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朝 起きられない 子どもを 起こす方法


朝起きない 子ども の 起こし方

 
小学生の女の子が 不登校になる場合、「朝起きられない」という症状が、多く見られます。
 
親御さんは、あの手この手で、何とか起こそうとしますが…、
う~ん、やればやるほど 起きられない!
 
そこで今回は、姉のケース と 私の実体験を交え
 
「どうして、朝起きられないの?」という原因と、
「自分で起きる方法」を お伝えします。
  

目次
1.朝起きられない3つの原因
 1.自律神経の乱れ
 2.友人関係のストレス
 3.親子関係(家庭環境)のストレス
2.朝、自分で起きる方法
 1.お子さんの状況を 親御さんが理解してあげる
 2.生活のリズムが整うような環境を作る


 朝 起きられない 3つの原因


 
不登校・引きこもりの お子さんは、朝起きられないことが多く、中には、「頭痛」や「腹痛」などの身体症状がある場合もあります。

そのため、医療機関を受診される方も多いかも知れません。
 
そして医療機関では、多くの場合、「起立性調節障害」と診断されます。
 
この起立性調節障害には、さまざまな原因が絡み合っているのですが、私は医師ではありませんので、医学的なお話をすることはできません。
 
とはいえ、「起立性調節障害」の診断を受けた姉の経験と、私の実体験から お伝えできる原因は、主に3つです。
 

 1,自律神経の乱れ
 2,友人関係のストレス
 3,親子関係(家庭環境)のストレス

 
では、それぞれをもう少し詳しくご説明いたしますね。  


 自律神経の乱れ


 
 不登校・引きこもりのお子さんの年齢は、成長期であると共に、「思春期」です。
 
思春期がはじまる時期(女児は10歳くらい、男児は11歳くらいから)は、身体の成長に対して、「自律神経」の発達が追いつかず、バランスを崩し易くなります。
 
また 成長期には、ホルモン分泌が乱れることもあり、自律神経に影響を与える といわれています。
 
この自律神経の働きは、身体を活発に動かす時に働く「交感神経」と、
食事・睡眠などの体を休める時に働く「副交感神経」で成り立っており、2つの役割のバランスによって、身体の健康を保っているのです。
 
例えば、健康な人であれば、朝になると「交感神経」が働き、血圧や心拍が上昇して、身体の活動開始!
 
そして夜は、心身を休めてリラックスするため、「副交感神経」が働き、血圧は下がって、睡眠準備が整います。
 
しかし、起立性調節障害では、“この切り替えがズレてしまい、” 朝になっても交感神経の働きが鈍く、血圧が下がったままで、身体は動きたくても 動けない状態です。
 
また、夜になると、交感神経が活動を止めないため、寝つきが悪くなります。
そして症状が酷くなると、切り替えのズレは、5~6時間にも及ぶこともあるんです。
 
そのため午前中は、思考や判断力が低下し、次のような症状が起こります。
 

・朝起きられない。
・めまいや立ちくらみがする。
・午前中 具合が悪いが、午後は元気になる。 等々

 
これらは一見すると「甘え」「時間にルーズ」「心が弱い」等と思われがちで、実際に姉の時は、私もそう思っていました。
 
しかし、いざ自分がなると、本当に辛くて起きられないんです。
 
つまり、起立性調節障害は、自律神経の異常(乱れ)が影響しています。
ご家族は、そのことを 十分理解してあげて下さいね。 
 


 友人関係のストレス


起立性調節障害 ストレス

次に、自律神経が乱れる要因として、「単なる思春期」だけでなく、「ストレス」が 影響していることも考えられます。
 
その中でも 「友人関係のストレス」は、比重が大きく、主に次のような状況が考えられます。
 

・友達の裏切り
・いじめ
・孤立

 
このような状況下では、トラウマ的な 嫌な記憶が、頭の中を グルグルと巡ってしまい、他のことを考えたくても、抜け出せないことが多いんです。
 
例えば、夫婦喧嘩をした時を、思い出して下さい。
 
喧嘩の原因は、とても些細なことでも、ご主人に言われた 傷つく言葉や、無視されたこと。
 
あるいは、あなたの言い分を 聞いてくれなかった 怒りや淋しさを、家事や仕事の最中に、忘れようとしても、何度も思い出す。
こんな経験ありませんか?
 
すると、常に嫌なストレスを感じていますので、自律神経が緊張してしまい、交感神経 と 副交感神経の切り替えが 上手くいかないのも、容易に想像できるのではないでしょうか?
 
また、これらの状況から抜け出すには、周囲への相談 や 助けを求めることが、とても重要です。
 
しかし、不登校・引きこもりのお子さんの多くが 相談を求めたり、「SOS」サインを出していても、周囲が真剣に受け取っていない。
 
あるいは、「相談すらできない環境下にいる」ケースも少なくありません。 


 親子関係(家庭環境)のストレス


 
これは、2つ目の要因と繋がっている、「親子関係のストレス」
 
例えば、お子さんが「いじめ」にあっている場合、本来なら、すぐ学校の先生や親御さんに 相談して欲しいのですが…
 

・先生が、いじめの理由になっている。あるいは、見て見ぬふり。
・親御さんの仕事が忙しく、相談する時間すら取ってもらえない。
・夫婦仲が悪く、常に不安やイライラが蔓延している家庭環境。
・家族から暴力を受けたり、疎外されている。
・介護や病気の家族がいる。

 
このような家庭環境の場合、お子さんは、どう考えると思いますか?
おそらく…
 
「帰っても、家に誰もいないのは、淋しい。
 でも、喧嘩になるのも、家の恥をさらすのも、家族を売るのも嫌だ。
 …それにきっと、お母さんも、お父さんも、兄妹も、それぞれに大変なんだ。
 
 だから私のことで、迷惑や心配はかけられないし、悲しませたくない」
 
このように考えるのではないでしょうか?
 
