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引きこもりから、将来への不安を 軽減する方法


引きこもり 将来 不安 軽減

 
お子さんが、引きこもり中の現在は、先行きの見えない将来に、ご本人も 親御さんも、不安で仕方ないかも知れません。
 
しかし、明けない夜がないように、必ず希望の光は見えてきます。
 
とはいえ、やみくもに動いても、心をすり減らし、多くの時間・エネルギー・お金 がかかってしまいます。
 
そこで、引きこもり改善における「時間・労力・お金を 有益に使うためのコツ」を知って欲しいと思います。
 
ここでは、私の姉の経験を交えて、
 
「引きこもりから抜け出す 難所」と
「将来への不安を 軽減する方法」を お伝えします。
 

目次
1.引きこもりから抜け出す難所
2.進路が決まらない、主な3つの理由
3.引きこもりの不安を軽減する方法

 


 引きこもりから抜け出す 難所


 
私の姉は 不登校を繰り返し、なんとか就職したものの、一年で退職。
 
その後、姉は 沢山の遠回りをし過ぎてしまったが故に、心をすり減らし、うつ病を患い、自ら命を絶ちました。
 
あなた や あなたのご家族には、こんな辛い経験をして欲しくありません。
 
また、この経験から学んだことは…
 
「引きこもりから抜け出す 難所」を事前に知っておけば、病気や最悪の事態も、防ぐことができた、ということです。
 
ですので、まずは、引きこもりから抜け出す「難所」を お伝えしたいと思います。

では早速、その難所とは…
 
  “ 目的設定(進路・生き方の選択) です。”

なぜなら、引きこもりの方の多くが、
 
・自分は、どうありたいのか?
・将来、何になりたいのか?
・なぜ、○○になりたいのか?
・○○になって、どうしたいのか?
・それは、何(誰)のためか? 等々…
 
このような将来への希望が持てずに、これからの進路 や 生き方 が定まらない傾向が強いからなんです。

人が不安を感じる時、原因を調べたり、不安を解消するための相談ができたり、具体的な行動ができていれば、その不安は、徐々に軽減されます。
 
しかし、誰にも相談もできずに、漠然とした不安のままでは、考えが堂々巡りしてしまい、実際の行動に移れないため、より不安やストレスを 増幅させてしまうんです。

とはいえ、将来の希望が持てない場合の原因は複数あり、複合していることも多いので、私が相談を受ける中で多い、主な理由を3つご説明します。
 


 進路(目的)が決まらない、主な3つの理由


引きこもり 抜け出せない 理由
 
 
生き方の多様性を求められる 社会影響

 
これは、引きこもりの方だけではない、若者に広がる先行きの見えない将来への不安や、不景気、格差社会等の影響です。
 
現代社会は、学歴社会が崩壊し、大手企業でも倒産する時代。
また、ニュースやネットでは、ブラック企業や過労死の問題等が、報道されています。
 
ただその一方で、生き方の多様性や、インターネットの普及により、どんな人も成功するチャンスが増えました。
 
ただ、このように自由度が高ければ、選択肢も増え、「どの選択が、自分の人生に合っているか」を見極める能力 や 技術が、今まで以上に必要とされます。
 

自信が持てない


 
これまでの日本の教育では、一つの正解を出すことばかりが求められたのに、大人になるにつれ、「正解は 一つではない」という現実が突き付けられます。
 
人間は、「こうすれば、私にも○○ができる!」と論理的に考え、手順が分かったり、「勇気を出して行動すると、夢は叶う!」等
 
自分自身の中で 確信が持てた時に、信じる力が発揮され、実際に「○○する」選択や、行動が取れるのです。
 
しかし、理にかなった信念 と 根拠がなければ、確信を持つことも、自分を信じることもできませんから、優柔不断になりがちです。
 
この理にかなった信念 と 根拠について、社会心理学、精神分析、哲学の研究者である エーリッヒ・フロムは、こう述べています。
 

私のいう根拠のない信念とは、
道理にかなわぬ権威への服従にもとづいた、
(ある人物や理念への)信仰のことである。
 
根拠のない信念というのは、ある権威、
あるいは 多数の人々がそう言っているから
というそれだけの理由で、 何かを真理として受け入れることだ。
 
それに対し、理にかなった信念とは、
自分自身の思考 や 感情の経験にもとづいた確信である。
 
理にかなった信念は、大多数の意見とは無関係な、
自分自身の生産的な観察 と 思考にもとづいた、
他のいっさいから独立した確信に根ざしている。

出典:「愛するということ」

これを踏まえて、お子さんの状況に置き換えると…
 
まずは、親の権威。権威というと、ピンと来ないかも知れませんが、「母の幸せのために」等、「親孝行のために ○○しなければいけない」という思いです。
 
次に、多数の人々の意見を受け入れ、大学進学・一流企業への就職 等の、一般的な正しさを求めたい気持ちと、「本当は私、○○になりたい!」という自分自身の気持ちとが、葛藤します。
 
