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自殺の前兆を 察知する方法


中学生 自殺 前兆

 
不登校 や 引きこもりで、最も注意して欲しいことは、子どもの「自殺」です。
 
いじめからの自殺等、理由は一人ひとり違いますが、大切なのは、その前兆を察知し、子どもの命を守ること。
 
とはいえ、親御さんは、どんな時にその注意が必要なのか分からず、戸惑ってしまいますよね。
 
そこで今回は、遺族である私の経験を交えながら
 
「自殺の前兆とは、どんな様子なのか?」と、
「自殺の前兆を察知する方法」をお伝えします。

  

目次
1.自殺を考える子どもの心理
2.「SOS」を、真剣に受け止めて!
3.自殺の兆候 
4.自殺の兆候を察知する方法


 自殺を考える 子どもの心理


 
不登校 や 引きこもりのお子さんは、家でゴロゴロしたり、ゲームやインターネット等に没頭しつつ、開き直っているように見えても、次のことが頭から離れない場合があります。
 
「死にたい」
「私には、価値がない」
「こんなに辛いなら、生まれて来なければ良かった」
「生きていても意味がない」等々…
 
こんな言葉を聞くと、親御さんの多くは、今まで一生懸命やって来た子育てを、全否定されたような感覚や、ショックのあまり、返す言葉を失ってしまうかも知れません。
 
あるいは、「なに不自由無く育てて来たのに、なんで?」と、腹が立つかも知れません。
 
しかし、不登校・引きこもりの お子さんの多くは、いじめ・対人関係・社会・学校・家庭などの環境問題、将来への不安 等々、多くの悩みを抱えています。
 
すると、「学校へ行けない私は、ダメな子なんだ」と、自己否定 や 自己嫌悪している。
 
また、学校へ行けないことを、
「私は、子どもの仕事ともいえる役目を果たせなくて、親に申し訳ない」と罪悪感を持ち、自分を責め続けてしまいます。
 
そのため…
 

「本当は、家族や友達と仲良くしたいし、親の期待にも応えたい!
 でも、また学校で酷い目に合わされたら…。

 そう思うと、足がすくんで動けない。
 
 あぁ、また家族に 心配や迷惑をかけてしまう。
 もう どうしたらいいの?
 
 あっ、そうか! なんで気づかなかったんだろう?

 私さえいなくなれば…
 もう、あれこれ考えなくてもいいし、
 家族は、楽になれるのかも知れない!」

 
などと、考えてしまいがちです。
 
また、いじめなどの明らかな悪意が原因の場合、「私を苦しめた人達も、少しは反省するかも知れない」と、考えることもあります。
 


 「SOS」を 真剣に受け止めて!


 
このように 不登校・引きこもりのお子さんは、親御さんに心配をかけたり、困らせたり、迷惑をかけていることを、十分 分っているんです。
 
また、お子さんの多くは、不登校・引きこもりになる前から、何らかのサインを出したり、親御さんや先生、友達等、周囲に相談しているのですが…
 
「そこまで、悩んでいると思わなかった」
「しっかりしてる子だから、大丈夫だと思ってた」
「なんでも直ぐに諦めて欲しくなかった」等々…
 
このように思い過ぎてしまい、
周囲の大人が、真剣に受け止め切れていないケースも 少なくありません。
 
もちろん、自立心を育ててあげたい、親御さんの気持ちも分かります。
 
しかし、親御さんが思っている以上に、お子さんは 自己評価が低く、「私のせいで…」と罪悪感を感じ、自分を責め続けています。
 
人間は、自己の正当な評価が認められずに、罪悪感という「罪」を持ち続けていると、「喜び」「楽しみ」「感謝」等の、生きるために必要な嬉しいことを、素直に受け入れることができません。
 
そして、自分を囚人のように 見えない檻の中へ閉じ込めてしまい、満たされることのない渇きを、無理やりに埋めようとする。

あるいは、本当に償う必要がある罪なのか、否かを、客観的に判断しないまま、罪を償おうとしてしまいます。
 
その結果、埋め合わせをしようと、無理に高い目標を掲げたり、親御さんの理想に叶う自分を追い求めてしまうんです。
 
しかし、そもそも、そこに 檻もなければ、罪もないのですから、
罪を償うことは、できませんよね。

また、高過ぎる目標 や 他人の理想を叶えることは、非常に困難です。
 
それにも関わらず、お子さんは、正当な自己評価ができないために、他人の評価を求め過ぎたり、罪があると思い込んでいるんです。
 
そのため悪循環にハマり、高過ぎる目標 や 他人の理想を叶えられない自分に、再び絶望 や 挫折 を繰り返して、とてもとても苦しい状態。
 
そして、この苦しい状態から 脱出する方法は、主に3つです。
 

1、原因を理解し、心の傷が癒されること。
2、視点を変えて、人生に立ち向かう思考 と 技術を習得すること。
3、苦しみを完全消去するために、死んでしまうこと。

 
そして、もしもお子さんが、3つ目を決断してしまうと…


 自殺の兆候


自殺 の 前兆

人間は、「こうしたい」「こうありたい」と、「でも、それはできない」等、目の前の現実が ぶつかり合った時は、迷ったり、葛藤して悩みます。
 
その間は、落ち込んだり、イライラしたり、何かに没頭したり、突然、「死」に対しての恐怖が沸いて来たりと、情緒不安定です。
 
しかしその後、いくつかあった選択肢の中から 一つを決断した場合、どうなるでしょうか?
きっとあなたも、別の出来事で経験していると思いますが…
 
そうです。
霧が晴れたように 何かがふっ切れ、急に明るく、楽になるんです!
 
