「良い子」をやめて、
新しい人間関係を 構築する方法
引きこもりになる 女の子の特徴は、元々とても優しく、優秀で、「良い子」が多いんです。
そのため、突然 引きこもってしまった我が子を、「受け入れられない」「どう接していいか分からない」親御さん。
また、子どもご本人も、「自分でも、私どうしちゃったのか 分からない」と、ご相談を多く受けます。
そこで今回は、
「なぜ、良い子が 引きこもりになるのか?」その理由と、
「良い子をやめて、新しい人間関係を 構築する方法」をお伝えします。
目次
1.良い子の「メリット」と「デメリット」
2.信頼を築くのに、良い子が通用しない理由
3.なぜ、良い子が引きこもるのか?
4.新しい人間関係を構築する方法
良い子の「メリット」と「デメリット」
冒頭でもお伝えしましたが、女の子が 引きこもりになる場合、特徴の一つに、「良い子」があげられます。
でも、なぜ、「良い子」なのに、学校 や 仕事へ 行けなくなるのでしょうか?
極論ではありますが、それを分かり易く知るために、良い子の「メリット」と「デメリット」から、考えていきたいと思います。
まずは、一般的な「良い子のメリット」です。
【良い子のメリット】
・教師の指導を守り、評価を得ることができる。
・教師の期待に応え、頑張ることで、評価を得る。
・親のいいつけや躾を守り、親の評価を得られる。
・親の期待に応え、頑張ることで、愛される。
・教師や親の指示に従順なため、本人の葛藤は少なくて済む。
・周囲の人に合わせているため、一定の評価は得やすい。 等々…
いかがですか?
これは、良い子のメリットの一部です。
良い子でいることのメリットは、子どもにとって、とても大きく、
「生きていくための戦術」と言っても、過言ではありません。
次に、「良い子のデメリット」。
【良い子のデメリット】
・良い部分だけでは、上辺だけの人間関係しか築けない。
・葛藤 や 変化に対するストレスを、一人で抱え込んでしまう。
・プライドが高くなり過ぎたり、柔軟性に欠ける。
・自分で考え、決断することが、苦手。
・本当の自分を表現できない。
・年齢が上がるにつれ、同年代と話が合わなくなり、避けられる。 等々…
これも、良い子のデメリットの一部となります。
デメリットですから、当然 子どもにとって、困ったことが多いですよね。
信頼を築くのに、良い子が 通用しない理由
さて、良い子の「メリット」と「デメリット」を見比べてみて、親御さんは、あることにお気づきかと思います。
それは、子どものメリットもさることながら、子どもが「良い子」でいてくれると、教師や親御さんにとっては、期待に応え、理想的に頑張る子。
つまり、大人にとって扱いやすく、とても都合がいいんです。
一方、デメリットでは、同年代や将来のことを考えると…
「クセ者」ということになりますね。
なぜなら、人間は、良い部分・悪い部分・グレーな部分等、あらゆる側面が含まれた存在です。
それらを全て知ることは不可能でも、
ある程度、それらを認め合えた時、人は、相手との信頼関係が築けるからです。
しかし、良い子の場合は、どうでしょうか?
良い部分のみが 前面に出てしまいます。
すると、「ステレオタイプ」とレッテルを貼られ、信用度はイマイチ。
いつも周囲に合わせたり、正論ばかりでは、本当の信頼関係が築けずに、孤立している場合もあるんです。
いかがでしょうか?
ここまで読んで、「良い子で、何が悪いのよ!」と思われる親御さんは、多いかと思います。
しかし、これを、あなたの現実の人間関係に、当てはめてみて下さい。
耳障りのいい事ばかり話す人を、あなたは、本気で信用していますか?
おそらく、答えは「NO」で、「友達」ではなく、
表面上の「知り合い」といった関係性ではないでしょうか?
また、職場においても、偏った考えの人に 意見を求めたり、
大事な仕事を 任せられますか?
なぜ、良い子が 引きこもるのか?
そして何より、良い子は、「他人の評価」を得ることに、
集中し過ぎる「考え方の癖」が付きます。
そのため、親御さんの思う評価が得られた時は、良いのですが…
年齢と共に、課題自体が難しくなります。
すると、その課題をクリアできずに、親御さんの期待に応えられない。
学校や職場での評価も得られない事態に遭遇した時、そのショックは想像以上に大きいんです。
加えて、周囲に合わせてばかりでは、本人が疲れてしまいます。
そして、心が動かなくなり、自分の本当の気持ち や したいことが、分からなくなってしまうんです。
これは、将来の進路決定、友達関係、男女交際、職場での人間関係 等、何らかのきっかけにより、起こるのですが…
一般的に、人が不安 や 困難に遭遇した時に取る 解決策は、主に3つ。
1、(不安や困難の)はけ口を求め、矛先を他人に向ける。
2、自分で、折り合いをつけようとする。
3、原因を調べたり、他者に相談しつつ、自ら立ち向かう。
1を選択すれば、「いじめ」「パワハラ」となります。
でも、不登校 や 引きこもりの子どもの多くは、辛さや、人の痛みが分かるが故に、2を選択することが多いんです。
そのため、今までの自分を保つことが難しくなって、無理やり心のバランスを取ろうとします。
でも、無理やりになんとかしようとするので…
体調を崩したり、今までとは真逆の行動を取って、不登校・引きこもり・暴力・犯罪・自傷行為 等の現象で、「SOS」を出すんです。
但しこれは、本人としても、かなりの混乱状態。
そのため、引きこもっている理由を聞いても、答えられませんし、暴力や自傷行為等を、本当はやりたくないのに、やってしまうんです。
では、このような場合、どうすればいいのでしょうか?
新しい人間関係を 構築する方法
まずは、親御さんが、
「今まで、ごめん。もう 良い子をやめていい」と、伝えてあげることです。
親御さんの中には、
「今までだって、子どもの我儘や希望は、叶えて来た。
それに、私は、ただ 子どものためを思って、
子育てを一生懸命 頑張って来ただけ。
何も悪いことをしてないのに、
なぜ、私が謝らなければならないの?」
こう思うかも知れません。
確かに、今までの子どもへの接し方は、親御さんの愛情です。
また、先述した通り、「良い子」でいることは、子ども自身にも多くのメリットがあったから、そう生きて来たのです。
しかし、子どもは成長します。
成長すれば、自我が芽生え、子ども自身の考えで、生きる必要が出て来るため、親御さんの「良かれと思って」が、重い足かせになることもあるんです。
また、いくら子どもの我儘 や 希望を叶えて来た とはいえ、
親御さんは、十分過ぎる程の「子どもからの恩恵」を、既に、受け取って来たのではないでしょうか?
人と人は、親子であっても、対等な関係です。
この家庭から学ぶコミュニケーションを土台に、子どもは、社会での新しい人間関係を構築していきます。
そのために 親御さんは、ご家庭で「なんでも話せる環境作り」をお願いします。
もちろん、お子さんは、急に「今までの生き方を 変えていい」と言われるのですから、混乱したり、反抗することもあります。
しかし、その混乱 や 反抗する感情を、親御さんが受け止めることで、
子どもは、良い子の殻を破り、「本当の自分」を 見つけることができるんです。
そして、自分らしく生きる喜びを取り戻し、引きこもりを 改善していきましょう!
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、良い子のメリット・デメリットを考えてみる。
2、人は、良い面だけでは、信用されない。
3、「他人の評価」を気にし過ぎては、心のバランスが崩れる。
4、「良い子をやめていい」と伝え、なんでも話せる環境作りをする。