緒に話し合ってみて下さいね。

もちろん、「人に弱みを見せたら、付け込まれるのでは?」と、心配する親御さんもいるかも知れませんね。
 
その場合は、「相手を判断するテスト」と考えてみて下さい。
 
人に知られてもいい弱さ(ちょっと抜けたところ)を話してみて、「私も、こんな抜けたところが、実はあるよ」と、話してくれる人は、相手に心を開いて話す人です。
 
逆に、弱みをしつこくからかったり、付け込むような人とは、友達になってはいけません。
 
「この人は、違ったな」と思った場合は、「欠点を自分で話す分にはいいけど、あなたに言われると、私は傷つく」と、はっきり相手に伝えて、距離を取りましょう。
 
親子でこのような対話をすることで、お子さんは、「完璧じゃなくても、いいんだ。少し抜けたところがあるくらいで、ちょうどいい。」「自然体でいいんだ♪」と思えるように、少しずつなっていきます。
 
もちろん、これは言葉でいうほど、簡単ではありません。
お子さんの元々の性格もありますから、徐々に変化していく、と思っておいて下さいね。
 
そして、完璧主義も不登校も、私と一緒に改善していきましょう!
 
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、お子さんは、常に完璧を求めていませんか?
2、完璧主義の原因は、性格・教育環境・周囲の接し方の影響。
3、完璧な人は、相手に緊張を与えてしまう。
4、0か100かの思考を手放す。
5、「本来の良さ」と「人に知られてもいい弱さ」を表現する。

 
 

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