小学生に多い、2つの 不登校 パターン
小学生のお子さんが 不登校になると、親御さんは心配で堪りませんね。
でも、不登校は、誰でもなる可能性のある現象です。
また、いくつかの「不登校 パターン」があるんです。
まずは焦らずに、お子さんの様子を観察して下さいね。
そして、お子さんのパターンに合った、不登校 改善を行って下さい。
ここでは、小学生の不登校によく見られる、
「不登校パターン を2つ」ご紹介します。
目次
1.小学生の不登校に多い、2つのパターン
2.母親と離れる不安が強いパターン
3.学校という社会に、一人では適応できないパターン
4.小学生の不登校パターンを見極める方法
小学生の不登校に多い、2つのパターン
私が相談を受ける小学生の女の子の 不登校には、主に2つのパターンがあります。
▼それは、下記の2つです。
【小学生に多くみられる 不登校パターン】
1,母親と離れる不安が強い パターン
2,学校という社会に、一人では適応できない パターン
1と2それぞれのパターンのご説明は、後程行うとして…
お子さんの不登校パターンが違えば、「改善策」や「親御さんの接し方」も変わって来ます。
お子さんは、どちらのパターンなのか、お子さんの様子を振り返りながら、読み進めて下さいね。
では、パターン1・2のそれぞれのご説明をいたします。
1,母親と離れる 不安が強い パターン
これは、お母さんから離れる不安が強くて起こる現象の一つで、専門用語では、 「母子分離不安」といいます。
※詳しく知りたい方は、こちら。 「母子分離不安」という親子関係
例えば、子どもが、保育園や幼稚園の入り口で、「ママ、行かないで~」と泣いて、だだをこねることがありますよね。
そして、子どもの目の前からお母さんがいなくなると、お母さんを探して、パニックになったり、ヒステリーになったりする状態のことです。
これは、「お母さんに、見捨てられてしまうのではないか?」と、子どもが不安や恐怖を、強く感じてしまうからなんです。
もちろん、幼少期の親子関係というのは、通常、子どもは 親に依存して成長します。
ですから、お母さんから離れることに、不安を感じたり、離れたがらないことも、多少はあるのですが…
次のような場合は、「母子分離不安」が疑われ、「不登校の初期・中期段階」と、私は考えています。
・小学生になって初めて、「学校へ行きたくない」と泣く。
・朝起きられない・頭痛・腹痛・熱を出す等、体調が悪くなる場合。
・どんなシチュエーションでも、母親が子どもから離れると、パニックになる。
※もしお子さんの様子が分からない場合は、
学校の先生や周囲の方に相談し、お子さんの様子を詳しく伺って下さいね。
改善策
「パターン1」と考えられる場合、まざまな「改善策」があります。
ただ、ここで全てをお伝えすると、長くなりますので、今回は、一番重要な接し方をお伝えしますね。
それは、「どんなことがあっても、お母さんは、ずっと○○の味方でいる」と、お子さんに「安心感」を与えるよう、親御さんが接していくことです。
具体的な方法としては、下記のうようになります。
・毎日、1時間、子どもの話だけを聞く。
この間、テレビや家事をしないで、子どもと接することに集中する。
・子どもの話を否定せずに聞き、嫌な表情をしない。
・スキンシップを取る。(なるべく、子どもを抱きしめてあげる。)等々…
これらを実践するポイントは、2つ。
1、根気よく毎日続けていくこと。
毎日続けることで お子さんは、少しずつ「大丈夫、もう見捨てられない」「一人じゃない」と、生活の中の実感レベルで、確信できるようになります。
2、親御さん自身の 不安を解消するために、相談先を確保すること。
子育てに、絶対的な正解はありません。ただその分、不安も多くなりがち。
また、お子さんの話を 今まで以上に聞くことから、「私の話は、誰が聞いてくれるの?」と、思うこともあるかも知れません。
そんな時、親御さんの話を聞いてくれる場所を確保することは、親御さん自身の「健全な心と身体」を保つために、必要不可欠なんです。
2,学校 という社会に、一人では適応できない パターン
2のパターンは、1と同じように、母親と離れる不安も 影響しているのですが…
それよりも、自分で考え、行動する等の、社会に適応することが難しく、どうしてもできない状態です。
