生かして欲しい姉の教訓
 

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大学受験がきっかけの
不登校 と 見守る方法


不登校 受験 見守り方

 
子育て中の親御さんにとって、不安や心配を強く感じる時期は、お子さんの「受験」ではないでしょうか?
 
そんな受験の時期に「不登校」が重なると、
お子さん、親御さん、共にかかるストレスは 計り知れません。
 
そこで今回は、私の姉を参考に
 
「受験がきっかけの不登校」その理由と、
「受験生を見守る方法」を お伝えしたいと思います。
  

目次
1.受験生の心理とプレッシャーとは?
2.大学受験をきっかけに、不登校になった姉
3.心配し過ぎが、子どもを追い詰める
4.「心配」という名の「不安」
5.受験生を見守る方法


 受験生の心理 と プレッシャーとは?


 
受験生の多くは、次のような気持ちだと思います。
 
「志望校に合格して、夢を叶えたい」
「親や友達、先生など、周囲の期待に応えたい」
「そのために、頑張って勉強する」等々…
 
しかし一方で…
 
「でも…、勉強に集中できない」
「正直、勉強したくない」
「成績を他人と比べてしまい、落ち込む」
「今まで、もっと勉強しておけば良かった」等々…
 
苛立ち・不安・焦り・後悔もありますよね。
 
この相反する気持ちが戦ったり、やる気になったり、落ち込んだりと、常に感情がフラフラと揺れ動いている。こんな不安定な状態が、受験生の心理ではないでしょうか?
 
そのため 見守っている親御さんも、心配で仕方ないかも知れません。
 
しかし、この「親御さんの心配」が、
「更なる 受験のプレッシャー」となっている場合が多くあります。
 
なぜならこの心配は、お子さんにとって、有り難さの反面…
「私は、信用されていないのではないか?」
とういうデメリット(不信感)も、伝えてしまう可能性があるからなんです。
 
そうは言っても、
「親が子どもの心配をするのは、当然でしょ!」
「心配して、何が悪い!」と、思われる方も多いと思いますので、
私の姉の例で、「親の心配のデメリット」を、考えていきたいと思います。


 大学受験をきっかけに、不登校になった姉


 
これは、大学受験を目前に 不登校になった 姉の話です。
姉は、美術大学受験のため、学科とデッサンの勉強に励んでいました。
 
ところが、2学期に入ると成績は伸び悩み、進路指導の先生から、「今の成績では、志望校は厳しい」と宣告。
 
ショックを受けた姉は、「どうせ頑張っても 無理」と、自暴自棄になり、不登校になったのです。
 
そして、しばらく学校をお休みしている間、私は姉から、こんな話を聞きました。
 
「勉強に集中できない」
「学力も 絵も、他の子と比べてしまい、自信がない」
「志望大学を変えると、親や友達から馬鹿にされるのではないか?と、不安に思う」
「お母さんが、何でも口出しして来て、うるさい」等々…
 
この他にも、多くの不安 や 不満を抱えていました。
 
そんなストレスいっぱいの姉は、姉なりに、受験のストレス や 不安を解消すべく、友達同士で愚痴を言い合ったり、電話で励まし合っていたのですが…
 
姉の友達付き合いや、長電話を良く思わなかった両親は、「受験勉強に集中して欲しい」と、事あるごとに叱ったり、友達の悪口や批判をして、友達から引き離そうとしていました。
 
そして、電話を使えないようにしたり、漫画やゲームを禁止したり、テレビの時間を厳しく制限する等、あらゆることへの干渉が、エスカレートしていったのです。
 
それ以来、姉は、勉強に集中しようとしてもできなくなり、苛立ちと不安ばかりが増してしまい…
 
とうとう限界が来て、不登校になったのです。 


 心配し過ぎが、子どもを追い詰める


受験 プレッシャー 不登校

このように、 親御さんが心配をし過ぎると、「過干渉」となる場合があります。
 
すると、ただでさえ「受験」という、ストレス(圧力)がかかっている状態へ、ガス抜きのための「はけ口」を失ってしまう。
 
当然、お子さんのストレスは溜まる一方で、出口がありません。
その結果…
 

・勉強に集中できない。
・不安や苛立ちが増す。
・無気力になる。
・親への不信感を持つ。
・不信感から、親を恨むこともある。等々…

 
このような状態を作ります。
 
人間は、頑張っていることがある = ストレスがかかっている状態です。
 
例えば、「楽しい旅行」。「楽しいことや、やりたいことには、ストレスはない!」と思われがちです。
 
しかし、楽しい旅行で心地よい感じがしても、帰宅後、ある程度の疲れは出ませんか?
 
