過呼吸(過換気症候群)を治す方法
中学生の女の子は、不登校前後に 身体症状として、
「過呼吸(過換気症候群)」が、多く見られます。
突然 お子さんが倒れてしまったり、苦しそうにしている姿を見ると、
親御さんは、心配で堪らないかもしれません。
ここでは、私の姉の実例を元に
「過呼吸(過換気症候群)の治し方」を お伝えします。
目次
1.過呼吸とは?
2.過呼吸(過換気症候群)で倒れた姉の例
3.ストレス原因の解決は、必須課題!
4.第三者を交えることで、解決の糸口が見つかる
過呼吸とは?
まず過呼吸とは、「過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)」や「神経性呼吸困難(しんけいせいこきゅうこんなん)」とも呼ばれます。
気温や湿度等の環境要因、マラソン等の運動、ストレスなどが原因で、呼吸し過ぎてしまう状態のことです。
10~20代の女性に多く見られる症状で、ザックリ言うなら、“ 頑張り過ぎの人に表れる、現象(サイン)の一つ ”、と考えて頂ければ分かりやすいかと思います。
この過呼吸は、実際に、死に至ることはありません。
しかし、呼吸困難のようになりますので、「このまま死ぬんじゃないの?」と錯覚するほど、とても苦しい思いをします。
そのため、学校 や 外出先で症状が頻繁に表れると、「外出自体が怖い」と感じ、家に引きこもることが多くなります。
もしお子さんが、過呼吸になっているようでしたら、親御さんは一緒になって、焦ったりせず、「何が、原因になっているのか?」を知ることが大切です。
とはいえ、原因を知ることは、分かりづらいかもしれませんので、私の姉の例で、考えていきたいと思います。
過呼吸(過換気症候群)で倒れた 姉の例
私の姉は、中学に入ると、全校集会 や 部活動などで過呼吸になり、しばしば倒れるようになりました。心配した母親は、姉を連れて病院へ。
病院では、過呼吸を引き起こす 主な要因として、次の3つを伝えられました。
・炎天下など、気温や湿度などの環境要因
・激しい運動
・ストレス
とはいえ、その場では、原因の特定には至らず、症状が出た時に、浅い呼吸をするなどの「対処法」を、重点的に教わり帰宅。
その後、母は学校に相談し、長時間、炎天下に立ちっぱなしなどの環境に配慮してもらえるようお願いしました。
その甲斐あって、全校集会は気温や湿度を考慮し、場所を選んだり、なるべく短時間で行う等、学校側も協力してくれました。
しかし、その後も姉は、全校集会、クラブ活動中等に頻繁に倒れ、その都度、対処法で症状を抑える状況が続き…
「また、過呼吸になるのでは?」と思うだけで恐怖を感じて、症状が出るようになってしまったため、学校へ行けなくなったのです。
ただ今になって思えば、姉の場合…
・環境要因・激しい運動 < ストレス原因
この図式のように、はるかにストレス原因の比重が大きかったと思います。
なぜなら、当時の姉は、クラスのリーダー核の子から、“しつこい いじめ”を受けていたからです。
しかし、その時の姉は、
「きっと私が臆病だから、悪いんだ」
「それに…、私が我慢すれば、他の子がターゲットにならなくてすむ」
と考え、過剰に我慢をし続けていたのです。
また、クラスメイトは、いじめに対し見て見ぬふりが多く、
姉が過呼吸で倒れると、「出た!かまってちゃん」と、冷ややかな態度でした。
ただ母親には、過呼吸の症状が出る前に、「クラスの子から、嫌がらせをされている」ことや、「担任の先生は、体育会系の根性論ばかりで、話にならない」と相談したものの…
「いじめは、どんな場所でもあるから、もう少し頑張りなさい」
と、言われ続けていたのです。
そして この対応が、「私には、味方がいない」と思わせてしまい、
更なるストレスとなって、「過呼吸」という 身体症状を引き起こしていたのです。
ではこのような場合、どうすれば良かったのでしょうか?
ストレス原因の解決は、必須課題!
