自己肯定感を高める方法1
不登校の原因の一つに、親子の「自己肯定感の低さ」があります。
しかし、多くの親御さんから、「自己肯定感 とよく聞くけど、よく分からないし、どうすれば 自己肯定感が上がるの?」と、ご質問を受けます。
そこで、「自己肯定感」について考えていき、
「自己肯定感を高める方法」をお伝えしたいと思います。
目次
1.自己肯定感とは?
2.自己肯定感の特徴
3.自己肯定感が高い時 と 低い時の状態
4.自己肯定感を高める2つの方法
自己肯定感とは?
はじめに、自己肯定感を高めるためには、「自己肯定感とは何か?」を、知る必要があります。
では早速、「自己肯定感」とは、何か?
自己肯定感とは、自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられる感情のことです。
よく似たニュアンスで感じられるのが、「自信」です。
しかし自信は、あくまでも「自分の能力」や「才能」に対して持つもの。
自分が自分であること、つまり、「ありのままの自分を認めること」とは、ちょっと違います。
なぜなら、ありのままの自分とは、自分のいい部分も悪い部分も、グレーの部分も 全て引っくるめて、そのままの自分の存在 や 感情を肯定することだからです。
ですので、×「自信」=「自己肯定感」ではありません。
自己肯定感の特徴
次に、自己肯定感の主な特徴について、お伝えしますね。
その特徴とは、「自己肯定感は、環境や状況によって、高くなったり、低くなったりする」ということです。
私がご相談を受ける方の多くは、「一度、高い自己肯定感が得られれば、それをずっと持っていられる」と、思い込んでいる場合があります。
でも、これって、凄く難しいと思いませんか?
だって、もし重い病気にかかったり、災害や事故にあって、「それまでの夢や希望が断たれてしまった」と感じた時は、誰だって、すんなり「はい、そうですか」とは、受け入れられませんよね。
また、現在の「不登校」という状況も同じで、直ぐには受け入れられない親御さんのほうが多い。
ということは、「自己肯定感」は、常に一定に保たれる性質ではなく、環境や状況によって、高くなる日もあれば、低くなる日もある。
また、高い・低いのどちらかが、しばらく続くこともある、といった特徴があるのです。
とはいえ、この高低のふり幅を小さくすることは可能です!
自己肯定感が高い時 と 低い時の状態
このように、「自己肯定感は、高くなったり低くなったり、揺れ動くもの」と分かったところで、それぞれの状態を見ていきましょう。
・自己肯定感が高い状態にあると…
自分の存在 や 物事を前向きに捉えることができるので、日々の生活が楽しく感じられたり、気持ちが安定してきます。
すると、多少の問題が起きても「大丈夫!」と思えて、積極的に問題解決したり、行動することができます。
そのため、仕事・家庭・学校 等、人間関係も良好で、充実した毎日を過ごすことができるのです。
・自己肯定感が低い状態にあると…
あらゆることをネガティブに考えてしまい、「どうせ私なんて…」や「何をしても上手くいかない」「失敗するくらいなら、やらない方がいい」と思い込んで、消極的になってしまいます。
すると、何か問題が起きても、解決する気力 も 行動力も 出てきません。
その結果、問題が先送りされたり、向き合わないことで、さまざまな問題が積み重なり、経済や人間関係が崩壊したり、「うつ病」等の精神疾患を引き起こすのです。
これでは、不登校どころではなくなり、困ってしまいますよね。
では、どうすれば、自己肯定感を高めることができるのか?
自己肯定感を高める 2つの方法
自己肯定感を高める方法は数多くあるのですが、全てをお伝えすると長くなりますので、今回はその中の2つをご紹介しますね。
1つ目は、今の自分の状態に、気づくことです。
例えば、現在、お子さんや親御さんの気持ちが、
・なんだか、何も上手くいかない。
・原因は分からないけど、モヤモヤした気持ちが続いている。
・朝起きると、体も気分も重くて、しんどい。
こう感じる時は、「あ、今は、自己肯定感が低い状態なんだな」と、気づくことが大切です。
そしてこの気づきが、心理学でいうところの「自己認知」。
「なぜ、自分がこう感じているのか」を客観視して、自覚することをいいます。
この自己認知ができると、マイナスだった感情が、一度 フラットな状態に戻ります。そして、それからプラス、あるいはマイナスへ、と転換していくのです。
人の感情は、マイナスの状態から 一気にプラスに転じるものではありません。必ず一度、フラットな状態になってから、次に進みます。
ただ、もし「そんなことないのでは?」と思う場合は、マイナスの感情が嫌で、気づかないふりをしているか、その感情を抑圧(封印)している状態と、考えられます。
すると、そのマイナスの感情は消えたわけではありませんから、ふとした時に顔を出したり、ずっと抱えたままの状態なので、しんどいんです。
ですので、一度、感情(気持ち)をフラットに戻す この気づき(自己認知)が大切で、「自己肯定感を高める 第一歩」となります。
2つ目は、「大丈夫。私は、認められている」と、唱えましょう!
自己肯定感が低くなると、「ダメな私は、誰にも認めてもらえず、価値がない」などと、自分の価値が下がってしまったように錯覚してしまいます。
すると、必要以上に「私を認めて!」という承認欲求や、不安感が増してしまいます。
でも、実際のお子さんや親御さんは 認められていますし、人としての価値や、尊厳もあるのです。
ただそうは言っても、「認められている、と思えない」という方は、極論ではありますが、次のことをよく考えてみて下さい。
人間は、一人では生きていけませんよね。
ということは、もし誰にも認められず、人としての価値も、尊厳もない状態だとしたら…、透明人間のようなものですね。
すると、「命を狙われているから、助けて!」と訴えても、(空耳かな?)と思われて、無視される。
あるいは、「お金を払うから、病気を治してくれ」とお願いしても、存在が見えていないので、治療して貰えない。もしこんなことになれば…
現在、その人は生きていない、と思いませんか?
つまり、人が生きている以上、必ず 誰かに認められているし、人としての価値や、尊厳はあるのです。
ただ自己肯定感が低くなると、この事実に気づけなかったり、錯覚に陥ってしまう。
ですので錯覚に囚われず、上記の言葉を何度も唱えて、自己肯定感を高めていきましょう!
すると、「あ、私、認められてたんだ!」と思えるようになりますよ。
いかがでしたか?
自己肯定感は、環境や状況により、揺れ動くもの。
しかし、そのふり幅を小さくすることは、可能です!
日々の生活の中で、自分の気持ちに気づいたり、「大丈夫。私は認められている」と言いながら、私と一緒に不登校を乗り越えていきましょう!
また、この方法をもう少し詳しく解説した「親の自己肯定感を高める方法2」も、合わせてお読み頂けると幸いです。「親の自己肯定感を高める方法2」はこちら
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、自己肯定感とは、自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられる感情のこと。
2、自己肯定感は、環境や状況によって、高低する。
3、自己肯定感が高いと気持ちが安定し、低いと消極的になる。
4、今の自分の状態に気づき、「大丈夫。私は認められている」と唱える。