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家族に 本音を 伝える大切さ


不登校 親子・家族 の 本音

 
親子 や 夫婦というのは、近すぎてしまうせいか、
「何も話さなくても、私のことを分って欲しい」とか、
「言わなくても、きっと 伝わっているだろう」と思いがちです。
 
でも実は、親子 や 夫婦間の「気持ちのすれ違い」が原因で、お子さんの不登校が悪化しているとしたら、どうでしょうか?

そこで今回は、Mさん家族の例を交えながら、
 
夫婦 や 親子間で、「気持ちがすれ違う理由」と、
「本音を伝える大切さ」をお伝えします。
 

目次
1.家族のコミュニケーションのあり方とは?
2.本音を言えなかった家族の、意外な突破口!
3.ぶつかり合いを恐れない
4.本音を伝える大切さ

 


 家族の コミュニケーションの あり方とは?


 
冒頭でもお伝えしましたが、親子・夫婦・兄弟(姉妹)といった、近い関係になればなるほど、「言葉で言わなくても、分かって欲しい」と思いがちです。
 
また、日頃から、「これくらい、分かっているだろう」と、自分に都合のいいように解釈するのが、人間の性かも知れません。
 
でも、現実の人間には「テレパシー」はないので、以心伝心は不可能ですよね。
 
ということは、やはり喧嘩や反発があっても、
言葉にして、本音の気持ちを 相手に伝えるしかありません。
 
また、相手の本音も、聞き切ること(確認する)が大切なのです。
 
このように書くと、「それって、当り前じゃない?」
と思うかも知れませんが、実際の家族の会話では、どうでしょうか?
 
例えば、私が相談を受けたMさん家族の例で、考えていきたい、と思います。
 


 本音を言えなかった家族の、意外な突破口!


 
これは、不登校だったMさんの話しです。
Mさんは、中学2年生の明るい女の子。
ところが、5月の休み明けから、学校へ行けなくなりました。
 
困ったお母さんは…
 
「学校、スクールカウンセリング、医療機関等へ
 相談に行ったのですが、原因が分からないんです。

 父親は 仕事で忙しいし、
 正直、どうしていいか分かりません」
 
と、私の所へ相談に来られました。
 
そこで、私とのカウンセリングを進めながら、
家族とのコミュニケーションについて、学んで頂いていた ある晩のことです。

仕事人間のお父さんが、お酒に酔って、夜遅くに帰って来ました。
お父さんは、酔っぱらっているので、夜中でも大声で話します。
 
お母さんは、「近所迷惑だから、静かにしてよ!」
なんてやっていると…
 
昼夜逆転のお蔭で、Mさんがこの騒ぎに気づき、
お父さんの所へやって来て…
 
「お父さんは、のん気にお酒が飲めて いいね!」
と、嫌味を言ったのです。
 
これにカチン!と来たお父さん。
 
「なんだと!
 俺は、のん気に酒を飲んでいる日もあるけど、
 そうじゃない日だってあるんだ!」
 
普段は、あまり話さないお父さんに、驚きながらも、
Mさんは、恐る恐る「そうじゃない日って、どんな日?」と聞くと…
 
お父さんは、「今日は会社で・・・」と一日の出来事、
上司と部下の間に挟まれ、人間関係がギクシャクしていること。
 
そして、Mちゃんのことが心配なことを、あれこれ話し始めると…
 
「そんなに大変なら、もっと色々話してよ~」
と、お母さん。
 
お父さんは、すかさず
「そうは言うけど、俺の仕事には、守秘義務があるんだよ!
 それに、お母さんは、いつも自分の愚痴ばかりで、
 俺の話は、最後まで聞いてくれないじゃないか!」
 
