「そんなことで…」と思う、不登校理由 と その解決法

小学生の不登校 理由の中には、親御さんからすると、
「えっ、そんなことで…?」と、思われるケースは多いんです。
そこで今回は、私の姉の例を参考に
「不登校 理由となる『そんなこと』とは、何か?」と、
「そんなことで? と思った時の 解決法」を お伝えしたいと思います。
目次
1.不登校理由となる、「そんなこと」とは?
2.大丈夫!まだ、間に合います!
3.「身体測定」がきっかけの登校渋り
4.自己受容を 手助けする大切さ
不登校 理由となる「そんなこと」とは?
お子さんが話す、不登校 理由(きっかけ)の中には
・宿題をやっていないから。
・マラソン大会があるから。
・そもそも 学校に行くのが 面倒くさい。 等々…
親御さんから見ると、「えっ、そんなことで?」と、思われるものがあります。
しかし、この「そんなこと」は、きっかけ(表面上)であり、その奥にある根本原因を治さないと、次から次へと、新しい理由が出て来ます。
とはいえ、この「そんなこと」自体も、お子さん本人にとっては、近々の課題で、凄く嫌だったり、重く感じていたり、ただただ辛い。
しかし、大人である親御さんは、既に多くの人生経験がありますから、
「それより、もっと辛い経験が人生にはあるのだから、
それくらい大したことない」
「それが、どうした?」
「そのくらいのことで、負けて欲しくない」等と、思い過ぎてしまいがち。
すると、お子さんの話を聞き切れていない場合や、仕事などを優先してしまい、そもそも お子さんと向き合うことが 少なくなる傾向にあります。
例えば、ご主人様との会話を想像してみて下さい。
あなた(母親)が、「もう少し家事を手伝って欲しい」と言っても、ご主人様は、「それは、ママの仕事だろ。俺は、仕事で疲れてんだ!」と、ソファアでテレビを見ながら、ゴロゴロされたら…、あなたは、どう思いますか?
「私の話を聞いてくれない!」
「私だって、一生懸命やってるのに!」と、腹が立つのではないでしょうか?
そして、その怒りをそのままぶつけると、喧嘩になってしまい、「誰のお蔭で、飯が食えると思ってんだ!」なんて言い返されると、我慢するしかなくなって、あなたの思いは、行き場を失ってしまいますよね。
この「行き場のない思い」を抱えてる状態は、誰でも辛いですね。
そして、この行き場のない思いは、
お子さんの「そんなこと」と、同じではないでしょうか?
もしお子さんの話を聞き切れていない場合や、仕事などを優先してしまう場合、お子さんの「辛さ」は、ずっと胸に閉じ込めたままで、受け止めてもらうことも、発散することもありません。
その辛さは、まるで圧力鍋。
グ~ッと我慢が続き、圧力がかかったままの状態ですから、ちょっとした刺激により、一気に爆発!
この爆発した状態が、「不登校」という現象です。
ですので親御さんは、お子さんの「えっ、そんなことで…」と思った時に、一早く対策を打つことが 重要です。
大丈夫!まだ、間に合います!

とはいえ、既にお子さんが不登校の場合、
「今さら遅いよ!」と、ツッコミたくなるかも知れませんが、そんなことはありません。
ご安心ください。
まだ十分、間に合います!
なぜなら、お子さんの話を少し掘り下げて考えることで、気持ちを理解し、
「本当は どんなことに、その辛さを感じているのか?」
これを知ることができれば、不登校解決が進むからです。
親御さんは、変に諦めて見守るだけだったり、「そうだよね、辛いのよね」と、 共感だけに留まって、その先を考えることを 止めないで下さいね。
では、その先に進めるには、どうすればいいのでしょうか?
「そんなことで…」と思った、私の姉の例で、考えていきたいと思います。
「身体測定」がきっかけの登校渋り
これは、私の姉が小学4年生の時の出来事です。
3学期が始まり、しばらくたったある朝、「学校へ行きたくない」と、姉が泣き出しました。
いじめなどで、今までにも何度か、登校渋り や 不登校をしていた姉。
心配した母親が、本人に理由を聞くと…
「身体測定があるから…」と言うのです。
それを聞いた母親は、「えっ、そんなことで…」と思ったのでしょう。
「もう、いい加減にしてよ!」と、怒鳴りつけてしまいました。
当然、姉は大泣き。
それからしばらく、学校へは行きませんでした。
今になって思えば、母親は、度重なる姉のいじめ問題に振り回されたり、仕事と子育ての両立、仕事優先の父親、思い通りにいかない現実等、精神的に 一杯いっぱいだったのかも知れません。
当時の母のは、姉と上手く向き合えなくなっていたのです。
そのため、姉が話を聞いて欲しい時に 仕事を優先したり、子どもの成長に対するデリカシーが、欠けていたように思います。
なぜなら当時の姉は、小学4年生にしては体格も良く、子どもから大人の体型に変わる真っ最中!
ちょうど初潮がはじまり、胸も大きくなってきて、自分の体型を自らが受け入れることに、抵抗を感じていた時期です。
だからそれを、他の子に見られたり、からかわれたり、男性教諭※に見られることが、とても恥ずかしかったのです。
(※現在、女の子の身体測定を、男性教諭が行う学校は減って来ています。
しかし当時の小学校では、当り前のように男性教諭が行っていました。)
ですから、体型の変化に伴う恥ずかしさや不安を、母親に聞いてもらい、下着を変えたり、大人に成長する自分を受け入れたかった。
同時に、身体測定を男性教諭が行うことへの疑問 や 改善を、学校へお願いしたかったのだと思います。
自己受容を 手助けする大切さ

