リストカットを 止めさせる方法
中学生の女の子が、不登校になる場合、『リストカット(自傷行為)』をするケースがあります。
すると、親御さんは…
「どうして、そんなことするの?」
「もっと自分の身体を大切にして欲しい」
「そんな脅し、効かないぞ!」等々
心配したり、腹立たしく感じるかも知れません。
ただ親御さんとしては、
「子どもに、どう接してしていいか 分からない」
というのが、本音ではないでしょうか?
そこでここでは、私の姉のケースを例に
「なぜ、リストカットをするのか?」という理由と、
「リストカットを 止めさせる方法」をお伝えします。
目次
1.リストカットをしていた私の姉
2.なぜ、リストカット(自傷行為)をするのか?
3.子どもの命を救う、親御さんの対応
4.今すぐ家庭でできる、子どもへの接し方
リストカットをしていた 私の姉
私の姉は、中学校でクラスのリーダー核の子に、しつこいいじめを受けていました。
もちろん、いじめについて、担任教諭に相談したり、
両親にも相談していましたが…
「いじめは、どんな場所でもあるから、強くなりなさい」。
こう言われ続けていたのです。
そんな姉ですが、長女のプライド と 優しさで、妹の私には「心配をかけたくない」と、愚痴一つ言いませんでした。
ただ姉にとって、いじめられる学校生活は、とても辛く厳しい現実。
唯一の楽しみは、部活動でした。
しかし、その部活動も、練習量の多さや厳しさが原因で、同期の殆どが退部。
すると、「同期の部員を減らした責任を取れ!」という、先輩の理不尽な説教が始まったのです。
そして、少ない同期の間でも、責任の押し付け合いや、妙なライバル視にさらされ、次第に居場所を失っていきました。
中学生の姉にとって、学校や部活動で 居場所を失うということは、“ 社会の中に、自分の居場所を失った ”、と同じこと。
そんな過剰なストレスを抱えていた姉は、家では力尽き、長風呂や、朝起きられない等、ぼーっとする時間が増えていきました。
しかし両親は、そんな姉の状況を理解することなく、
「何してるの!ぼーっとしてないで、もっと早く動きなさい!」と、厳しく叱ってばかり。
これが大人なら、お酒を飲みに行ったり、マッサージに通う等、お金をかけてでも、ストレス解消をしたでしょう。
しかし中学生の姉は、学校という社会にも、安心できるはずの家にも、自分の居場所がなく、頼れる人も お金もない、八方塞がりの状態だったのです。
そして、これらのストレスや、両親に 自分を理解してもらえない辛さを、どこかで吐き出したり、癒したかったのだと思います。
ただそれが見つけられなかったため、姉は「リストカット」という形で、表現してしまったのです。
なぜ、リストカット(自傷行為)をするのか?
上記のように、「リストカット」によって、
・自分の辛さを分かって欲しい。
・私と向き合って欲しい。
そんな思いを、自己表現してしまう場合があります。
このような場合、本人やご家族の現状は、「かなり厳しい状況」と言わざる負えません。
例えば…
・いじめ
・人間関係のトラブル
(友達の裏切り・男女・先輩後輩・親の離婚 等)
・教育環境の悪化
(教師による贔屓・体罰・家庭環境 等)
・経済的な貧困
・機能不全家族
(家族の過干渉・放任・虐待・夫婦仲が悪い 等)
・介護や病気の家族がいる etc…
さまざまな要因が影響し合い、積み重なっているケースが多く、人には話しづらかったり、どこに相談していいのか 分からなかったり。
また、家族が関わっている場合は、家族を悪者にしたくないため、誰かに相談や 助けを求めることができない。
あるいは、子どもが相談したとしても、家族への介入を拒む保護者も多く、本気で向き合える大人が少ない。
そのため、「原因や理由を突き止めて、解決する」といった 前向きな思考ではなく、復讐を恐れ、辛い現実に目を背けたり、家族をかばったりと、事実を隠すことに 集中してしまいます。
すると、その「しわ寄せ」ともいうべき現象が、自傷行為として 表面化します。
ただ本人もそんなことはしたくないし、やってはいけないことと、分かっていながら、やってしまうのです。
つまり、リストカット(自傷行為)とは、お子さんの「心の叫び声」であり、「誰か、私を助けて欲しい」というサインです。
そのまま放置したり、ただ見守るだけに留まらず、もう一歩踏み込んだ 解決を進めていくことが、とても重要です。
子どもの命を救う、親御さんの対応
とはいえ、親御さんにとって、お子さんの リストカットは ショックですね。
そのため…
「自分を傷つけるなんて、絶対にして欲しくない!」
「もっと自分を大切にして欲しい」
「育て方が悪かったという、当てつけ?」等々…
このような思いが強過ぎて、
お子さんの行動を、受け入れたくないかも知れません。
また、ショックのあまり、親御さん自身がパニックになり 寝込んだり、お子さんに対して、腫れ物に触るような態度を取ってしまう。
あるいは、「それくらいでは、死なないから大丈夫」と高を括り、他人事のように、お子さんから目を背けてしまうかも知れません。
しかし、これらの 親御さんの接し方は、注意が必要!
