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なんでも話せる 友達を作る方法:前編


不登校 中学生 友達作り

  
不登校 や 引きこもりの理由に、「友達と上手くいかない」と、「友達との人間関係」に悩んでいるケースは、とても多いものです。
 
また、お子さんは「友達が欲しい」と望んでいるのですが…、どうすればいいか、分からずにいる場合があるんです。
 
そこで今回は、私の姉の例を交え
 
「なぜ、友達と上手くいかないのか?」という理由と、
「ご家庭でできる、なんでも話せる 友達を作る方法」をお伝えします。
 
  

目次
1.どうして、友達と上手くいかないの?
2.友達作りが上手くいかない姉
3.誰も傷つけずに、人間関係は構築できない 
4.なんでも話せる友達とは?


 どうして、友達と上手くいかないの?


 
私が不登校のお子さんに、学校へ行けない理由を尋ねると…

「人間関係(コミュニケーション)が上手くいかない」
「友達がいない」
 
こう話すケースが多くあります。
 
こんな話を聞くと親御さんの多くは、「いじめられてるの?」と、心配されるかも知れません。
 
しかし、お子さんの中には、次のように答える場合があるんです。
 
「気の合う人がクラスにいないだけだから、いじめではない」
「私、一人の時間が好きだし、一人の方が気が楽だから」
 
このような場合、もちろん 無理に友達を作る必要はありません。
 
しかし、多くのお子さんが、それまでの人生で、
 
・友達に誤解れたり
・裏切られたり 等々…
 
人間関係に 深く傷ついた経験(トラウマ的な体験)があります。
 
例えば、私の姉の例で、考えてみたいと思います。
 


 友達作りが上手くいかない 姉


 
思春期で多感な中学生時代、私の姉は、友達とのトラブルが絶えませんでした。
 
なぜなら、姉は美人だったからです。
 
美人が故に、自然と男の子の注目を集めます。
すると、それまで仲良くしていた女友達から、次第に妬みを買い、仲間外れにされるのです。
 
もちろん、姉もまだ中学生ですから、容姿以外にも、相手をイライラさせる言動や、未熟さがあったことも事実です。
 
しかし、本人は仲間外れになっても、
「友達を裏切りたくないし、チクリになりたくない」、と我慢。
 
そして、新しい友達を懸命に探したり、一人の時は、勉強・スポーツ・イラストを描くなどに集中するよう、本人なりの努力をしていました。
 
ただ それらが良くできればできるほど、努力したプロセスは評価されずに、妬まれる要素が 一つ増えた状態となり、友達作りは、なかなか上手くいきませんでした。
 
その結果、姉は次第に孤立し、学校へ行かなくなったのです。


 誰も傷つけずに、人間関係は 構築できない


不登校 人間関係 構築

 
友達作りが上手くいかない原因は、いくつもあるのですが…
 
姉のように、本人は本人なりに頑張っていても、
友達に妬まれたり、誤解されたりして、「寂しさ」や「孤独」を、過剰に我慢している場合が多く、強がっていたり、心の扉を閉ざしていることがあるんです。
 
すると、素直になれないわけですから、
当然のように、友達との友好的な関係を築くのは、難しいですね。
 
ただこれらの反応は、傷つくことから自分の身を護ろうとする、 「防衛反応」ですから、ごくごく自然なこと。
 
また、人間関係を構築する大前提として、
「自分や相手が、全く傷つかない」ということは、残念ですがありません。
 
それでも人は、傷つくことを恐れたり、
「言わなくても分かって欲しい」とか、「以心伝心のテレパシー」に憧れ、てしまいます。
 
でも、実際には ありませんよね。
 
ということは、何も伝えずに、自分のことを分かって貰えることもなければ、相手のことを、100%理解することもできない。
 
加えて、その時のタイミング、体調や現状が悪ければ、自分も相手も、その言動を悪く捉えたり、誤解してしまい、「傷ついた」と感じたりもします。
 
つまり、コミュニケーションや人間関係において、「どう感じるか(受け取るか)」は、その人次第、ということですね。
 
ですので、極力 傷つけない努力は必要ですが、誰も傷つかずに、人間関係を構築するのは、そもそも無理なことなのです。
 
ただこれらのことを、お子さんは、まだ勉強途中。
 
そのため、上手く理解できなかったり、技術的に 使いこなせないでいる段階なので、これから習得していけばいいのです。
 
また、お子さんとしては、傷つきたくない思いはあるものの、心の奥底では、「なんでも話せる友達が欲しい」のではないでしょうか?

