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「辛い時こそ笑顔」が招く 悪影響


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不登校のお子さんの多くが、「辛い時こそ笑顔」で頑張っています。
もちろん、「笑顔」の良い効果は多く、科学的にも証明されています。
 
しかし、「本当に辛くて堪らない時」や「過剰な無理をして笑顔を作る」ことで、誤解を招き 悪影響を与えてしまうことがあるんです。
 
そこで今回は、「辛いときこそ笑顔が招く悪影響」と
「その改善方法」をお伝えします。
 

目次
1.笑顔 と 笑いの効果
2.子どもが傷ついたり、誤解を招く笑顔と笑いとは?
3.不安・心配し過ぎの 笑う心理
4.良い親子関係を作る方法

 


 笑顔 と 笑いの効果


 
よく人生の教訓や子育てで、「辛い時こそ笑顔でいなさい」とか、「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」などといわれる場合がありますね。
 
親御さんの多くは、これらの言葉を信じて、体調が悪い時でも お子さんを心配させまいと、必死で笑顔を作ったり、「笑って不安を吹き飛ばそう!」と、体感的に効果を感じて、実践されて来たのではないでしょうか?
 
確かに、笑顔や笑いは、万能薬です。
 
冒頭でもお伝えしたように、科学的にも口角を上げると、脳が楽しいと錯覚して「幸せの脳内ホルモン」と呼ばれるセロトニンや、同じく「幸せ脳内ホルモン」と呼ばれる「脳内麻薬」とも呼ばれるエンドルフィンが分泌され、幸福感がもたらされるそうです。
 
また、笑いはドーパミン、アドレナリン、コルチゾールなどの快楽に関係するホルモン分泌も同時に促し、ストレス解消に役立つ効果もありますし、この他にも良い効果は多数あります。
 

【笑顔・笑い の効果】
・幸せホルモンの分泌促進
・ストレス解消(軽減)
・自律神経が整う
・免疫力がアップ
・記憶力アップ
・新陳代謝の促進
・美容効果アップ etc…


ただ どんな万能薬も、使い方を間違えれば「毒」に変わるように、「辛い時こそ笑顔」で笑い飛ばす一辺倒では、気付かぬうちにお子さんを傷つけたり、誤解を招いて、悪影響を及ぼしている場合があるのです。
 
もしそうなっているとすれば、親御さんの努力も愛も伝わらず、本当に悲しいですね。
 
そこで、「お子さんを傷つけたり、誤解を招く笑顔と笑い」について、考えていきたいと思います。
 


 子どもが傷ついたり、誤解を招く笑顔と笑い とは?


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分かり易くするために、ちょっと極端な例をお話しします。
 
これは、私が4歳の頃の話です。
当時の私は、道路工事の真似がマイブーム。
家の前の私道に砂をまいて、友達と一緒に遊んでいました。
でも、しばらくすると…

ゴチン! ン、ギャ────────!!!

鈍い音をたて、なんと自分でまいた砂に足を滑らせ、おでこを強打!
もう、痛くて痛くて仕方ありません!
 
そして、見るもの全てがグルグル回る、まるで映画かドラマのワンシーンのよう。

そんな状態で大泣きする私を助けようと、友達は私の母を呼びに行ってくれたのですが…
 
「いつも泣いてるから、ほっといていい」と言ったそうで、母は来ませんでした。

時間が経つにつれ、友達も どうしていいか分からずに、困ってしまったのでしょうね。私一人を置いて、そのまま家に帰ってしまったのです。
 
幼心に私は、「自業自得だな」と分かっていたので、「誰も悪くないし、仕方ない」と思っていました。
 
ただ もの凄い痛みと、一人残された 孤独感。
家に帰って母に甘えたいのに、目が回って帰れない 悔しさともどかしさと不安で、胸がいっぱいだったのです。
 
それでも私は、這うようにして自宅玄関までたどり着き、やっとの思いで「お母さん!」と叫んだのですが…
 
返って来た母親の反応は…
 
「何このタンコブ?! ア、ハハハハハ~(笑)」と、笑い飛ばす始末。

大泣きしながらも私は、(そ、そんなぁ~。母親ながら、この人、人間じゃないかも…)と思ったのを、今でも覚えています。
 
もちろん、その後、ようやくことの重傷さに気付いた母は、私を病院へ連れて行ってくれましたし、時間と共に タンコブを治すことはできました。
 
でも、この時の反応がショックで、私の心の傷が本当の意味で癒えたのは、三十路を過ぎた頃です。
 

 不安・心配し過ぎの 笑う心理


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これは、極端な例ですので、「辛い時の笑顔 や 笑いなの?」と思われるかもしれませんね。
 
