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コンプレックスを克服する方法【実践編】


中学 不登校 コンプレックス 克服

 
中学生の不登校要因の一つに、「強いコンプレックス」があります。
 
中学生の女の子にとって「強いコンプレックス」は、人間関係をこじらせたり、自分で自分を苦しめたりと、悪循環を生みやすい悩みです。
 
そこでここでは、
「コンプレックスを克服する方法【実践編】」をお伝えします。
 

目次
1.思考編のおさらい
2.まずは、自分の気持ちに向き合う
3.子どもの気持ちを受け止めて、共感する
4.親が子どもの壁になる
5.子どもの個性を認め続ける

 


 思考編のおさらい


 
コンプレックスを克服するための「思考編」では、コンプレックスは劣等感だけではなく、無意識レベルの複雑な感情も複合し、それらを抑圧(封印)している、とお伝えしました。
 
また、不登校のAさん(中1)の例では、一重の目をからかわれたことから、次第にいじめに発展。
 
Aさんは母親に相談しましたが、母親は、自分の一重が遺伝したことを負い目感じてしまい、Aさんの気持ちを、上手く受け止められなかった。
 
そのためAさんは心を閉ざしてしまい、結果的に他の理由も重なって、不登校になったのでした。
 
では、このような場合、親御さんはご自身の気持ちとどう向き合い、お子さんにどう接すれば良かったのでしょうか?
 
※【思考編】を知りたい方は、コチラ↓
コンプレックスを克服する方法 【思考編】
 


 まずは、自分の気持ちに向き合う


不登校 コンプレックス 親の接し方

 
前回の「思考編」でもお伝えしましたが、私達人間は、理不尽さ や 辛い状況から身を守るために、無意識に感情や体験の記憶を、「我慢しよう」「見ないようにしよう」と、抑圧(封印)する働きがあります。(自己防衛反応の1つです)
 
また、よく 「心の壁」「殻に閉じこもる」などと表現されたり、人によっては、 「トラウマがある」という言い方もされます。
 
というのも、心が傷つくことは誰でも嫌ですから、同じ痛みを感じないよう、自分の心の傷を守っているからですね。
 
しかし、この守り方には、大きなデメリットが 2つあるんです。
 

1、心の壁・殻など、気持ちに封印をかけている状態では、ご自身の気持ち(感情)を、誰かに上手く伝えることができないので、心の傷を癒すことができないままになってしまうこと。
 
2、お子さんやパートナーなど、他者からの気持ちを上手く受け取ることが、できなくなってしまうことです。

 
例えるなら、ネット環境の悪い地下室で スマホを使おうとしているようなもの。この地下室では、スマホの発信も受信も、上手くいきませんよね。
 
すると、困っていても 助けを呼ぶこともできないし、誰も助けに来てくれないので、時間が経つにつれ、「何をしてもムダだな…」と、思い込んでしまいます。
 
また、困ったことだけに限らず、嬉しいことや楽しいことも、送受信できない。
 
つまり、自分だけが孤立したように感じてしまうんですね。
 
でも、もし地下室から地上に出られれば、どうでしょうか?
 
そうです。
発信も受信も、できるようになりますよね!

つまり、親御さん自身の過去の辛い経験や、コンプレックスに感じている気持ちと向き合うことで、心の傷が癒されて、心の壁を取り払い、殻から出ることができるようになります。
 
すると、お子さんの気持ちにも、向き合える(共感できる)ようになるのです。

では、実際に何をすればいいのか?
 
これには、様々な方法があるのですが…、今回は、お一人でもできる方法をご紹介しますね。

それは、ご自身の過去の記憶を思い出し、「辛かった」「悔しかった」「死ぬほど、恥ずかしかった」などの感情や、当時の気持ちを紙に書き出して、吐き出すことです。
 
そしてご自身で、「あの時は、死にたくなるほど、辛かったね。
でも、大人になったあなたなら、○○して乗り越えられるし、今も生きてるんだから、大丈夫だよ」などと、過去の自分を、今の自分がギュッと抱きしめてあげる。
 
こうすることで、親御さんの心の傷は、少しずつ癒されていきますよ。
 


 子どもの気持ちを受け止めて、共感する


中学生 不登校 劣等感
 
次に、 子どもの気持ちに、共感しながら話を聞いてあげることです。
 
コンプレックス(劣等感)を持つ場合、次のような気持があります。
 
・バカにされたことが悔しい
・人との違いが、恥ずかしかった
・みんなと同じになりたい
・○○が嫌だ
・人より劣っている自分が嫌い
・こんな自分が許せない 等々…

その気持ちに、親御さんが「辛かったね」「悔しかったね」と、共感してあげることが大切です。

子どもは、一重・天然パーマ・身長が高い・低い・ぽっちゃり・食べても太れない・障害 等、どうすることもできないことや、親御さんのせいでも、誰のせいでもないことは、頭では理解しています。
 