それは、“ストレスの原因を知り、向き合うことです。”
もちろん過呼吸は、「対処法」を学ぶことも大切です。
【過呼吸の対処法】
①何かをしている時なら、それをやめる。
②息を止めて、10数える。(この時に息を吸わないように気をつける)
③ゆっくり、口から息を吐く。
④3秒かけて鼻から息を吸う、3秒かけて口から息を吐く。
これを10回、1分間繰り返す。(息を吸い過ぎなよう、必ず鼻で息を吸う)
⑤再び10秒、息を止める。
⑥再び3秒息を吐いて、3秒鼻で息を吸う呼吸を、1分間続ける。
⑦症状が落ち着くまで①~⑥を続ける。
※周囲の人は、慌てず、リラックスするよう促します。
しかし、ストレスの原因を知って、それを解決しない限り、臭い物にフタをしただけの場当たり的な解決に過ぎず、更なる“ 負の連鎖 ”を生んでしまいます。
すると、不登校、引きこもりの長期化、家庭内暴力、リストカット、最悪の場合は自殺等、取り返しのつかないことを招く危険性があるのです。
もしそうなっては、親御さん自身が、たくさんの労力、時間、お金を かけなければ治りません。
親御さんは、ご自身のためにも、お子さんの話 や 相談は真剣に聞き、向き合ってあげて下さいね。
もちろん、親御さんの中には、
「もう中学生になったのだから、
あらゆる困難も、自分で解決する力を身に付けて欲しい」と思うかも知れません。
ただそれには、お子さんは、まだ練習途中。
ですから、気持ちを受け止めてもらえる場所や、一緒に考えてくれる人。
新しい考え方や、具体的な対策(行動方法)などの提案が、必要なんです。
そして、もし親子で話し合っても、原因が分からなかったり、解決策が思い浮かばない時は、信頼できる第三者を交えることも、選択肢の一つに加えて下さい。
第三者を交えることで、解決の糸口が見つかる
私が相談を受ける 過呼吸の症状があるお子さんの中には、
「親に心配をかけたくない」や「原因が自分でも分からない」等々…
上手く説明できないために、誤解を招いているケースが 多く見られます。
そして、誤解をしているが故に、「誰にも相談できない」、と思い込んでいたり。
「言葉にしなくても、気づいて欲しい」
「相談しても、私を分かってくれない」
「それなら、こっそり 自分でどうにかしたい」と隠してしまう。
しかし、お子さんの本心は、親御さんに「私と向き合って欲しい」と、望んでいます。
ただ現状では それが叶わないため、無意識に「過呼吸」という症状によって、
“ 親御さんの注目を集めよう、としてしまうのです。”
一方で、親御さん自身も、仕事・家事・子育て・夫婦仲等に悩み、追い詰められていることも多く、お子さんの相談に、上手く答えてあげられない場合も多いんです。
すると、本当は お互いを大切に思っているのに、必要以上にぶつかったり、逆に ぶつかり合いを避けて 話さなくなったり、といった状況が続いてしまいます。
この状況を打破するのが、第三者を交えて、冷静に話し合うことです。
もちろん、既にスクールカウンセラーさんや、医療機関に相談されている方も多いかもしれません。
しかし、その時は気持ちが楽になっても、再び、症状が現れていたり、原因の特定がされないまま、具体的な行動の提案がない場合は、問題を先延ばししているに過ぎません。
厳しい言い方のようですが、セカンドオピニオンのように、相談先を変えてみて下さいね。
こうすることで、今まで見えていなかった要因に気づいたり、新たな突破口が見え、解決に繋がります。
最後に、過呼吸を治すには、対処法だけに留まらず、
“ ストレス原因と向き合い、その解決を必ず行う!” これが、最も大切なことです。
そして、健やかな毎日を手に入れて下さいね。
最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、過呼吸は、ストレスが原因かも知れません。
2、お子さんのストレスは、どんなことでしょうか?
3、親御さんは、お子さんの相談や話を真剣に聞き、一緒に考える。
4、第三者を交え、相談することで、ストレス原因を解決する。