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大人しい子が、いじめを 克服する方法


大人しい子の いじめ 克服法

 
女の子の不登校 や 引きこもりの理由に多い、「いじめ」。
しかし、大人しいお子さんは、いじめの事実を、親御さんに言い出せない場合が多いものです。
 
そこで今回は、
 
「いじめ相談ができない理由」と、
「いじめを克服する方法」を お伝えしたいと思います。

  

目次
1.「いじめられてる」と相談できない理由
2.届かなかった「SOS」
3.子どもの「大丈夫」は、大丈夫じゃない 
4.悪口を言われたら、言い返す方法


 「いじめられている」と 相談できない理由


 
突然ですが、大切な我が子が「いじめられてる」と聞くと、
あなたは、どんな反応をすると思いますか?
 
あるいは、どんな反応をしたでしょうか? 
 

・子どもが可哀想で、ショックを受ける。

・「なんで、そんな大事なことを言わないの?!」と、子どもを叱る。

・どうしていいか分からず、パニックになる。

・加害者への怒り や 憎しみが込み上げ、学校、相手の家に怒鳴り込む。

・気付いてあげられなかった後悔で 自分を責めて、関わり合いを避ける。
 等々…

 
このように、さまざまな反応をするのではないでしょうか?
これらは、お子さんが大切だからこその反応で、どれも自然なものですね。
 
でも、そんな親御さんの反応を、お子さんは予測して…
 
「お父さんに、迷惑をかけたくない。
 お母さんを、悲しませたくない。」
 こう思って、健気に「自分で解決しよう!」と、頑張過ぎてしまいます。
 
すると、親御さんが気づいた時には、かなり酷いいじめに発展している場合が、少なくありません。

また、不登校になるお子さんの多くは、感受性が豊かで、とても優しい子ども達です。
そのため…
 
「いじめ相談をすることで、友達を裏切りたくない」
「私さえ我慢すれば、他の子がターゲットにならなくてすむ」
「親の悪口を言われ、お母さん(お父さん)を傷つけたくない」等々
 
こう思っていることも多いんです。
 
もちろん、相手からの報復を恐れている場合もありますが、過剰な我慢をして、精一杯 頑張っています。

ただ、こんな話を聞くと、親御さんの多くは、
 
「そんなこと言っても…、
  何も相談してくれない方が辛いし、もっと悲しい」
と思われるかも知れません。

そこで、普段から「何でも 相談できる雰囲気作り」と、
「 子どもの意思を尊重しつつ、必要とあらば 援助できること 」を、
伝えておくことが、とても重要なのです。

とはいえ、分かりずらいかも知れませんので、
私の姉の例で、お話したいと思います。  


 届かなかった「SOS」


 
私の姉は、とても優しく、大人しい性格でした。
そのため、小学校に入学して、同級生に悪口を言われたり、いじめられても、言い返すことができなかったのです。
 
でも、当時の姉は、勇気を出して、クラスでいじめられていることを、両親に相談。
 
しかし、体育会系の父親は、ただただ「強くなれ!」と言うばかり。
 
母親は、どうしていいか分からず オロオロしたり、父に「子育ては、お前に任せてるんだから、しっかりしてくれよ!」と、責められる日々が続き…
 
母親も、一杯いっぱいになってしまったのか、
ヒステリックに怒るだけで、具体的な解決策はありませんでした。

すると…
そんな両親の動揺 や 不仲を察知した姉は、
(心配をかけたくないし、離婚されたら困る)、と思ったのです。
 
そのため、本当は、まだ いじめが続いているにも関わらず、「もう大丈夫」と、笑っていました。

その後も、周囲の声かけに対し、姉は…
いつも「大丈夫!」と、返し続けていたので、周囲の大人は、安心しきっていたようです。
 
ただこの“ 見せかけの克服 ”は、姉の身体を蝕み、「円形脱毛症」「嘔吐」「腹痛」「過呼吸」という形で、次々に表面化していきました。


 子どもの「大丈夫」は、大丈夫じゃない


おとなしい子 いじめ 克服法

 
姉のようなケースは、「昔の家庭あるある!」かも知れませんね。
現代では、働き方が多様化したり、「イクメン」等、父親も積極的に子育てに参加する方が増えました。
 
でも、いざ 我が子が、いじめられている現実に直面した場合、本気で向き合える方は、意外と少ないのではないでしょうか?
 
すると、以下のような態度を取ってしまう方が多いんです。
 

・パニックになって、ヒステリックに言い返す。
・腫れ物に触るような態度や、悲しそうな言動をする。
・子どもを避けてしまい、関わらない。

 
実は、この態度
“ 親子の立場が逆転した状態 ”なんです!
 
