子どもの気持ちがわかるコツ
中学生のお子さんが不登校になると、親御さんから「子どもの気持ちが わからない」と、ご相談を受けることが多くあります。
そこで、不登校のお子さんの気持ちに寄り添い、見守るために、
「子どもの気持ちがわからない理由」と、
「子どもの気持ちがわかるコツ」をお伝えします。
目次
1.子どもの気持ちがわからない理由
2.人の気持ちを考え過ぎると、脳は暴走する
3.子どもの気持ちがわかるコツ
4.わからないからこそ、真剣に聞く
子どもの気持ちがわからない理由
多くの親御さんは、不登校 や 引きこもっている お子さんの言動に困ってしまい、「子どもの気持ちが わからない」という悩みを抱えています。
そのため、はれ物に触るような接し方や、親御さん自身が 不安をを溜め込んでしまい、一気に爆発して、ケンカになってしまうこともしばしば。
しかし、これは、誰が悪い訳でもないのです。
なぜなら、親御さんとお子さんの「個性の違い」や「経験値の違い」によって、「気持ちのすれ違い」が、起きているからです。
不登校 や 引きこもりのお子さんの特徴は、繊細で感受性が高く、親御さんの気持ちや、周囲の状況や雰囲気を 敏感に感じ取ります。
そして、親御さん想いや 友達想いの子が多いため、「親や友達を、傷つけたくない」と、今まで我慢をして頑張って来たのです。
もちろん、親御さんとしては 人生経験がありますので、
「不登校になるまで我慢するくらいなら、相談して欲しかった」
「親としては、相談してくれない方が、寂しい」
こう思うかもしれません。
でも、子どもは、まだ人生経験が浅く、語彙も未熟なため、自分の気持ちを言葉で表現することが、上手にできません。
そのため 言葉が足りなかったり、無意識に本音の気持ちを隠してしまう場合があるのです。
人の気持ちを考え過ぎると、脳は暴走する
もう一つの理由として、多いのは…
子どもに対して、「人の気持ちを考えなさい」という「教育の影響」です。
もちろん、これは、他社との調和の中で 主体性を発揮して生きていくために、必要なこと。
また、相手の意見を尊重したり、マナーを守る必要はあります。
ただ 人の気持ちを考え過ぎてしまうと、意識し過ぎて緊張します。
すると、緊張した脳は、暴走を始めて過活動状態になり、適切な思考ができなくなるのです。
こうなると…
「こんなこと言ったら、変に思われるかな?」
「こういったら、傷つくかな?」
「ちゃんとした文章で言わないと、怒られるかな?」等
「どう言おう。なんて伝えよう」と、考えている間に 時間とエネルギーを使ってしまいます。そして…
「私は、こんなに考えてるのに、なんでわかってくれないの!」
などと思ってイライラして来て、結局、自分の気持ちを上手く表現できません。
すると、本音の気持ちを話す前に、相手が早とちりをして、誤解を招く。
あるいは、相手と意見が対立した場合、対立を恐れたり、自分が引くことを覚えたりして、自分の気持ちを言えなくなってしまう。
このようにして、人の気持ちを考え過ぎてしまうと、緊張した脳の暴走により、本音の気持ちを押し殺す、という結果を招くのです。
では、どうすれば、お子さんの隠れた気持ちを、理解できるのか?
子どもの気持ちがわかるコツ
それは、「(自分以外の)人の気持ちは、わからない」と知ることです。
「えっ、何それ?矛盾してない?」と思われるかも知れませんね。
しかし人間は、一人ひとり違う感覚、個性を持っているのです。
例えば、「月」を想像して下さい。
あなたは、どんな月を想像しましたか?
三日月・満月・新月…
さまざまな月を想像したのではないでしょうか?
そして、同じ質問をお子さんにすると…
想像した月は、あなたと同じかも知れませんし、全く違う月かも知れません。
また、あなたとお子さんが 同じリンゴを食べたとして、その感想をお聞きしたとします。
あなたは「甘い」と感じ、お子さんは「酸っぱい」と感じた。
これは、一人ひとりの感じ方(味覚)の違いであり、個性ですよね。
同時に、その日の体調・本人の好み・空腹に食べた・満腹だった 等、さまざまな状況の影響も受けて、感じるものです。
ということは、親子や夫婦、心理学者やお医者さんだとしても、自分以外の人間の気持ちを、100%理解することはできないのです。
それほど人間とは、一人ひとりが個性的で、不可思議な存在。
ですので、もし親御さんが今までの子育てに、つまずきや 自己嫌悪を感じていたとしても、無理はありません。
むしろ、「うちの子のことは、私が一番わかってる!」と思うのは、いささか傲慢なのかも知れない、と思うほどです。
わからないからこそ、真剣に聞く
いかがでしたか?
「人の気持ちは、わからない」
これを知っていれば、「人の気持ちは、わからないのだから、もっと真剣に話を聞こう」とするのではないでしょうか?
すると…
・親御さんの話を一方的にする。
・最後まで話を聞かずに、お子さんの考えを決めつける。
・親御さんや世間の考えを、押し付ける。
このようなことが、日常から減っていきます。
そして、お子さんを、自分(親御さん)とは違う、一人の人間として尊重しながら話を聞くことで、お子さんの本音を引き出すことができるのです。
その結果、誤解が解け、お互いの気持ちのすれ違いが、元に戻ります。
とはいえ、お子さんの話を聞くことは、なかなか難しいもの。
やってみると分ると思いますが、言葉を探しながら話すので、時間がかかったり、イライラしたりと、親御さんに、忍耐力が必要かも知れません。
でも、諦めずに根気よく 聞いてあげて下さいね。
最初は上手くいかなくても、慣れてくれば、お子さんは、自分の気持ちを話してくれるようになって来ますよ。
もちろん、他にも「子どもの本音を引き出す方法」はありますが、親御さんは、今できることから、始めていくことが大切です。
そして、不登校・引きこもりを改善し、可能性に満ちた素晴らしい未来を、手にしていきましょうね。
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、本音の気持ちは、隠されている。
2、人の気持ちを考え過ぎると、脳は暴走する。
3、相手の気持ちは分らない、と肝に銘じる。
4、分からないからこそ、話を真剣に聞く。