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コンプレックスを克服する方法【思考編】


中学 不登校 コンプレックス 原因

 
中学生の不登校要因の一つに、「強いコンプレックス」があります。
 
これを読まれている親御さんの多くは、「コンプレックスなんて、誰にでもあるのでは?」と思われるかも知れません。
 
しかし、女の子にとって「強いコンプレックス」は、人間関係をこじらせたり、自分で自分を苦しめたりと、悪循環を生みやすい悩みです。
 
そこで今回は、コンプレックスを克服するために、
「コンプレックスと不登校」について考える「思考編」をお伝えします。
 

目次
1.「コンプレックス」って、どういうこと?
2.コンプレックスがきっかけの不登校例
3.コンプレックスが引き起こす、心の揺れ

 


 「コンプレックス」って、どういうこと?


不登校 コンプレックス 原因

 
現在、「コンプレックス」は、日常語として定着しています。
 
そのため、「背が低いことが、私はコンプレックスなんだ」等、多くの人が「劣等感」という意味で使っているのではないでしょうか?
 
しかしコンプレックスは、もともと心理学の専門用語で、「心的複合体」。あるいは、精神分析の概念で、「感情の複合」とされています。
 
ただ「心的複合体」や「感情の複合」といわれても、意味が良く分からないし、説明も大変なので、その中でも分かり易い部分の「劣等感」が、日常語として定着したようです。

さて、 このコンプレックス、劣等感以外にも、「人生で起こる様々な事件や出来事を、人間の心がどう捉えるか?」ということも含まれているんです。
 
ですから、ただ単に「人より劣っている」で終わらずに、怒りや悲しみなどの「強い感情」や「体験」と、それらの影響による思考(考え方・捉え方)が、無意識と結びついている状態。
 
また、それらの感情は、傷つくことや辛い場合が多いため、人間の脳は、感情や思考を抑圧することで、自分を守っているのです。
 
と、まあ、かなりざっくり説明しましたが…
やはり分かりづらいので、分かり易い例として、不登校のAさん(中1)の話をしたいと思います。
 

 コンプレックスがきっかけの不登校例


不登校生 きっかけ コンプレックス

 
中学1年生のAさんは、明るく元気な女の子。
 
でも最近のAさんは、マスコミや思春期の影響で、二重の目に憧れ、一重の自分に、コンプレックス(劣等感)を感じていたんです。
 
そんなある日、クラスの子に 一重目をからかわれ、次第にいじめに発展。
 
そのからかったメンバーの中には、Aさんが「親友だ」と思っていたBさんもいたので、とても傷ついたそうです。
 
このように、本人が自覚していることでも、やはり友達に指摘れれば、「他人との差異」は、現実のものとして突きつけられ、ショックやダメージは大きいですね。
 
だからAさんは、このショックな出来事をお母さんに聞いてもらい、気持ちや 感情を受け止めて欲しかったのですが…
 
Aさんのお母さんは、「私の一重が遺伝してしまった…」と、負い目を感じていたために、素直になれず…
 
「それがどうした!」というような 突き放す態度を取ってしまい、Aさんの気持ちを 上手く受け止められなかったそうです。

もちろん、中学生のAさんは、「一重が誰のせいでもなく、仕方のないこと」と、本当は分かっています。
 
ただ、話を聞いて欲しい時に聞いて貰えなかったので、次第に心を閉ざしてしまい、結果的に他の理由も重なって、不登校になったのです。
 

 コンプレックスが引き起こす、心の揺れ


 
不登校 理由 コンプレックス

 
Aさんのように、きっかけは「一重をからかわれたこと」でも、同時に
 
・自分と他人との違いによる劣等感
・いじめ
・親友の裏切り
・悩みに対し、向き合ってくれる人がいない 等々…
 
いくつもの出来事や、悲しみ・辛さ・孤独 といった感情を体験します。
 
この体験から更に強い劣等感になったり、「私が辛い時に、誰も助けてくれない」「誰も理解しようとも、してくれない」といった人間不信。
 
あるいは、「こんな私では、ダメなんだ」、「悪い(嫌な)部分のある私は、嫌われる」等々…
 
自己嫌悪や自己否定など、今までに意識化されていなかった複雑な感情が引き出され、「心の揺れ」を感じて、受け入れるのが大変なんです。
 
あなたも想像してみて下さい。
 

どうにもならないことは、分かってる。
だから、この理不尽な思いをせめて誰かに聞いて欲しいのに、誰にも聞いてもらえない…

 
こんな状況って、不安で耐え難いですよね。
 
そして、親御さん自身も、同じような体験をしたのではないでしょうか?

私達人間は、このような理不尽さ や 辛い状況から身を守るために、無意識に感情や体験の記憶を、「我慢しよう」「見ないようにしよう」と、抑圧(封印)する働きがあるのです。
 
すると、感情や記憶を封印しているので、親御さんは、どう接していいか分からない。
 
お子さんも、感情や記憶を封印しているので、不登校の理由が分からない。
あるいは、「一重のせいで(お母さんのせいで)、いじめられた」等々、不安や辛さの矛先が、親御さんに向くことがあるんです。

いかがでしたか?
コンプレックスについて考えてみると、不登校のお子さんが、学校に行けない理由を話せないことや、親御さんに反抗して来ることも、納得がいくのではないでしょうか?

では、こんな場合、どうお子さんと接すれば良かったのか?
また、親御さん自身の気持ちと向き合うには、どうすればいいのか?
 
それは、次回の「コンプレックスを克服する方法【実践編】」で、お伝えします。
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、コンプレックスは劣等感だけじゃなく、無意識レベルでの複雑な感情も複合している。
2、人生で起こる出来事が、複雑な感情を意識化させる。
3、人間は辛い感情を抑圧することで、無意識に身を守る。

 
 

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