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いじめの 嫌な記憶(トラウマ)を 消す方法


いじめ トラウマ・嫌な記憶 消す方法

 
女子高生の 不登校 要因の一つに、いじめ等の「嫌な記憶(トラウマ)」があります。
 
そして、不登校の子ども達の多くが、この嫌な記憶が トラウマとなり、
頭の中をグルグルと巡り、いつまでも離れないために 苦しんでいるのです。
 
そこでここでは、「嫌な記憶(トラウマ)を 消す方法」をお伝えします。
 

目次
1.「嫌な記憶」は、コントロールできる!
2.不登校と嫌な記憶のメカニズム
3.嫌な記憶を無理に消そうとする、落とし穴
4.嫌な記憶を終わらせてあげる方法

 


 「嫌な記憶(トラウマ)」は、コントロールできる!


 
人間は、過去の失敗・挫折・怒られたこと・後悔・いじめや生命の危機等、傷ついた経験を、何度も繰り返し思い出す考え方のクセ(思考)を、誰もが持っています。
 
なぜなら 人間は、過去の記憶や経験から学び、活かすことにより、さまざまな事態に順応したり、生命活動の維持や 進化をし続けているからだと、考えられています。
 
そのため、「忘れたいのに、忘れられない」「考えたくないのに、思い出す」。
そして…
 
「なんで、あんなこと言われなきゃいけないの?」
「○○だって同じことしてるのに、自分はいいわけ?」
「私が、何をしたっていうの?」等々…
 
イライラしたり、他人を恨んだり、羨んだり。
あるいは…
 
「どうしてあの時、こうしなかったのだろう?」
「私がもっとこうしていれば、相手を傷つけずに、
 あんなことにもならなかった」等々…
 
後悔や自分を責め続ける、といった 堂々巡りに悩まされます。
 
でも実は、無理やり消そうとしたり、忘れたりしなくても、嫌な記憶(トラウマ)は、コントロールできるものなのです!
 


 不登校 と 嫌な記憶のメカニズム


いじめ 嫌な記憶 不登校
 
 
さて、嫌な記憶(トラウマ)をコントロールするためには、お子さんの嫌な記憶について、知るところから 始めていきましょう。
 
嫌な記憶とは、本人が「ショック」や「恐怖」を感じたり、「嫌だ」「傷ついた」「悲しい」「苦しい」等の、出来事全てを指します。
 
例えば、いじめや陰口。
親友と思っていたAちゃんが、『○○って、超ワガママ。ついていけない』と、お子さんの悪口をクラスの子に言われた、という場合。
 
お子さんにとっては、Aちゃんに裏切られた気持ちで、凄く嫌な記憶ですね。
 
加えて、不登校の子どもの特徴は、感受性が強く、想像力も豊か。
そのため、感受性や想像力が 無意識に手伝ってしまい、記憶はかなり鮮明で、音や声、映像もリアルなものが多いんです。
 
