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【不登校】子どもの要求 どこまで応える?


不登校 子どもの要求 希望
 

不登校のお子さんが、少し落ち着いて来ると、「あれが食べたい」「これが欲しい」といった要求や希望をして来ることがあります。
 
でも、親御さんとしては、「与え過ぎて、過保護にならない?」「こんなこと思っちゃいけないのかも知れないけど…、学校も行ってないのに?」と、モヤモヤするかも知れませんね。
 
そこで今回は、「不登校の子どもの要求に、どこまで応えるのか?」をお伝えしたいと思います。
 

目次
1.元気と自信を取り戻す第2ステップ
2.「これが食べたい」「あれが欲しい」は、健全な欲求
3.わがままを聞いては、自立できないのでは?
4.無条件の愛を子どもに伝え続ける

 


 元気と自信を取り戻す 第2ステップ


 
親御さんが、学校を休んでいいことを認めると、「毎朝の今日学校へ行く・行かない」の葛藤が減り、お子さんは、落ち着きを取り戻しはじめます。
 
これは、今まで心をすり減らして頑張って行っていた学校と距離を取ることで、心の安心が得られるからです。
 
ですので、この状態は、学校を休んでいることで安定し、「心に少し余裕が生まれた」ということですね。
 
そして、この「心に少し余裕が生まれた状態」は、お子さんの元気と自信を取り戻す「第2のステップ!」(因みに、第1ステップは、学校を休んでいいと、親御さんが認めること。)

でも、この第2ステップは、親御さんにとっては、困惑することが多いものなんです。
 
なぜなら、冒頭でもお伝えしたように、「あれが食べたい」「こうして欲しい」「○○を買って」と、さまざまな要求や希望を お子さんがしてくる場合が多いからです。
 
例えば、私が以前ご相談を受けたBさん(中2)の例で、考えていきたいと思います。
 

【中学2年のBさんの例:相談者は、Bさんのお母様】
 
Bさんの不登校期間は、約一年。お休みした当初は、頭痛・腹痛・蕁麻疹などの体調不良が続いたそうですが、この頃には、学校をお休みすることで 安定した状態になっていました。
 
とはいえ、人の目を過剰に気にしていたBさんは、外出することが殆どありません。

そんなある日、Bさんが「ネットで見つけた GUのパジャマが欲しいんだけどね、実際に肌触りを確かめたいの。それと、ケーキも食べたいな♪」と、お母様にお願いしたそうです。
 
お母様は、「このまま娘が引きこもってしまったら、どうしよう?」と心配していたので、「少しでも外へ出る気になれたら」と思い、Bさんの要望を叶えてあげたのだとか。
 
でも、この出来事をご主人様に話すと…
 
「なんで、何も頑張ってないのに ケーキとか買うの?
 ママが子どものわがままな要求に応えて甘やかすから、ダメなんじゃないの?」と、非難されたそうです。

Bさんのお母様は、もう何が正しい対応なのか?
美味しそうにケーキを食べている娘を見て、「それだけでいい」と思うのは、私の自己満足?
それとも、娘のわがままを聞いてしまっているだけ?
母親の私は、娘の要求や希望に、どこまで応えればいいの?


このようにお悩みでした。
 


 「これが食べたい」「あれが欲しい」は、健全な欲求


不登校 子どもの要求 親の対応

 
例のBさんのご家庭のように、 子どもの言動に対して、子どもの「要求」「希望」「わがまま」「甘え」と、ご夫婦で捉え方が違ってしまうと、不登校のお子さんへの対応を理解して貰うのは、なかなか難しいですね。
 
というのも、「これが食べたい」「あれが欲しい」という欲求は、「健全な欲求」だからです。
 
もしこれらの欲求が無ければ、人は何もしようとは、思わないでしょう。
 
特に、 「食」に対する欲求は、人間の「生きる喜び」に繋がる根源的な欲求の1つです。

もしそれが叶えられなければ、気持ちの抑圧になり、次第に自分で何かを感じることも、考えることもやめてしまい、無気力になります。
 
これは、親御さんにとっては、耳の痛い話しかも知れませんが…
 
例えば、「今晩、何が食べたい?」と親が子どもに聞いても、「なんでもいい」と答える場合がありますよね。これは、幼少期から今日に至るまでの経験を元に、子どもは「なんでもいい」と答えているんです。
 
なぜなら、「○○が食べたい」と自分の欲求・希望を伝えても、それが聞き入れられた経験よりも、親に嫌な顔をされたり、健康や親の都合を理由に 別の物にすり替えられたりして、希望が叶わなかった経験の方が、遥かに多いためです。
 
この現象は、聞き分けのいい「いい子」ほど、多い傾向にあります。
 
理由は、その場の空気を読んで 相手を優先し、自分の気持ちを押し殺す(抑圧する)癖が付いているため、「どうせ、伝えても聞いてくれない」と、自分の素直な欲求を伝えることを、諦めてしまっているんです。
 
こうなると不登校の場合、自分の気持ち、欲求、希望、「どうしたいのか?」といった意思を、他者に伝えらないので、今より更に改善が難しくなります。

加えて、まだ経済力のない中学生という年齢を考えると、限度はあると思いますが…
 
親御さんが、経済的な支援をする必要があり、 一概にはいえませんが、何でも「わがまま」と捉えたり、「何も頑張ってないのに」「学校も行ってないのに」と、賞罰的な条件を付けるは、間違いです。
 