 なんでも話せる友達とは?


中学生 女の子 友達作り

さて、なんでも話せる友達が欲しい場合、
「なんでも話せる友達とは、どんな人か?」を、知ることが必要です。
 
これを読んでいるあなたや、お子さんにとっては、一体 どんな人でしょうか?
親子で、話し合ってみて下さいね。
 
例えば…
「自然体でいられる人」
「良いことも悪いことも、バカなことも話せる人」
「どんな話も受け入れた上で、ダメなところも言ってくれる人」ですか?
 
それとも…
 
「比較的なんでも話せる人だけど、恋愛話はちょっと…」等、その人の向き不向きに応じて、カテゴリー別に話す友達がいる。
なんて方もいるかも知れませんね。
 
また、「心からの親友」と思える人は、長い人生で、何人くらい出逢えると思いますか?
 
私の個人的な感覚としては、人生に一人か二人、出逢えれば 大満足!
 
このように、「なんでも話せる友達」とは、
 
・広く浅く
・少なくても深く
・相性の良さや、価値観を認め合える人 等々…
 
人それぞれに選ぶ基準も違えば、人数も違うと思います。

ところが、子どもの間は「友達は多い方が良い」と、考える傾向が強く

「みんなに好かれよう」
「嫌われたくない」
「一人ぼっちになりたくない」
 
等と思い過ぎてしまいがちです。
 
すると、(たくさん友達がいる○○さんと比べて、私は…)と、自己否定 や 卑下してしまい、「劣等感」が生まれて、苦しくなりますね。
 
そして、その苦しさから逃れるために、今度は、「優越感」を得ようとするんです。
 
すると、「親は社長なの」とか、「家族で 海外旅行へ行った」「私には、モデルをしてる カッコイイ彼氏がいるのよ」等の自慢をする。
 
例えば、これが主婦の方なら、
ご主人の肩書や年収、お子さんの自慢かも知れませんね。
 
あなたは、こんな自慢話ばかりする人を、どう思いますか?
 
「はいはい、また始まった…」
「早く、話終わらないかな?」
「面倒くさ~」等々
 
こんな風に、感じたりしませんか?

実は、この自慢話ばかりする人の多くも、本当は自分に自信がなく、強い劣等感を抱えているんです。
 
だからこそ、他人の評価が得られそうな話を自らして、相手を利用しつつ、自分の劣等感の埋め合わせをしようとしているので、嫌な感じを受けるのですね。
 
つまり、劣等感でいっぱいの人も、優越感を得たい人も、
根柢の部分では、同じ「自信の無さ」や「自己肯定感の低さ」が隠れているんです。
 
こう考えていくと、「自己否定 や 卑下するタイプ」と「自慢話をするタイプ」。
どちらのタイプのコミュニケーションでも、なんでも話せる 良い人間関係は、構築できないと思いませんか?
 
もちろんこれは、「友達なんていなくていい」、という話ではありません。
 
ただ人が成長し、人生を豊かに過ごすためには、
“ 自分に合った友達を、たった一人でもいいから見つけ出すこと”が、 大切ではないでしょうか?
 
そのためには、傷つくことからお子さんを、ただただ守るだけではなく、学校や社会の中で、多くの人と触れて、
 
「そういう意見 や 捉え方もあるな」
「私とは、○○という点で、違っているな」等々…
 
変に決めつけたりせずに、さまざまな考え方 や 観点を受け入れる。
 
そして、ある程度の傷つくことへの免疫力を付け、人を知る練習が必要だと、私は考えています。
 
世界3大心理学者として位置づけられているアドラーは、

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」といいます。
 
そして、アドラーはこう伝えました。
 
「われわれは 同じではないけど、対等である」
 
つまり、アドラー心理学では、
よき人間関係を築くためには、「対等の関係で人と接すること」が、解決策の鍵なのです。

確かにそうですね。
このことからも、傷つくことを恐れずに、「対等な関係」を、まずは、一人の友達作りから 始めて欲しい、と思います。

では実際に、どうすればいいのでしょうか?
 
その方法はいくつもあるのですが、今回は少々長くなりましたので、 「なんでも話せる友達を作る方法:後編」でお伝えします。
 
 
最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、お子さんは、過剰な我慢 や 寂しさを抱えていませんか?
2、他人と比較されたり、妬まれていることは、ありませんか?
3、誰も傷つけずに、人間関係は構築できないと知る。
4、なんでも話せる人はどんな人か、親子で話し合う。 

 
 

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