そして、その嫌な記憶は 何度も反復されて、固定化していきます。
 
実はこれ、人間の「学習方法」の一つで、危険から身を護るために備わった「自己防衛反応」が、正常に働いている印なんです。
 
例えば、漢字の練習を思い出して頂くと、良く分かると思いますが、「反復」は記憶の固定化と、長期的記憶を自ら強化する学習行為。
 
ただそこに、その時の苦しい気持ちや、悔しさ、辛さ、怒り等の「感情」が結びつくと、無意識に恐怖を繰り返してしまい、ストレスに感じます。
 
すると、夢に出て来て眠れなくなったり、勉強に集中できなくなったりして…
 
「学校に行くと、また嫌な記憶が増える」
    
「学校は危険な場所」
「学校は、嫌だ!人が怖い!」等々…
 
無意識に自ら刷り込んでしまい、身を護るために、不登校を引き起こす 1つの要因になってしまうのです。
 

 嫌な記憶を 無理に消そうとする、落とし穴


 
こんな話を聞くと親御さんは、次のように思うかもしれません。
 
「うちの子が可愛そう!」
「それなら尚更、早く忘れさせてあげたい」
「思い出させたくない」

あるいは…

「それくらいのことでイチイチ傷ついていたら、
 生きていけないわよ」
「気にしない、気にしない!」等々…
 
お子さんの気持ちを、早く切り替えさせよう、とするかもしれませんね。
 
もちろんこれらは、お子さんを思うが故の親心ですし、気持ちの切り替えは、日常的に必要なこと。
 
でもそこには…
 
「早く忘れさせてあげたい」→「無かったことにしたい」
「早く切り替えさせたい」→「現実を見たくないから、見ないようにしよう」
 
このような心理が、隠されているのではないでしょうか?
 
そして、この「無かったことにしたい」「見ないようにしよう」が、落とし穴!
 
なぜなら、事実を歪めて、無かったことにしようとしても、その事実は無くなりません。
 
気持ちも同じで、無理に切り替えさせて、見ないようにしても、お子さんの辛い気持ちは、無くならないからです。
 
ただ一時的に 気持ちに蓋をして、抑圧しているだけなので、ふとした瞬間に出て来てしまうのです。
 
では、このような場合、どうすればいいのでしょうか?
 


 嫌な記憶を 終わらせてあげる方法


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それは、親御さんが お子さんの感情を受け止めて、嫌な記憶(トラウマ)を、“終わらせてあげること”です。
 
方法は、親御さんがお子さんの話を聞き、辛い経験を吐き出させてあげる。
 
そして、「辛かったね」「怖かったね」「寂しかったね」「悔しかったね」等と、抱きしめながら、受け止めてあげて下さいね。
 
こうすることで、
「無かったことにしないでよ。
 こんなに傷ついてるんだから!」

「ちゃんと私と向き合って!」
 
という、お子さんの気持ちは、癒されていきます。
 
すると、嫌な記憶は、「過去のもの」=「もうすでに乗り越えている」と捉えていくことが、少しずつできるようになります。
 
また、お子さんの中には、忙しい親御さんを気遣ったり、「(親の悪口を言われた等で)、親を傷つけたくない」。
 
あるいは、「いじめを克服できない私は、親を悲しませてしまう。だから、自分でなんとかしよう!」と、健気に頑張っていることが多く、親御さんに、何も話さない場合もあるんです。
 
このような場合、「気付けなくて、ごめん」等と、 親御さんからお子さんに歩み寄り、話を聞いてあげて下さいね。
 
そして、過去は幸せではなかったとしても、それで、あなたの人生が決まるわけではないこと。
 
未来は、自らの意思で、自由に選択することができるのだから、大事なのは、自分が どうありたいか、どうしたいか? ということ。
 
今すぐに答えは出ないかもしれないけど、 自分のために、それを考えて欲しい、と伝えてあげて下さい。

そして、なりたい自分になるために「今できること」や、
「次に活かすためには、どうすれば いいのか?」等々…
 
親子で話し合い、小さなステップを組んで、実践することが大切です。

これらをまとめますと、次の通りです。
 

1、嫌な記憶は吐き出してもらい、感情を受け止め、終わらせてあげる。
2、大切なことは、「自分が どうありたいか? どうしたいか?」
3、2のために「今できることは 何か?」
  「経験を次に活かすために、どうすればいいのか?」を親子で話し合う。
4、3で決めた一番手前の行動から、実践していく。

 

嫌な記憶は、話すのも聞くのも、辛いかもしれません。
 
しかし、無理に抑え込んだり、忘れさせようとしたりするのではなく、記憶と向き合い、終わらせてあげること。
 
そして、辛い経験を活かす行動を実践してしまうことが、一番の近道です。

もちろん、この他にも方法は色々ありますが、長くなってしまいますので、
それらは、別の機会にお話したいと思います。
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、嫌な記憶は、コントロールできる!
2、不登校と嫌な記憶のメカニズムを知る。
3、嫌な記憶を無理やり消そうとするのは、逆効果。
4、嫌な記憶は吐き出してもらい、終わらせてあげる。
5、「なりたい自分」のための行動を実践してもらう。

 
 

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