「あなただって、同じじゃない!」
「そうやってすぐ怒ったり、私をバカにしたりするから、
 私は本当に言いたいことが、言えなくなるのよ!」
 
こんな夫婦喧嘩をしてると、
Mさんのお母さんは、ハッと気づいたそうです。
 
それは…
 
(私 おしゃべりだから、家族との会話はちゃんとしてる、
 と思っていたけど…
 
 私が話してるのは、愚痴を聞かせているだけで、
 実は、本音を話してないし、相手の話も聞けてないんだ…)

この事実に気づいた Mさんのお母さんは、深く反省し、コミュニケーションの仕方を改めていきました。
 
そして、夫婦間、親子間でも、本音で話すようになって、喧嘩しても、また話し合うことができる関係を、少しずつ築いていったのです。
 
すると、中3になったMさんは、1学期から学校へ行くようになりました。
 


 ぶつかり合いを 恐れない


不登校 親子・夫婦 本音の会話 で 改善
 
 
Mさんのご家庭では、
 
「こんなこと言ったら、バカにされるかな?」
「あんなこと言ったら、相手が傷つくかな?」
「今、忙しそうだから…、後にしようかな?」等々…
 
夫婦や親子が、お互いに遠慮し合ったり、
いい人を演じて、自分の気持ち(本音)を 押し殺していたんです。
 
気持ちを抑圧すれば、お互いの気持ちがすれ違い、お互いを理解することはできません。
 
夫婦間では、いつもお互いにイライラして、
「どうして、こんな奴と結婚したのか?」なんて思ってしまいます。
 
そして子どもは、夫婦間の重たい空気を 敏感に感じ取り
 
「お母さん と お父さん、離婚しちゃうのかな?」 
と不安に思って、学校どころじゃないんです。
 
また、家庭でのコミュニケーションは、友達関係に反映される傾向が強く、ちょっとした喧嘩や、人間関係のいざこざが、怖くて仕方ない。
 
すると、いつもビクビクした態度になったり、上辺だけの会話が増え、友達とも上手くいかなくなります。

でも、お父さんとお母さんが、お互いの話をよく聞くように頑張って、本音をいい合い、協力ができて来ると…
 
子どもは、それをしっかり見て、学びます。
 
そして…
 
「あれ、喧嘩しても、大丈夫なんだ!」
「本当に大切な人となら、喧嘩くらいでは 嫌われない!」
 
ということを、肌で感じ取るんです。
 
すると、人間関係のいざこざや、感情のぶつかり合いに、少しずつ免疫がついてきて…
 
人とのぶつかり合いを恐れない「勇気」が引き出されます。
 
こうなると不思議なことに、人間関係はよくなり、
“ 愛される人になるんです!”

こんなことがあると、「子どもって、本当に凄いなぁ~」と、私は思います。
 
もし子どもが、ズバッと嫌なことを言わなかったら、こんな展開にはならなかった。
 
つまり、あなたのお子さんが、あなたを助けているし、不登校になってまで、「夫婦の対話のチャンス」をくれたのです。
 
もちろん、お子さん本人は、無意識にやっていることですけどね。
 

 本音を伝える 大切さ


不登校 改善 本音 を 伝える
 
 
いかがでしたか?
 
夫婦 や 親子の間で、本音(気持ち)を話さないことは、 一見、相手への優しさや、平穏な日常に見えます。
 
しかしそれは、無菌状態で守られ、何の免疫力も持たないような、人との関り方が分からなくなってしまう、一歩手前の状態です。
 
ですから、親御さんも勇気を出して、
ご自身の気持ちを、素直に ご家族へ伝えてあげて下さいね。
 
そして、パートナー や お子さんの話も、
否定したり、言い返したりせずに、聞いてあげて下さい。
 
お互いのちょっとした勇気 や 努力が、気持ちのすれ違いを埋め、相手との心地よい距離感を生み出します。
 
家族であっても、この距離感を大切にして、
心地よい人間関係を、再構築していきましょう!
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、本音を言える 家族の関係を作る。
2、嫌なことも、本音の一つ。
3、ぶつかり合いを恐れずに、勇気を持つ。
4、本音を伝え、相手の本音も聞き切る練習をする。

 
 

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