その後は、以前は興味を示していた「オシャレ」や、「容姿への気遣い」や「コンプレックス」も、減っていきます。
 
テレビ等で、「いじめ」「不登校」「受験」「自殺」「死」等、ご本人にとってのキーワードが出ると、地雷を踏んだかのように、イライラしたり、怯えていたのが、急に何も反応しなくなる。
 
晴れ晴れとした笑顔で 家族と接し、その様子はまるで、改善に向けた兆候そのもの!
 
家族と一緒にテレビを観て笑ったり、会話を楽しんだり、「明日は、○○が食べたいな♪」とリクエストしたり。
 
ただ、本人が選択した決断が 先述した3つ目の場合、それらは… 
 
「最後の良い思い出作り」と
「自殺を家族に悟られないための戦略」
 
そして、密かに手紙 や 遺書を書いていたり、身辺整理を始めます。
 
私の姉の時もそうでしたが、家族は…
 
「あっ、最近、調子が良くなって来ている。
 この調子で改善してくれれば、きっと良くなる!」
 
こう安心しかかった時が、一番 危険なんです。

つまり、自殺の兆候とは、
 

・今まで興味を持っていたことに、興味を示さない。
・本人にとって、地雷のようなキーワードにも、反応しない。
・現実的な解決が 何らされていないのに、急に明るくなる。
・お子さんが、家族を安心させようとしている時。等々…

 
このような場合は、要注意です。


 自殺の兆候を 察知する方法


中学生 自殺 防止

 
上記のように、

“ お子さんの 調子が良くなり出した時が、最も注意の必要な時です。”
 
厳しいことを言うようですが、
親御さんの多くは、「自分で 何か 解決したのかも知れない」と、良くなって来たことに 油断してしまいます。
 
あるいは、安心させてあげる側の親が、子どもから安心させて貰っている等、立場が逆転した状態に、気づきません。
 
その結果、悲しい選択をしてしまう行為は、後を絶たないのです。
 
親御さんは、不登校・引きこもりの 原因をしっかり理解した上で、解決に向けた行動をし続けて下さいね。
 
不登校・引きこもり 解決が進まない親子の多くは、「最近は、良くなって来たから」と、自己判断で、解決に向けた行動をやめてしまいます。
 
すると、後退するか、「自殺」という最悪なシナリオへと、駒を進めることになり兼ねません。
 
最悪な事態を招かぬよう、親御さんは、以下の項目をチェックして下さい。
 

不登校解決へ向けた行動 チェック項目
 
・あなたは、不登校の根本原因を理解していますか?
・お子さんの話を、肯定的に聞いていますか?
・お子さんの個性 や 良さを、認めていますか?
・お子さんの可能性を、信じていますか?
・親御さんご自身の時間を作ったり、ストレス解消法を実践していますか?
・お子さんに、「安心」や「喜び」を求め過ぎていませんか?
・信頼できる相談先を確保し、アドバイスを継続して実践していますか?


もちろん、不登校・引きこもりの原因・理由は、お子さん一人ひとり違います。

ですから、このチェック項目以外にも、相談先でアドバイスされたことや、お子さんが喜んでくれたことなどは、他にもあると思います。
 
ただ それらの改善に向けて行った、「良かった行動」を、現在も続けているでしょうか?
 
自己判断でやめてしまったり、「見守る」といいつつ、親御さんの都合にいいように解釈し、実は、ほったらかしにしていませんか?
 
今は、親御さんも 辛いかも知れません。
 
しかし、今 立ち向かわなければ、将来、表面上は同情されても、「自分の子どもすら守れない親」「人殺しのような人」という、レッテルを張られた 苦しい人生が、あなたを待っています。
 
それでもいいのでしょうか?
 
今一度、親御さんご自身の行動を振り返ることで、お子さんの様子や異変に、気づいてあげてくださいね。
 
そして、お子さんの大切な命を守ってあげてください。
 

最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、お子さんは、「家族を楽にしたい」と思っているかも知れません。
2、高過ぎる目標 や 理想を 追い求めていませんか?
3、現実的な解決が何らされていないのに、
  急に明るくなった様子はありませんか?
  お子さんが、家族を安心させようとしていませんか?
4、親御さん自身が、解決に向けた行動を振り返り、継続して行う。

 
 

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