ただ、頭では分かっていても、気持ち(心)がついていかずに、「こうなりたいのに、なれない」ので、この葛藤を発散させる場所が必要なのです。
 
その発散の場とは、親御さんが共感しながら話を聞くこと。
つまり、親が子どもの壁になり、向き合うことなのです。
 

 親が子どもの壁になる


不登校 親の向き合い方

 
ここまでお読み頂いて、ちょっと耳の痛い話かもしれませんが…
 
不登校のお子さんを持つ親御さんの多くが、子どもの壁になること(向き合うこと)を、避けてしまう傾向があります。
 
そこには、 さまざまな事情や生い立ちから、親御さん自身が「私は、親にやって貰えなかった。だから、子どもの気持ちの受け止め方なんて知らないので、できない」と思ったり。
 
「私はやって貰えなかったのに、私だけ苦労して、子どもにやってあげるのは、なんか損した気になる」と、苛立ったり。
 
そして、そんなことを思ってしまった自分に自己嫌悪し、 負い目を感じたり。
 
あるいは、 「甘やかしてはいけない」と思い過ぎたり、プライド や 理想のいい親を演じることに無理があるため、お子さんと向き合うことが、できないのかも知れません。

でも、知らないことは、できなくて当然です。
 
あなた(親御さん)のせいではありません。
 
ただ、知らなかったのなら、今から知ればいいだけです!

ですので、「なんで うちの子は、ちょっと嫌なことがあると、すぐにかんしゃくを起こして、私を困らせるの?!」と思う前に話を聞いてあげて下さい。
 
子どもには、子どもなりの理由があります。
甘えの欲求 や 感情の発散は、大人でもあることです。
 
加えて、 子どもがかんしゃくを起こしたり、反抗できるのは、親御さんの愛情を感じている「安心感」と 反抗しても許して貰える「信頼」があるからこそ、できること。
 
もしこのような行為がないとすると、お子さんは、対人関係に免疫力がないままの状態です。
 
すると将来、「誰とも 真剣に向き合うことのできない大人」になってしまいます。
 
これでは、学校・職場・家庭などのあらゆる場所で人間関係に悩み、病気になったりして、社会の中で調和しながら、自立して生きていくことは難しいでしょう。

もちろん、親御さんの中には、「女の子は、結婚してしまえば どうにかなる」という方もおられます。
 
しかし、対人関係に免疫のない女性が、結婚生活で相手や そのご家族との関係を上手く築けると、あなたは本気で思いますか?
 
お相手が、余程根気よく付き合ってくれる方でない限り、「結婚すれば大丈夫!」なんて、安易に言えませんよね。
 
すると、お子さんが成人してからもずっと、親御さんがお子さんの面倒を見ていくことになるのです。
 
ですので、そうならないために、今、お子さんの気持ちや感情を受け止め、発散させてあげて下さいね。
 

 子どもの個性を認め続ける


不登校生 コンプレックス 個性
 
 
最後に、お子さんの発散ができたら、お子さんの個性を認めてあげて下さいね。
 

・何もかも、みんなと同じでなくてもいいこと。
・違いがあるのは、個性であること。
・どんなあなた(子)でも、お母さん・お父さんは、大好きである。
・人との違いに注目するより、個性を活かすことが大切。

 
これらを、分かり易く説明してあげて、本人を肯定して(認めて)あげましょう。
 
それから、本人の個性を活かすには、どうすればいいのか?
 
あるいは、何らかの努力をすれば、克服できるものに関しては、親御さんとお子さんが一緒に、「どうすれば、できるかな?」と考え、それを実践して下さいね。

先述のAさんの例でしたら、下記のような具合です。 

まずは、一重のままでも 十分魅力的であることを、親御さんがAさんに 毎日伝え続けました。
 
次に、将来的には、お化粧でカバーする。又は、アイプチ・二重に整形 等、多様な改善手段があること。同時に、それらのメリット・デメリット・コスト等 を書き出し、親子でよく話し合って貰いました。
 
その結果、「本人のどうしたいか」や「〇歳の時点で、本人のどうしたいかを、もう一度聞く」「経済的な負担は、親も協力する」等、Aさんの意思を尊重した選択 と、親御さんの協力の仕方を明確にして貰いました。


このような接し方は、忙しい親御さんにとっては、大変に思うかも知れません。
 
しかし、お子さんと向き合う時間を取るか・取らないかで、親御さんの将来が「もっと大変になって、お金もかかるか」、「感謝されて 楽になるか」が、決まって来ます。
 
「損して得取れ」ではありませんが、ご自身の老後を見据えて、実践してみて下さいね。
 
そしてお子さんの個性を伸ばしていきながら、コンプレックスを私と一緒に克服していきましょう!
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、まずは、自分(親)の気持ちを紙に書き出し、心の傷を癒す。
2、子どもの気持ちに共感しながら、話を聞く。
3、親は子どもの気持ちと向き合う。
4、子どもの個性を認めて、具体的な解決策を実践する。

 
 

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