朝 起きられない 子どもへの 接し方
小学生の女の子が、不登校になる場合、朝 起きられないことが多くなります。
親御さんは、あの手この手で、何とか起こそうとしますが…、
やればやるほど 起きられない!
また、誤った接し方をしてしまうと、症状を悪化させたり、不登校を長引かせることになるんです。
そうならないために、ここでは、
「朝 起きられない 原因」と、
「子どもが自分で起きる 接し方」をお伝えします。
目次
1.朝起きられない症状を知る
2.なぜ、朝起きられないの?
3.自律神経のバランスが崩れる原因
4.正しい症状の理解 と 安心感を与える
5.朝、自分で起きる方法
朝 起きられない 症状を知る
不登校のお子さんの殆どは、朝起きることが苦手です。
これは、思春期の子どもによくみられる症状で、小児科などを受診すると、「起立性調節障害」と診断される場合があります。
この起立性調節障害は、朝起きられない・立ちくらみ・だるさ(倦怠感)・動悸・頭痛等を伴なうことが多く、身体が言うことを聞かない、とても辛い状態。
しかし多くの場合、昼夜逆転の「なまけ癖」「仮病」等と、誤解されがちです。
でも、なぜ、朝 起きられないのでしょうか?
なぜ、朝起きられないの?
朝起きられないのは、主に「自律神経のバランスの崩れ」により起る、と考えられています。
自律神経には、2つの神経の働きがあります。
1, 身体を活発に動かす時に働く「交感神経」
2, 食事・睡眠等、体を休める時に働く「副交感神経」
この2つの神経は、どちらも必要で、2つの役割のバランスによって、身体の健康を保っているそうです。
例えば、健康な人であれば、朝になると「交感神経」が働き、血圧や心拍が上昇して、身体の活動開始!
そして夜は、心身を休めてリラックスするため、「副交感神経」が働き、血圧は下がって、睡眠準備が整います。
しかし、起立性調節障害では、“この切り替えがズレてしまい”、朝になっても交感神経の働きが鈍く、血圧が下がったままで、身体は動きたくても、動けない状態です。
また、夜になると、交感神経が活動を止めないため、寝つきが悪くなります。
そして症状が酷くなると、切り替えのズレは、5~6時間にも及ぶこともあるんです。
そのため午前中は、思考や判断力が低下し、次のような症状が起こります。
・朝起きられない。
・めまいや立ちくらみがする。
・午前中、具合が悪いが、午後は元気になる。 等々
これらは一見すると「甘え」「時間にルーズ」「心が弱い」等と思われがちですが、本人は、とても辛い状態です。
つまり、起立性調節障害は、自律神経の異常が影響しています。
ご家族は、そのことを十分理解してあげて下さいね。
でも、そもそもなぜ、自律神経のバランスが、崩れるのでしょう?
それは…
自律神経の バランスが崩れる 原因
元々、自律神経は、生活のちょっとしたことで、バランスが崩れ易いのですが…
小学生の不登校に多い、主な2つの原因をお伝えしますね。
1,体が急激に成長することによる、ホルモン分泌の乱れ
2,精神的ストレス
1, 体が急激に成長することによる、ホルモン分泌の乱れ
不登校のお子さんの年齢は、成長期であると共に、「思春期」です。
思春期がはじまる時期(女児は10歳位、男児は11歳位から)は、身体の急激な成長に対して、自律神経の発達が追いつかないことがあるそうです。
また、女の子の場合は、初潮がはじまる等、子どもから大人への身体の変化が大きくなります。
すると、ホルモン分泌の乱れが生じて、自律神経のバランスを崩し易くなります。
2, 精神的ストレス
不登校のお子さんに、最も多いのが…
「友達から、いじめられる夢をみる」
「とても怖い夢を何度も見て、眠れない」というストレス。
ただでさえ夜に目がさえてしまい眠れないのに、やっと眠れたと思ったら、悪夢。
これでは疲れが取れず、朝起きられないのも無理もありませんね。
加えて、「怖い夢を見て、眠れない」と、お子さんが親御さんに相談しても…
「早く寝ないから、眠りが浅くて、夢を見るんだ!」
「学校に行かないで、家でダラダラしてるから、眠れないんだ」等々…
このように叱られてしまうと、親御さんに理解されないことが悲しくて、
更に ストレスが増してしまい、お子さんを追い詰めてしまいます。
すると、症状を悪化させたり、不登校を長引かせてしまうんです。
では、このような場合、どうすればいいのでしょうか?