しかし、上記でもお伝えしたように、 人間の脳は笑うことによって、ストレス(不安)が軽減されることを、経験的に知っていますから、無意識に笑ってしまうことがあるのです。
 
当時の母も、辛そうな子どもを見た瞬間、「我が子の危機」に気付き、 不安や心配でいっぱいになった 自分の辛さや不安に耐え切れず、「笑う」というストレス解消反応が出た。
 
つまり、早く安心したいがために、「大丈夫?ああ、痛かったね」という最初の感情(共感)を飛ばして、「笑いに変えてしまえば、いい」と、無意識だったり、無理やりに行っていたのです。
 
でも、これでは、親御さん自身の感情を押し殺すことになり、辛いですし、子どもに心配させまいと笑顔を作る優しさや、親御さんの複雑な心情を(子に)理解してもらうのは、まだ難しいでしょう。
 
その結果、お子さんは、「辛い時に『つらい』と言っても、馬鹿にされて無駄だ」と思い込み、必要な助けを呼べなくなったり、心の傷が深く残ってしまい、「親子関係に溝」を作ってしまうのです。

また、この例が分かりずらい方は、もう一つの例を参考に想像してみて下さいね。
例えば、お買い物した商品が不良品で、返品することになった場合です。
 
購入したお店で、「商品が不良品だったので、返品して欲しい」と店員さんに伝えると、ヘラヘラと笑いながら「どうも、すいませんね~(笑)」なんて店員さんに言われたら、あなたは どう思いますか?

(おいおい、まずは頭を下げて、「申し訳ありません」では?)
(この人、笑ってごまかせばいいと思ってるの?)などと、内心穏やかではいられないかも知れません。

しかし、この店員さんの誤った対応は、お客様のクレームに対して過剰なストレス(不安)を感じてしまい、それを早く解消するため(安心するため)に出た 無意識の反応なんです。

とはいえこのままでは、この店員さんは お客様の感情を逆なでして怒らせ、私の母と同様に、事態を悪化させてしまうことでしょう。

では、このような場合、どうすればいいのか?
それは…
 

 良い親子関係を作る方法


不登校 親子関係 改善方法

 
◆ 親御さんご自身が、素直な「喜怒哀楽」の感情を知ることです。

まずは、ご自身の感情を疑い、「なぜ、私はイラついてるの?」「私は、何が不安なの?」「なぜ、作り笑いしてるの?」ってね。オススメは、日記でもメモでも、紙に書き出してみることです。
 
もちろん、親御さんの中には、「そんなことしてないけどな…」と、心当たりがない方もいるかも知れません。
 
ただこのような反応は、無意識に行っているので、無自覚かも知れません。
 
でも、もしあの時「なんであの人は、あんなに怒ったのかな?」とか、「そういえば、相手が引きつった顔をしていたな~」、「なぜか、悲しそうにしてたな…」というシチュエーションがある場合は、 不適切な感情表現だったかも知れないのです。
 
ですので、まずは、ご自身の本当の感情(気持ち)を知ることが大切です。
 
そして、 本当に辛い時は 無理して笑顔を作ったり、笑い飛ばしたりせず、「今、○○で辛いから話を聞いて欲しい」と、ご主人や友人に頼んだり、一人の場合は、紙に書いたり、思いっきり泣いてみて下さいね。
 
その後、少し落ち着いてからでいいので、自然な笑顔だった自分を思い出してみる。
 
きっと「不安」や「恐怖」に押しつぶされ、それを隠そうと無理して頑張っていた自分に 気づくのではないでしょうか。
 
そして最後は、ご自身の意思で 涙を止めてくださいね。

こうすることが、親御さん自身の気持ちを大切にすることです。
 
加えて、人間が人間らしく感情を表現することは、お子さん(他者)との共感を生み、心を成長させ、表現力を豊かにする 一番の近道になりますよ。
 
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、笑顔や笑いは万能薬。でも、正しく使わないと悪影響がある。
2、人は、不安が強いと笑うことがある。
3、笑うのは、早く不安解消し、安心したいから。
4、自分の感情を知って、素直に表現する。

 
 

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