母親がいない不安 < 自分の適応能力の未熟さ
子どもは成長する過程で、自分で考え、行動します。
その中で、「授業中、先生の話をじっとして聞く」「みんなの前で、発言する」「友達と協力して、何かを行う」等々…
学校生活のルールや勉強、対人関係に至るまで、さまざまな課題や目標を、達成する経験をします。
しかし、幼い間は、簡単に出来る課題や目標が多かったので、なんの問題もなく、目標達成できていたのです。
ところが、今までできることが多かった子どもも、小学生となると、いきなり目標が高くなり、つまずくことが増えていきます。
すると、多くの子どもはつまずいたり、回り道をしたり、飛ばしたりと、試行錯誤を繰り返し、自分の力で乗り越えて行くのですが…
何かを乗り越えられずに、全てを諦めてしまったり、直ぐに 誰かにやってもらおう、とする傾向があるんです。
これは、家庭で母親が、子どもがすべきことをなんでもやってあげる、といった行為により、この傾向は強くなります。
今まで、お母さんが なんでもやってくれていたので、子ども自身が、自分で考えることをしなくなります。
また、子どもに必要とされることが、何よりも嬉しい母親の場合、子どもは、母親に頼り切りになることで、母親に好かれようとします。
そして、自分を鍛え、何かを身に付ける機会もなく、成長して来てしまった状態です。
このような子どもは、「誰かが、何かをやってくれる」と思い込んでいる場合も多く、わがままになりがちです。
子どもにとって、なんでもやって貰える環境は、とても居心地が良く、安心です。そのため…
協力者がいない居心地の悪い場所 = 学校は、嫌な所(苦手)
という思考ができてしまい、苦手意識や恐怖心が強くなり、不登校になっています。
改善策
このような場合は…
子どもへの「過干渉」をやめて、子ども自らが考え、行動できる、環境作りが必要です。
親御さんは、子どもを自分の思い通りにしようとしたり、親御さんの望むものだけを、子どもに与えるのではなく、「どうしたら、子ども自身が考え、やる気になってもらえるかな?」と、考えていくことが大切です。
もちろん、親御さんには、次のような忍耐も必要です。
・親御さんが、お膳立てや、先回りをしないこと。
・子どもが、自分の考えを言えるまで待つ。
・実際の行動においても、手出しをしないように我慢する。等々…
親御さんの、「可愛い我が子に、何かしてあげたい!」という気持ちは、十分に分かります。
しかし、石ころ一つない道が、果たして、本当に我が子のためになるのか?よく考えて下さいね。
また、お子さんの苦手意識を緩和して、適応力を身につける方法もございますので、併せてお読み頂けると幸いです。
「適応力を磨いて、不登校を乗り越える方法」
小学生の 不登校パターンを 見極める方法
いかがでしたか?
実は、パターン1と2は、一見するとよく似ています。
そのため、 多くの親御さんが、パターンの違いに気づかず、「誤った対処法」や「接し方」をしてしまい、不登校を 悪化させてしまう傾向があるんです。
親御さんは、この2つのパターンを分けて考えて頂き、しっかり見極めることが大切です。
最後に、この2つのパターンの「見極め方」をご紹介します。
見極め方は、とっても簡単!
◆ 子どもが、「どんな時に、パニックになっているのか?」
これを見ていくと、1と2のパターンの違いが分かります。
例えば、学校や習い事、買い物や公園等、どんなシチュエーションでも、お母さんの姿が見えなくなると、お子さんが、パニックやヒステリー状態に陥ってしまう場合。
これは、「パターン1」と考えられます。
一方、遊びやゲーム等、お子さんが好きなことや 興味のあることには、お母さんがいなくても、パニックやヒステリーを起こさない。
でも、学校には行けない、という状態。
こちらは、「パターン2」と、お考え下さい。
いずれにしても お子さんの状態をよく観察し、親子関係や接し方を見直しながら、着実に不登校を解決していきましょう!
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、小学生の不登校には、主に2つのパターンがある。
2、お子さんは、見捨てられ不安を 抱えていませんか?
3、お子さんのことを、干渉し過ぎていませんか?
4、母親がいない時、子どもはどんな様子か、確認する。