正しい症状の理解 と 安心感を与える
まずは、親御さんが、お子さんの症状を正しく理解することが大切です。
そして、お子さんに「安心感」を持ってもらいましょう。
先述でもお伝えしましたが、お子さんは、倦怠感・立ちくらみ・悪夢による不眠等、さまざまな症状に悩まされ、不安で不安で 仕方がありません。
そんな中、親御さんが下記の行為をしてしまうと、お子さんの不安やストレスは、増えていく一方で、良くなりません。
症状を悪化させる行為
・「いつまで寝てるの!早く起きなさい!」と怒る。
・理由が分からないために、「仮病じゃないの?」と疑う。
・「見守る」といいつつ、見て見ぬふりをする(放置)。
親御さんは、お子さんの症状を、しっかり理解してあげて下さいね。
親御さんの理解が得られれば、お子さんは「安心」を肌で感じ、症状の改善へと向かいます。
また、悪夢を見て眠れない場合は、お子さんの話をしっかり聞いてあげて下さい。
恐怖や辛い体験は、誰にも話さず抑圧すると、膨れ上がる一方ですし、いじめ等のトラウマが、フラッシュバックしているかもしれません。
親御さんがお子さんの話に耳を傾け、共感してあげること、吐き出させてあげることが、安心感へと繋がります。
朝、自分で起きる方法
次に、自律神経を整える 生活リズムにしていきましょう!
お子さんとよく話し合いながら、小学生の快眠に適しているとされる睡眠時間を9~11時間前後 確保して、「就寝時間」と「起床時間」を、一定にするようを心掛けてください。
睡眠時間は、長過ぎても短過ぎても、質の良い睡眠を取ることができません。
因みに、理想とされる睡眠時間は、お子さんの年齢により変わります。
・小学生の低学年(1~3年生):10時間~10時間半
・小学生の高学年(4~6年生):9時間~9時間半
※但し、最適な睡眠時間は、個人差がありますので、
お子さんの様子を見ながら、接してあげて下さいね。
また、ここでのポイントは、3つ。
1,お子さん自身が、「就寝・起床時間」を決めること。
2,起きられたら、親御さんは褒めてあげる。
3,起きられない場合は、「○時よ」と優しく声を1~2回かけ、
起きられなくても責めない(怒らない)。
また、すっきり目覚めるためには、体動(寝返り等)を感知し、起こしてくれる、「目覚ましアプリ」を使用するのも、おススメです。
小学生のお子さんが 生活のリズムを整えるのは、親御さんが思うより、本人の大変な努力 と エネルギーが必要となります。
ですので、お子さん自身の決意や自覚が大切です。
そのため、必ず、お子さん自身が「就寝・起床時間」を決めて、親御さんは、そのサポートをお願いします。
この他にも、「朝起きる方法」とポイントは いくつもありますが、長くなってしまいますので、それは、またの機会にしたいと思います。
一日でも早く、お子さんの元気な姿を取り戻し、規則正しい生活習慣にしていきましょうね。
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、朝 起きられないのは、起立性調節障害 かも知れません。
2、原因は、成長・ストレスによる、自律神経バランスの乱れ。
3、症状への理解と、安心感を持ってもらうことが大切。
4、就寝・起床時間を一定にすることを心掛ける。