すると、「相談すらできない環境」が作り上げられ、結果的に、「親子関係」も大きなストレスとなります。
 
こう考えると、「朝起きられない」お子さんの自律神経は、学校でも家でも、常に緊張状態で、本来の働きをしてくれないのも、ご納得頂けると思います。
 
実際に、幼少期の私の家庭環境は、良くありませんでした。
両親は共働きで、夫婦仲はイマイチ。

姉は常にいじめられていたため、円形脱毛症、起立性調節障害、過呼吸、幻覚、幻聴、うつ病などの症状が出ていました。
 
そんな中、妹である私は、相談したいことがあっても、「これ以上、両親の負担になる相談なんて、できない」と思い込んでいたのです。
 
もちろん、勇気を出して相談することもありましたが、既にキャパオーバーの母親は、ヒステリックに怒るか、負い目を感じてしまい、向き合ってはくれません。
 
父親は、ちょうど働き盛りの年齢で、仕事を優先するしかなかったように思います。
 
ただ私の経験上、「それぞれ大変なんだから、仕方ない」と、物分かりのいいふりをして、“ 見せかけの成長 ”をすることはできます。
 
しかし、現実的には 何も解決されていませんから、そのシワ寄せは 後に、未成熟、精神的な病や、病気等、多くの代償を支払うことになりますので、注意して下さいね。
 

では、このような状態から、どうすれば自律神経を整え、本来の働きに戻して、朝 起きられるようになるのでしょうか? 


 朝、自分で起きる方法


朝、自分で 起きる方法

 
それには、いくつかの方法があるのですが、
今回ご紹介するのは、2つのアプローチです。
 

1、お子さんの状況を、親御さんが理解してあげる。
2、生活のリズムが整うような環境を作る。

 


 お子さんの状況を、親御さんが理解してあげる 


 
現在のお子さんの身体症状、いじめ、友人とのトラブル等、これまでの状況を、親御さんが把握して、お子さんの気持ちを理解してあげて下さいね。
 
その上で、「ただ見守る」のではなく、自律神経を整えるための適切な働きかけ(アプローチ2)を、行って下さい。


 生活のリズムが 整うような環境を作る


起立性調節障害 生活リズム 整える

 
起立性調節障害で、朝なかなか起きられないとはいえ、少しずつ生活のリズムを整えることは、やはり必要です。
 
そこで、お子さんが「楽しみな現実」を作ることが、とても重要になります。
 
この「楽しみな現実」とは、お子さん自らが、「こうしたい」「ああしたい」と思うことや、好きなことをやること。
 
そのために、下記の「朝起きる 5つの方法」を実践しながら、日中の楽しく過ごせる時間を、確保して下さい。
 

【朝起きる5つの方法】
 
1、お子さん自身に、朝起きる時間を決めて貰う。
2、時間になっても起きない場合は、優しく一声かける。
3、起きられたら、褒めてあげる。
4、起きられなくても、嫌味を言ったり、責めたりしない。
5、夜、寝る1時間位前に、お風呂を済ませる。
その際、41℃の湯船に10分位、ゆっくり浸かる。
※但し、お子さんの年齢や体調に応じて、温度・時間は調節して下さい。
(半身浴など、長時間のお風呂は、体力を消耗し過ぎてしまいますので、お勧めできません。)


そして、お子さんの楽しみな現実が、「アニメを観る」や「ゲーム」だったとしても、今は、その楽しみに 親御さんも協力してあげて下さい。
 
また、お子さんに聞いても、「何も思いつかない」という場合は、親御さんがお子さんと一緒に、料理をしてはいかがでしょう?
 
料理は、「カレー」などのメニューを決めて、下準備や段取りを組んで、調理しますよね。
 
この一連の作業が、目的や目標を定め、それを達成するための考え方 や 行動の練習になるため、頭も良くなり、行動力も身に付きます。
 
また、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」「オキシトシン」が分泌され、感情のコントロール や 精神安定につながります。

ぜひ、ご家庭でチャレンジしてみて下さいね。
 

いかがだったでしょうか?
 
毎日となると 大変だと思いますが、
私の経験上、「自分で決めたやりたいこと」と「楽しい現実」があれば、「生きる喜び」を取り戻し、少しずつ朝起きられるようになっていきます。
 
生活のリズムを整えるためにも、まずは1週間!
親子でチャレンジしてみてくださいね♪
 

最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、朝起きられないのは、自律神経の乱れ。
2、お子さんの自律神経の働きを妨げる、
  友人・親子関係(家庭環境)のストレスは、ありませんか?
3、改善には、お子さんの状況を、親御さんが理解してあげる。
4、生活のリズムが整うような環境作りをする。 

 
 

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