高校生の不登校
 

HOME | 高校生の不登校 | 原因・理由 | 「宿題が終わってないから」という理由

「宿題が終わってないから」という理由


高校生 不登校 理由 宿題

 
不登校の理由に、「夏休みの宿題が終わっていないから、学校へ行かない」という場合があります。
 
これを親御さんから見れば、「えっ、何それ?」「じゃあ今からでも、やればいいじゃん?」と、思うかも知れませんね。
 
でも、お子さんにとっては、これが大問題なんです。
 
そこで今回は、「宿題が理由の不登校」と、
「親御さんの接し方」をお伝えします。
  

目次
1.「宿題」という不登校理由
2.完璧主義 と 不登校
3.完璧主義の原因
4.完璧主義を緩和する方法

 


 「宿題」という不登校理由


 
冒頭でもお伝えしましたが、不登校のお子さんの中には、「夏休みの宿題が終わっていないから、学校へは行かない(行けない)」という場合があります。
 
もちろん、これは、不登校の「きっかけ」に過ぎません。
 
なぜなら、不登校の本当の理由は、潜在意識による防衛反応で守られているため、お子さん本人が認識していないことが多く、「分からない」としか、答えられないからなんです。

ただ理由も分からないまま、もの凄く疲れていたり、無気力だったりする場合が多く、親御さんから見ると、「ただの甘え?」「怠け?」と思うかも知れませんね。
 
しかし、お子さんの身体の中では、「もうこれ以上、無理をしてはダメだよ!まずは、休んで!これからの生き方を考え直していこうよ!」というドクターストップが掛かっている状態。
 
そのため、ゲームをしたり、YouTube などは観れても、宿題をやるほどの気力、体力はない。
まして、夏休みの宿題のような大量のタスクは、受け付けられない心と身体といえます。

また、不登校理由に「宿題」を挙げるお子さんには、ある特徴があります。
 
それは、「完璧主義!」です。
 


 完璧主義 と 不登校


不登校 原因 完璧主義

 
さて、この完璧主義は、いい面もありますが、困った面もあります。
 
例えば、上記のように「宿題が終わっていない」ことを、過剰に気にしているお子さんは、「知らず知らずのうちに、既に完璧主義になっている」と、考えられます。
 
そして、完璧主義のお子さんは、宿題が終わっていないことに対して、次のように考える傾向にあります。
 

・中途半端なままで提出していいの? いや、ダメだ!
・きっと先生に怒られて、親もガッカリさせてしまう。
・それに、完璧じゃないと、私のプライドが許さないから、出さない方がマシ!
・宿題を出さないためには、学校を休もう。等々…

 
もしこれが、宿題を終わらせずに中途半端な状態でも提出できる子や、そもそも宿題を出さなくても、平気で学校へ行ける子なら、何の葛藤も悩みもないでしょう。
 
しかし、あなたのお子さんにとっては、終わってない宿題を見せることが、大問題なんです!

これは、理想を追い求めるが故に起こる、「0か100かの思考」をしてしまう「考え方の癖」が、強いためです。
 
完璧主義のお子さんは、「何事も完璧にこなしたい理想の自分」と「それができなかった自分」とのギャップに苦しみます。
 
なぜなら、不登校になるお子さんの多くは、「真面目で責任感が強く、優秀ないい子」だからです。
 
あなたのお子さんは、真面目で責任感が強く、優秀だからこそ、「宿題も何事も、完璧にこなしたい!」という思いが強過ぎて、空回りしてしまうんですね。
 
そして、「宿題が完璧にできていないまま学校へ行って、友達や先生に、自分はどう思われるのか?」を、気にし過ぎてしまう。
 
この「友達や先生に、どう思われるのか?」は、「他人の評価を過剰に気にしている」ということ。
 
そのため、他人の評価が得られた時はいいのですが、評価が得られなかった場合に…
 

・良い評価が得られない私は、ダメな子なんだ。
・こんなダメな私は、価値がない。
・価値のない私は、友達や先生に受け入れて貰えずに、嫌われる。等々…

 
このように思い込んでしまい、自己否定したり、見捨てられ不安に囚われたりして、学校を居心地の悪い場所と捉えてしまい、不登校に繋がっているのです。
 
つまり、お子さんが「宿題が終わっていないから、学校へ行けない・行きたくない」という理由を持ち出す場合、実際のところは…
 
「完璧主義では、もうこれからの人生は、立ち行かないよ。ここいらで、生き方や捉え方を見直していこうよ!」、という「心の声」に、無意識に突き動かされている、というのが現状です。
 


 完璧主義の原因


 
不登校 原因 完璧主義

 
ここまでお読み頂くと、「完璧主義では、これからの人生が立ち行かない、となると…、不登校の前に、完璧主義を治す?緩和する?必要があるの?」と、お気づきの親御さんも多いかと思います。
 