このような場合、子どもの成長や体型の変化を、「どう捉えるのか?」「どう受け入れていくのか?」ということを、親子で一緒に考えていく必要があるんです。
例えば、胸が大きくなって来た場合の対応について、こんなデータがあります。
大手下着メーカーのワコールによれば、1769人の女の子を対象に行った調査で、全体の約半数にのぼる44.2%の女の子が、「体の成長や下着に関して不安がある」と回答。
また、帝京短期大学生活科学科の宍戸洲美教授は、
「必要な時期にブラジャーをつけていないと胸(乳頭)が擦れて、痛みや不快感から 授業への集中力が低下したり、自由に運動をする妨げになる。
また、胸が目立つことを気にするあまり、姿勢を丸めてしまう子どももいる」
こう問題点を指摘しています。
一方、思春期のお子さんを持つ 約半数の親御さんもまた、不安を抱えていることが分かりました。(調査期間:2011年12月、1031名の小学4年生~中学1年生の娘を持つ母親)
その内容は…
「サイズがわかならい」(51.0%)
「どんなタイプのブラがいいかわからない」(39.2%)
「いつからつけはじめればいいかわからない」(36.8%) 等々
そして、およそ4人に1人が…
「話すきっかけがつかめない」
「知識がないので、娘にきちんと説明できない...」
このような理由で、体のことについて、お子さんと話し合ったことがありませんでした。
確かに、親御さんの不安な気持ちも分かりますが、もしお子さんが、成長や体型的な変化を上手く受け入れられないと…
・強いコンプレックスを生む
・自己否定
・自信を失う 等々
“ 自分自身を受け入れられない状態 ” になる可能性が高まります。
すると、不登校が長期化したり、心の病に発展したり、大人になってから整形を繰り返すなど、解決がより困難になってしまいます。
ですので親御さんは、お子さんが自己受容できるよう、
次の3つを踏まえて、親子で話し合って下さいね。
1,「恥ずかしさ」や、「友達と差があってもいいこと」等、
お子さんの不安な気持ちを、受け入れてあげる。
2,体の成長や変化について、ある程度の情報を集め、
そこで得た知識を元に、お子さんが受け入れやすいよう説明する。
3,学校へ相談したり、理解 や 具体的な改善を求める 等の協力をお願いする。
「思春期」という、難しい時期。
お子さんは、恥ずかしさが前面に出て、反発されたり、素直になれないことも多いかも知れません。
しかし、少しずつ心と身体が 成長することの理解を深めて、子ども自身が、“ 良くも悪くも、ありのままの自分(今の自分)を 認められること” が、とても大切です。
お子さんの「そんなことで?」と思う理由も、話を一歩掘り下げて、親子で向き合っていきましょう。
そして、拘りを捨てることにより、「自分らしくいられる毎日」と、「ありのままの自分を受け入れる柔軟さ」を、親子で手に入れて下さいね。
最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、「そんなこと」時点の解決が大事。
2、そんなことの話を、一歩掘り下げて考える。
3、思春期の恥ずかしさや、葛藤する気持ちを理解する。
4、ありのままの自分を認められるよう、親子で話し合う。

生かして欲しい姉の教訓