その解消法として、「ぐっすり眠る」といった行動を、多くの方がされていると思います。
 
これと同じで、何かに頑張っていれば、その疲れやストレスを癒す、「息抜き」や「はけ口」が必要なんです。
 
これは、仕事や家事・育児を頑張っているからこそ、息抜きで友人とおしゃべりしたり、運動したり、お酒を飲んだり、趣味を楽しんだりと、自分なりのストレス解消をして、「心のバランス」を上手に取っている人を見ると、良く分かると思います。
 
しかし、姉の場合は、勉強と息抜きのバランスを取るのではなく、親の心配し過ぎが、はけ口を全て奪う結果となってしまい、姉をがんじがらめに苦しめていたのです。
 
もちろん、受験がきっかけの不登校は、これだけの理由ではなく、他にもありますし、一人ひとりの状況は違います。
 
ただこのような状態では、受験のストレスが大きくなり過ぎて、身動きが取れずに、不登校になってしまうのも、無理はありません。 


 「心配」という名の「不安」


 
一方、親御さんの気持ちとしては、お子さんに
 

・受験で 失敗して欲しくない。
・挫折感や辛い想いを 味合わせたくない。
・大卒でなければ、就職で苦労するのではないか?
・下の子がいるから、浪人は困る。 等々…

 
多くの理由で心配するのは、親心ですね。
 
ただ、この手の心配は、“ 私(親御さん)が 不安な状態。”
 
子どもの受験は、親が代わってあげることはできませんね。
それが分かっているからこそ、もどかしく、何かしてあげたいのに、それができない。
 
だから、先の見えない不安に、私(親御さん)が困っている。
 
そして、私(親御さん)が安心したいために、あれこれ手を出したり、干渉していないと、落ち着かない状態ではないでしょうか?
 
そんな親御さんの不安な気持ちも分かります。
 
ただ今は、不安を「心配」という形に変えても、お子さんにとっては、プレッシャーでしかありません。
 
厳しいことをいうようですが、
親御さんは、お子さんの能力 や 可能性を信じて、見守ってあげて下さいね。
 
そうは言っても、「落ち着かない」という場合、どう見守ればいいのでしょうか? 


 受験を見守る方法


受験 見守る 方法

 
それは、 親御さんが、ご自身の仕事や趣味、スポーツ等、やってみたかったことに目を向け、挑戦することです。
 
繰り返しになりますが、受験は、親御さんがどんなに心配しても、お子さん自身がやるしかありません。
 
加えて、現在では、学歴に関係なく 夢を叶えたり、成功者と呼ばれる方は 多くおられます。ということは、 “ 大学に拘る必要すら ないんです。”
 
また、未来のことは 誰にも分らないですから、お子さんの可能性を信じて、見守る。
 
もちろんこれは、お子さんに対して、無関心になることではなく、お子さんの頑張りや、負けそうになる気持ち等はくみ取りつつ、 親御さん自身は、ご自分のことに集中することです。
 
自分自身のことに集中している場合、他人の行動は、さほど気にならなくなりますから、お子さんのことで イライラすることが、ぐっと減りますよ。
 
更に、趣味やスポーツに集中したり、没頭することが、家事や仕事の「息抜き」になりますので、一石二鳥です!
 
そして、親子であっても、「自分のすること」と「子どものすること」を、“ 分けて考えるクセ ”を付ける必要があります。
 
心理学者のアドラーは、この考え方を、 「課題の分離」と呼んでいますので、一度は、聞いたことがあるかも知れませんね。
 
また、自分のすることを言い換えるなら、 「自分の人生の課題」
 
人間は、一人ひとりが 唯一無二なように、
人生の課題も、それぞれが自分の課題を理解し、自分自身で取り組むものです。
 
つまり、現在の親御さんの課題は、次の2通り。
 

・ご自身の仕事、趣味、スポーツに集中する。
・これといった趣味や、やりたいことがない方は、
 趣味・やりたいことを見つけ、挑戦する。


一方 お子さんは、次の2つが課題です。
 

・将来の夢や目標を叶えるために 勉強する。
・息抜きもしっかりして、心身のバランスを保つ。


このように、今やる課題を「親」と「子ども」で 明確に区別し、お互いがそれぞれの課題に取り掛かることが大切です。
 
そして、不登校と向き合いながら、
それぞれの可能性を信じて挑戦していきましょうね。
 
 
最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、親の心配が、受験のプレッシャーと 不信感を生む。
2、お子さんへの接し方は、どんな感じですか?
3、心配し過ぎは、子どもの「はけ口」を奪う。
4、その心配は、「あなたが安心したいため」ではありませんか?
5、親と子で、現在の課題を区別し、それぞれの仕事・趣味・スポーツに挑戦する。

 
 

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