はい、その通り!
不登校の改善には、この「完璧主義」を緩和することも、必要なんです。
 
そこでここでは、「完璧主義の原因」を考え、次に「緩和する方法」もお伝えしますね。

では早速、完璧主義の原因です。
 
完璧主義になる原因は、まず、元々のお子さんの性格があります。
次に、幼少期から今までの教育環境や、親御さんや先生の接し方等の影響もあり、複数の要因が重なっていると考えられます。
 
というのも、人が成長する過程には、一人で服が着られるとか、読み書きができるなど、さまざまな課題が与えられるからですね。
 
そして、それらを乗り越えた時に、「努力が報われた」と感じたり、「達成感」や「喜び」と共に、「先生や親に褒められた」ことにより、「承認欲求」が満たされるからです。
 
例えば、まだ何も話せなかった子が、「ママ、パパ」等の意味の通じる言葉を発した時、親御さんの多くは、大喜びしたのではないでしょうか?
 
そんな親御さんの喜んだ表情 や 褒め言葉などを受けて、子どもは 努力が報われ、嬉しく感じます。
 
すると、子どもの脳の中では、「脳の報酬系」と呼ばれるシステムが反応。
この脳の報酬系システムは、何らかの欲求が満たされた時に活性化して、「ドーパミン」という物質を放出し、人に「幸せ」や「気持ちいい」感覚を与えるのです。
 
加えて最近の研究で、脳はドーパミンが得やすくなるよう、自らの構造を変えていく性質がある、と分かったのだとか。
 
つまり、子どもは、親御さんが喜んでくれたり、褒めてくれたことが嬉しくて、その快感を得ようと、頑張るのです。

一方、何かを失敗したり、完璧に何かができないと、親御さんの表情が曇ったり、褒めて貰えない場合、子どもは 快感が得られません。
 
それどころか、 「完璧にできない私は、親に嫌われて、見捨てられてしまう」という恐ろしい不安で、いっぱいになります。
 
そのため、親御さんが喜ぶような結果を出そうと、常に頑張ることが当たり前になるのです。
 
そして、年齢を重ねるごとに、常に「完璧な結果」を求める。
あるいは、「完璧な理想の自分」を追い求めて、「完璧主義」が形成されていくのです。
 
すると、「完璧さ」を常に自分にも、他者にも求めるようになるため、自分も相手も苦しくなってしまい、人間関係が上手くいかない場面が増えてしまうという結果に繋がるのです。
 

 完璧主義を緩和する方法


完璧主義 緩和 改善

 
このように、完璧主義が悪影響を及ぼし始めると、高校生の場合は、宿題や人間関係、不登校などで悩みますが、このまま大人になってしまうと…
 
仕事・人間関係・経済の崩壊。
また、結婚や育児といった、人生そのものにも、大きな影響が現れてしまいます。
 
ですので、心も考え方も柔軟な今のうちに、完璧主義を緩和することが大切です。

もちろん、親御さんの中には、「完璧主義を完全に治させたい」と思うかも知れません。
 
しかし、 「完全に治す = 完璧に治す」という感覚なら、それ自体が0か100の思考で、お子さんの個性まで失われてしまいます。
 
ですので、ここでは、お子さんの個性も活かせる 「完璧主義の緩和」を目標にしていきましょう!

それには、まず、 特別に何かが良くできなくても、親御さんがお子さんを受け入れてあげることです。
 
つまり、 「失敗しても、怒られても、大丈夫!お父さん・お母さんは、どんなあなたでも、いつでも味方だよ」と、「ありのままを受け入れる」ということですね。

ポイントは、日々の生活の中で、親御さんの思っていた成績 や 言動ができなかった時にこそ、お子さんの悔しい気持ち や 恥ずかしさ。また、不安な気持ち を受け入れてあげること。
 
そして、親もまた、完璧ではないことを知ってもらうために、「親御さんの失敗談」なども話してあげてくださいね。
 
こうすることでお子さんは、「完璧じゃなくても、いいんだ。」「人生の途中で失敗しても、そこから学んで、また挑戦すれば、大丈夫!」と思えるように、少しずつなっていきます。

もちろん、これは言葉でいうほど、簡単ではありません。
 
お子さんの元々の性格もありますから、薄皮を剥ぐように「徐々に変化していく」と思っておいて下さい。
 
また親御さん自身も、忍耐が必要ですので、適度に息抜きをしながら、改善していきましょうね!
 
※また、コチラ↓も参考にして頂ければ、幸いです。
完璧主義を緩和する方法2
 
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、お子さんは宿題に、完璧を求めていませんか?
2、0か100の思考や、他人の評価を気にし過ぎていませんか?
3、完璧主義の原因は、性格・教育環境・接し方の影響が重なっている。
4、ありのままを受け入れ、完璧主義を緩和させる。

 
 

この記事の後によく読まれています
Ranking
最近の投稿