すると、子どもは…
 
「 自分の話を聞いてもらえない 寂しさ、辛さ 」
「 私のせいで、夫婦喧嘩をさせている 」等と、思います。

そして、これらを自覚しているからこそ、
「大丈夫?」と尋ねられても、
「大丈夫」と返して、親御さんを安心させようとしたり
 
「何もできないなら、ほっといて!」と、突っぱねたりして、満たされない思いを、自分の中に閉じ込めてしまうんです。
 
つまり、「大丈夫?」と尋ねて「大丈夫」と答える子は、
本当は、全然 大丈夫じゃありません。

もし本当に何もなくて、思い当たることがなければ、
「 えっ? 何が? 」という返事になると、思いませんか? 


 悪口を言われたら、言い返す方法


 
姉の例は、両親が子どものサインに気づけなかったため

“「必要とあらば、援助できるよ」ではなく、
むしろ、「親への不信感」を伝えてしまった行為です。”

皆さんは、こんなことにならないよう、お子さんの話を よく聞いて上げて下さいね。
 
そして、もし悪口を言われた場合に、お子さんが、何も言い返さずにいるようでしたら、「言い返す練習」をしてはいかがでしょう?
 
やり方は、次の通りです。
 

【 悪口を言われたら、言い返す方法 】
 
1,子どもに、「言い返すことも、時には必要」と伝える。
2,悪口を言われた場面を想定し、受け答えを紙に書き出す。
3,「いじめ役」と「言い返す役」に分かれ、2のセリフを言い合う。

 
子どもに、「言い返すことも、時には必要」と伝える。


 
大人しいお子さんの特徴として、悪口を言われた場合に、「ショックで 頭が真っ白になり、言葉が見つからない」ことや、「言い返して、相手を傷つけたくない」と、考える傾向があるんです。
 
悪口を言われれば、誰でも、傷つきますよね。
 
そのため、自分がこれだけ嫌な思いをするなら、相手も同じで、「言い返す言葉に、傷つくに違いない」と考えます。
 
また、いじめっ子は、逆ギレしたり、復讐することもあるため、自分の身を守るために、「言い返さない」という選択をしがちです。
 
しかし…
誰も傷つけずに、自分も傷つかないで、対人関係を作ることは、残念ながらできません。
 
なぜなら、他者をコントロールすることはできませんし、言われたことや起きた事実を、どう捉えるかは、本人次第だからです。

例えば、どんな人気者でも、世の中には「好きな人・嫌いな人」「合う人・合わない人」がいますよね。
 
ということは…
その人のことを、相手がどう思うかは分からないので、100%悪口を言われないことって、ないと思いませんか?
 
もちろん、「みんなに好かれたい」とか、「良く思われたい」、という気持ちもあると思います。
 
また、故意に 相手を傷つけていいわけではありませんので、極力、傷つけない努力は必要ですね。
 
でも、これは、世の中のバランスであり、コミュニケーションの経験を積む、勉強でもあるのです。
 
親御さんは、
「お母さん(お父さん)は、どんな○○でも大好きだし、
 いつでも、○○の味方なんだから、安心してね。
 
 ただ 世の中には、色々な人がいるから、
 ○○を傷つけて来る人にまで、好かれようとしたり、
 かばったりしなくて、いいんだよ。
 
 自分を大切にするために、言い返すことも、時には必要だよ」等々
 
お子さんに伝える必要があるのです。
 
 
悪口を言われた場面を想定し、受け答えを紙に書き出す。


次に、お子さんが 悪口を言われた場面を、想定してみて下さい。
特定の相手がいる場合は、いつもどんなことを言われるのかを聞き、紙などに書き出します。
 
そして、それらに対しての受け答えを、親子で考え、ドラマのセリフのように、準備しておきます。
 
 
「いじめ役」と「言い返す役」に分かれ、2のセリフを言い合う。



最後に、2で考えたセリフを、「いじめ役」と「言い返す役」に分かれ、親子で言い合って下さい。
 
何度も繰り返し練習することで、お子さんは、言い返すことができるようになっていきます。
 
また、練習中、役を入れ替えたり、慣れて来たらアドリブを入れると、徐々に お互いの気持ちが理解できるようになり、コミュニケーション能力が向上しますよ。
 
 
いかがだったでしょうか?
忙しい親御さんは、「ここまでしないといけないの?」、と思うかも知れません。
 
しかし、いじめを克服するためには、少しずつ練習して、反射的に返すことや、コミュニケーション能力を 上達させることが、必要です。
 
そして、あなたの大切なお子さんを、いじめから護るために、ご家庭での協力をお願いします。
 

最期まで 読んで下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、親御さんを悲しませたくないので、いじめられてると言えない。
2、「大丈夫」と聞くと、「大丈夫」と返って来ませんか?
3、お子さんのコミュニケーションは、
  悪口に対し 言い返さないことはありませんか?
4、悪口に対し 言い返す練習を 親子で行う。

 
 

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