なぜなら、Bさんは、親御さんが叶えられそうなものしか、要求していないからです。
 
もしこれが、とんでもない金額の物を要求したり、明らかに叶えるのが困難なことを要求するなら、それは、「親を困らせたいとか、反応を試すためだけに言っている」と考えらます。
 
でも、今回は、そうではありません。

また、 そもそも子どもは、自立をするために、「甘え」と「わがまま」を繰り返すものです。
 
甘えは、「自分の欲求を親が叶えてくれるか?」と、依存すること。
わがままは、反抗で、「わがままを言っても、親は受け止めてくれるのか?(壁になってくれるのか?)」という言動(依存と反抗)を繰り返して、自己を形成していきます。
 
そして、こ の言動を繰り返しながら、それでも(いいも悪いも)全てを受け入れて貰うことで、「自分は、親に愛されているんだ」「信頼されているんだ」と確信し、自己肯定感を高めたり、自信を持ちます。そして、これらが自立を促す力になるのです。

ですのでBさんの場合は、 「条件付きの愛や承認ではなく、無条件の愛や承認を求めている」というのが、本音の気持ち。
 
つまり、無条件の愛や承認を満たしてあげれば、不登校の改善が進みますので、親御さんは、できる範囲で、お子さんの要望を叶えてあげるといいですね。
 

 わがままを聞いては、自立できないのでは?


不登校 わがまま 過保護 自立

 
とはいえ、親御さんの多くが、「わがままを全て聞き入れては、過保護になり、自立できないのでは?」と考えると思います。
 
しかし、過保護にして、自立できないという事例はありません。
 
人は、人に優しくされれば、優しくできる人になるように、 自分の要望が叶えられれば、自分ばかり願いを叶えて貰って申し訳ないと思うので、「他者の要望も叶えたい」「恩返ししたい」「人の役に立ちたい」と思うようになって、結果的に社会貢献に繋がります。
 
すると、 この社会貢献が、他者との調和の中で、主体性を発揮して生きていくことになり、自立することになるのです。

また、Bさんのご家庭では、ご主人様の理解が得られていないようでしたので、下記のお話もさせて頂きました。
 
子どもは幼少期からずっと、「親」という「人生の見本」を見て育ちます。
 
そのため 「育てたように、子は育つ」「子どもは親の言う通りではなく、している通りに育つ」などと表現され、心理学では 「※世代間連鎖」といわれます。
(※世代間連鎖とは、生き方、子育て方法、教育方針など、親から子どもへ、子どもから孫へと、様々な影響が親子間で連鎖していく仕組みのこと。)
 
今回のご主人様のように、「何かを頑張れたらケーキをあげる」という考え方は、 「条件付きの愛」ですね。そして、今までずっとこの考え方で Bさんと接して来てしまった。(常にBさんを条件付きの愛で試して来た。)
 
故に今度は、Bさんが、ご両親の愛を試している。それにご主人は、どう応えますか?

その際、今までの接し方をお聞きしたり、ご夫婦での対話を交え、甘え・わがまま・要求・愛情の欲求・希望 等の捉え方の見直し、不登校改善に向けた親の対応のすり合わせ等、多くの話し合いをさせて頂きました。
 
その結果、「無条件に娘を愛し、できる限りの協力をする」と、ご両親様に決意を固めて貰いました。

ただ、こうなると疑問になるのが、「無条件ということは、親として何でも許可し、放任にすればいいのか?」という点ですが、そうではありません。
 
親御さんは放任ではなく、親として言うべきことを伝えた上で、お子さんが転んだ時にサポートする体制を整えておくことが重要になります。
 
例えば、命に関わるような危険なことや犯罪、本人の成長を妨げるような行動については、叱る。
また、勉強のための教材、塾に通う費用、送り迎え等、援助できることは、事前に伝えておくなどです。
 

 無条件の愛を 子どもに伝え続ける


不登校 愛 褒め続ける

 
最後に、無条件の愛を お子さんに伝える方法をお伝えします。
 
親御さんは、「あなた(子)が何をしても、どんなあなたでも、パパもママも あなたのことが大好きだよ」「ありのままのあなたを、認めているよ」というメッセージを、日々、繰り返し繰り返し、伝え続けて下さいね。
 
そして、どんなことでもいいので、お子さんの良さ(性格・才能・能力 等)を、具体的に褒めてあげること。
 
こうすることでお子さんは、親御さんの愛を感じたり、自己肯定感や自信を得られるようになるので、不登校の改善が進みます。
 
ポイントは、親御さんが、日々繰り返し繰り返し、伝え続けること。なぜなら、自己肯定感や自信は、一朝一夕には得られないからですね。
 
もちろん、毎日のこととなると大変だと思いますが、段々と慣れていきますので、今は不登校の改善を信じて、伝え続けてあげてください。
 
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、子どもの要求は、第2ステップ と捉える。
2、「これが食べたい・あれが欲しい」は、健全な欲求。
3、子どもは自立をするために、甘えとわがまま を繰り返す。
4、無条件の愛を、子どもに繰り返し伝え続ける。

 
 

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