不登校と向き合う 親御様のケア
 

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幸福感を上げる方法


不登校 親 幸福感
 

お子さんの不登校は、親御さんにとってショックですよね。
そして、ショックのあまり…
 
「なんで、こんなことに…(涙)」
「子どものためを思ってやって来たのに…、なんで私だけが、こんな辛い目に合わないといけないの?」
 
人は誰しも、幸せになるために生きているのに、これでは、幸せを感じられなくなってしまいます。
 
そこで今回は、今までの親御さんの幸せを取り戻し、
更に「より多くの幸せを感じやすくなる方法」をお伝えします。
 

目次
1.知って欲しい 不登校の現状
2.心に空白のスペースを作る
3.「感謝」を書き出すと、幸福感が上がる
4.感謝を習慣付ける時の注意点

 


 知って欲しい 不登校の現状


 
冒頭でもお伝えしましたが、お子さんの不登校は、親御さんにとって、大変ショックが大きいと思います。
 
しかし、文部科学省が2020年10月に公表した問題行動・不登校調査によると、2019年度に不登校が理由で小中学校を30日以上欠席した児童生徒は、18万1272人で、過去最多を更新。
増加は7年連続で、約10万人が90日以上欠席しています。
 
内訳は、小学校が 5万3350人。
中学校が 12万7922人。
学年が上がるごとに人数が増え、中3は4万8271人。
全体の児童生徒に占める割合は、小学校で0.8%、中学校で3.9%。
 
高校は 5万100人で、前年度を下回っていますが、横ばいが続いている状態で、今や不登校は、珍しい現象ではありません。
 
とはいえ、どこか他人事のように感じていた不登校が、いざ、ご自身のお子さんに起きると、「子どもは学校へ行くのが、当たり前」という日常が当たり前ではなくなり、一変します。
 
すると親御さんの多くが、強いストレスを抱え、どうしていいか分からなくなったり、ショックで寝込んでしまったりと、今までの幸せを感じられなくなるのです。
 
これでは、お子さんを見守っている親御さんの方が、先にダウンしてしまい、辛いですよね。
 
そこでここでは、親御さんのストレスを軽減し、今までのような「幸せな感情を取り戻すための方法」を、お伝えしますので、安心して下さいね。
 


 心に空白のスペースを作る


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お子さんが不登校になると、まず親御さんの多くは、お子さん本人に「不登校理由」を聞くのではないでしょうか?
 
ところが不登校とは不思議なもので、明らかないじめ以外、お子さんに理由を聞いても分からないことが、殆どなんです。
 
この原因が特定できないことで、親御さんは、更にストレスを感じてしまい、イライラするのですが…
 
実は、お子さんが理由を話せるようになるには、ある程度の時間が必要です。

というのも、 人間には「自分の成長のタイミング」というものがあります。
 
そのため、お子さんの中で、心理的安全・安心が確保され、十分な休養 と 人生に立ち向かえる準備が整って来て始めて、気持ちの整理がつくようになります。
 
すると次第に、ぽつりぽつりと理由を話せるようになるのです。

ですので、親御さんとしては、「早く何とかしたい!」と焦るかも知れませんが…
 
少しの間、「あれが原因かしら?」「これのせいで、不登校になったのかな?」と、 せわしなく原因をあれこれ考えるのを 意識的に一時止めて、深呼吸し、心に空白のスペース(余裕)を作るように心がけてみて下さい。
 
仕事・家事・育児・人間関係と忙しい毎日の中で、一日の少しの時間、「心に空白のスペース(余裕)」を作ることで、親御さんの心配や不安で ざわついた心を落ち着かせ、再び「幸せ」を感じられる準備が整います。
 

 「感謝」を書き出すと、幸福感が上がる


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さて、上記の「心に空白のスペースを作ること」は、実は結構難しいものです。
なぜなら、 「人は考える生き物」だからですね。
 
そのため、 何か考えるのを止めようと 必死になればなるほど、「次から次へと、考えや感情、音や感覚などが 現れては、消える」の繰り返しを行います。
 
これは、瞑想(マインドフルネス)を一度やってみると、実感できると思いますが、改めて瞑想をしなくても、自分の心に耳を傾けたり、思考(考え)を振り返ってみると、分かると思います。
 
私達は、常に未来を追い求め、やるべきことや時間に流され、過去の記憶や不安に囚われるなど、目まぐるしい状態で、頭をいっぱいにしてしまいます。
 
でも、これらの考えや感情を、全て消し去ることは不可能です。
 
ですので、 「考えや感情が現れては、消えるもの」と、ただ眺めておいて下さいね。
 
そして深呼吸し、少し心や考えが落ち着いて来て、「心の空白ができたな」と思ったら、「感謝」や「今日あったいいこと」「上手くいっていること」を3つ、書き出してみて下さい。
 
感謝の対象は、人でも、物でも、行為でも、思いついたこと、何でも構いません。
 
むしろ、推測したり、分析や批判をせずに、「自分にとって、いいもの」を、素直に書き出すことが大切です。
 
この方法は、 「感謝の日記」などとして、既に知っておられる方も多いと思います。
 
それもそのはず、 「感謝しやすい人は、幸福度が高い」ということが、脳科学の研究で立証されているからなんです。
 
例えば、筑波大学人間系教授の相川 充さんや、脳科学が専門の細田千尋さんによると、感謝しやすい人(特性感謝の高い人)は…
 
1,ストレス反応が起こりにくく、うつっぽくならない。
2,充実感を得やすい
3,主観的幸福感が高い
4,自分はほかの人から助けてもらえるという考え方を持つ
5,楽観的である
 