なぜなら、親御さんの対応の遅れから、
お子さんを、更に追い詰めてしまう危険性があるからです。
もちろん、リストカットで死に至ることはごく稀です。
しかし、
「はずみ自殺(試すつもりが、本当に亡くなってしまうこと)」を招いたり、
「摂食障害」「うつ病」等、精神的な病になる可能性は、グッと高まります。
そうなっては、不登校どころではありません。
後々まで、あなたは、ずっと苦しむことになるのです。
それでもいいでしょうか?
もし答えが、「NO」なら…
まずは親御さんが、不登校に理解ある(※)専門家 や 第三者に相談し、一人で悩まないことが、解決の一歩となります。
※但し、ここでいう「専門家・第三者」とは、親身に話を聞き、その後の具体的な行動方法 や 考え方まで、教えてくれる人のことです。
専門家や医療機関でも、不登校を得意としていない場合がありますので、まずは親御さんが相談し、不登校に精通しているか、確認して下さい。
今すぐ家庭でできる、子どもへの 接し方
最後に、「家庭で今すぐできる 解決法」をお伝えします。
この方法は、お子さんのリストカットを 見つけた際の 接し方の一つです。
お子さんの リストカットの傷跡 を見つけたら、
「辛かったね」「痛かったね」と、優しく傷を包み込み、同苦してあげて下さい。
そして、毎日 30分~1時間位、お子さんと話す時間を作り、 お子さんの話を肯定的に受け止め、じっくり聞いてあげて下さいね。
「えっ、そんなこと?!」
と思われるかも知れませんが、
こうすることで、お子さんの痛みを和らげ、辛い経験を終わらせてあげることができるのです。
もちろん、忙しい親御さんにとって、毎日となると大変に思うかも知れません。
しかし、一日の少しの時間をお子さんと過ごすだけで
A:お子さんに感謝されながら過ごす未来。
それとも、その時間を取らずに
B:「私の辛さを 分かってくれなかった」
と憎まれ続け、復讐される未来。
あなたは、A・Bどちらの未来を選ばれますか?
また、親御さんの中には、
「じゃあ、私の辛さや愚痴は、誰が聞いてくれるの?!」
と、思われる方もいるかも知れませんね。
あなたの辛さを聞くために、私を含めた専門家 や カウンセラーがいます。
同時に、現在の悩みやストレスを 解決する「思考法」と「行動方法」を学ぶことで、その辛さから解放されるのです。
お子さんのためだけではなく、親御さんご自身のためにも、まずは 相談先を確保して下さいね。
そして、親子で幸せな日々を取り戻していきましょう!
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、お子さんの状況 や 背景を確認する。
2、お子さんの気持ちを理解する。
3、まずは、相談先を確保しておく。
4、毎日30分~1時間、お子さんの話を聞き、痛みを終わらせてあげる。