ということが示され、well-being(主観的幸福度)が高いことが、多くの研究から示されているといいます。
 
この「感謝をするようになれば、well-beingが高くなるのか?」という因果関係を調べた有名な実験があります。その実験では…
 
1,一日の中で感謝したことを5つ記録する人達。
2,面倒だったことを5つ記録する人達。
3,他者よりも自分が優れている点を5つ記録する人達。
 
これらの3つに分けて、気分、体調、運動時間、well-being、カフェインとアルコールの摂取量、睡眠時間と質、向社会的行動(人のため、社会のために無私の心で行う行為)が、その3つの群でどのように異なったかを調べました。
 
その結果、感謝を5つ数えることが、ポジティブ気分 や 人生に対する肯定的な評価の向上。
運動時間の長さ、体調不良(病院にかかる回数)や ネガテイブな感情の想起の少なさにつながり、well-being(主観的幸福度)が向上したことを明らかにしました。
 
これは、感謝しやすい人は、他人(自分以外の全ての人)から何か良いことをしてもらうと、そのことについて、「自分のためにこんなことをしてくれた!」と、特別にその行為に価値を高く持ち、思い込みやすい特徴があることが挙げられています(これをスキーマバイアスと言います)。
 
その結果、状況を肯定的に解釈して感謝するので、well-beingにつながるそうです。
 
また、別の研究からは、感謝をし幸福度が上がることで、作業効率や生産性が上がる可能性も示されています。
 
感謝を数え挙げてもらう期間は、1週間でも効果がみられ、毎日感謝を書き出すほうが効果がより高いものの、週末だけの週1回を10週間続けても効果が見られるので、感謝の数や回数は、続けやすい方法で行うといいのだとか。
 
実際、3週間欠かさず、自分が感謝していることを毎日日記につけてもらい「感謝の習慣」をつけると、人は他者により協力的になり、「人間関係を良好にする」という結果が出ています。
 
面白いことに「感謝」と「利他的行動」は、どちらも、「脳の中の報酬系」といわれる経路と密接に関係する部位(前頭前皮質腹内側部)の活動と関連しており、毎日感謝日記をつけ、感謝が習慣付くと、脳のこの部位の活動も上がることが明らかになっているのです。
 
つまり、「感謝」が習慣付くことで、ストレスでいっぱいになった親御さんの脳が変化して、今までの幸せを取り戻せたり、更に、より多くの幸せを感じやすい脳に変わるのです。
 

 感謝を習慣付ける時の注意点


不登校 感謝 習慣づけ

このように、感謝をする習慣をつけることで、主観的幸福度が上がることが科学的に立証されているのですが、これらはアメリカなどの海外の研究報告です。
 
そのため、日本人にとっては、注意して欲しい点が3つあります。

1,「申し訳ない」と思わない


日本人は感謝のことを思い浮かべると、相手に対して「申し訳ない」とか、「あの人に悪かったな」と思ってしまうので、その出来事で「自分がどんなに良かったか」という「利益」に意識を向けて下さい。
 
「相手に悪かったな」ということを同時に思ってしまうと、感謝をいくら思い浮かべても、well-being(主観的幸福度)につながりにくくなります。
 
「あのことで、自分は 今、こんなに良くなった」とか、「お陰で、自分は今こんなに幸せなんだ」と、良い状態になった結果を強調して、思って下さいね。
 


2,人間関係を良くするためには、感謝の気持ちを相手に伝える


感謝の気持ちは伝えないと、対人的な効果は生まれません。
恥ずかしがらずに、「ありがとう」を言葉にして下さいね。
 
もし言いずらい場合は、手紙やメールで書いて出すなど、相手に伝えることが大事です。
 


3,感謝されることをする


ここまで、「感謝すること」にフォーカスして来ましたが、感謝すると借りを作ったような「負債感情」も高まって、人によっては「自尊心」が下がってしまうかも知れません。
 
実はこれ、「恩着せがましい親」に育てられた方は、特に感じやすい傾向があります。
でも、感謝される側は、そういう心配がありません。
 
ですので、あなたから感謝されることをして、もし相手に「ありがとう」と言われたら、素直にそれを受け取る、というお互いの自然なやり取りを心がけて下さいね。 
 
また、あなたを利用しようとする「ずるい人」には、親切にする必要はありませんので、この点も注意して下さいね。
 

いかがでしたか?
不登校は、親御さんにとっても ストレスが多く、ついついマイナス面ばかりに、意識が向かいがちです。

すると、心が落ち着かず、一日の終わりに「ダメ出しばかり」なんてことも…。
 
こんなネガティブな日常を、幸せな毎日に変えるために、「感謝し、感謝される習慣」を、身に付けていきましょう!
 
そして、今まで以上に、幸せになって下さいね!
 
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、不登校で悩んでいるのは、あなただけではありません。
2、深呼吸し、心に空白のスペースを作る。
3、感謝を3つ書き出す。
4、申し訳ないと思わない。
  感謝の気持ちを伝える。
  感謝されることをする。

 
 

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