お子さんが他者の評価(親御さんを含む)を気にせず、勇気を出して、「私は、○○になりたい!」という選択ができれば問題ありません。
 
しかし、控えめで謙遜にすることが美徳とされる環境や、親に従う・心配をかけないことが親孝行、という古くからの考え方。
 
女性に特化するなら、学校卒業後の就職や、その後の結婚をする・しない。
出産をする・しない。出産した場合、子育てに専念するか・仕事との両立か? 等々…
 
多くの選択を迫られ、マスコミやネット等の社会影響を、良くも悪くも無意識に受けている状態。
 
加えて、親・兄弟・親戚等のリストラ・借金・離婚・死別。
持病や障害、病気の家族・介護に追われる日々等。
 
過酷な現実を見て育った場合、どう思うでしょうか?

「お母さん・お父さんの苦労を知っているから、
 憧れだった○○はやめて、安定した職に就こう」
 
あるいは、勇気のある強い子でない限り
「親を悲しませるので、親の反対を押し切ってまで、
 自分の夢を追うのは親不孝だ」等
 
こう思うかも知れません。
 
すると、お子さんは、「夢や目的を持たない」という方法を取り、自ら自分のしたいことを、分からなくしてしまいます。
 
その結果、なりたいものが 決まらないんです。
 

優し過ぎて、自分の意思を抑圧して来たこと


 
これは、1・2の理由とも関連していますが、幼少期から現在までのさまざまな環境や影響により、本人の希望よりも、親御さんや教師等、
 
“ 周囲の期待に応えることを 最優先する癖 ” が付いているためです。
 
 
例えば、志望校への親御さんの拘りが強過ぎる場合や、「子どもを、ピアニストにさせたい」等の、親御さんの夢を背負っている場合。
 
または、周囲に 自分の夢や目標を語っても、「そんなの無理に決まってるだろ」と、否定されて育った場合等です。

例えば、私の姉は、とても絵が得意でした。
 
ただ両親は、「絵で食べていけるほど、世の中は甘くない」と、幼少期から言い続けていたんです。
 
これは、よくある話で、親の心配は分かります。
 
しかし、このような状況下では、
子どもは、自分の夢を否定されたことに、とても傷つきます。
 
そして、傷つくことから身を守るために、自己防衛が働き、本音を明かさないことが癖になるんです。
 
すると、大人になるつれ、打算が入り、常に無難な選択をする。
 
その結果、そもそも 本人の個性・資質・才能に合っていない学校 や 就職をして、その後、頑張り切れないのです。

では、このような場合、
親御さんは、どうサポートすればいいのでしょうか?
 


 引きこもりの不安を 軽減する方法


引きこもり 不安 を 軽減する方法
 
 
それは、お子さんの望みを、親御さんが受け入れてあげることです。

これは、お子さんの 「甘えの欲求」と言った方が、分かり易いかも知れませんね。
 
人は、自分の望みが受け入れられ、甘えの欲求が満たされると、「私は一人の人間として、認められている」と感じられるので、「自己受容」や「自己肯定感」が高まります。
 
そして、この自己受容や自己肯定感が、心の土台に出来てから、「本当になりたい自分」を思い描けるんです。

例えば、あなたがお腹が空いて、どうしようもない時に、
 
「のんきに飯を食べている場合じゃない。
 会社の未来のために、いいアイデアを出してくれ!」
 
こう上司に頼まれても、エネルギー不足で、何も考えられないと思いませんか?

これは、今のお子さんと同じです。
 
自分の望みが聞き入れて貰えず、自己肯定感が低い。
 
あるいは、様々な事情 や 親御さんの都合により、
お子さんの望みがすり替えられた等の、甘えの欲求が終わっていない状態を、空腹時だと思って下さい。
 
当然のことながら、「腹が減っては 戦はできぬ」ではないでしょうか?

つまり、空腹時には、何か食べることしか考えられません。
 
しかし、食事をして お腹が満たされると、「次は、これをしよう♪」と思えるように
 
お子さんの望み や 甘えの欲求が満たされ、安心感を得られると、「将来の夢・希望・目的」を考えられるようになるのです。

そして、この望みを叶える経験を 積み重ねることが、とても重要です。

具体的には…
 

・今日の夕食は、何を食べたいか?
・一日を、どう過ごしたいか? 等

 
小さな目標や目的を立てたり、お子さん本人の「オリジナルの時間割表」を作って実行し、日々練習することが大切です。(※但し、目標が達成できなくても、責めない。)
 
小さなステップを達成することで、
 
「自分のやりたいことをやってもいいんだ!」
「私にも、できることがあったんだ!」と、
 
お子さんは、少しずつ自信を持てるようになります。 

もちろん、親御さんの中には、
 
「今までだって、何が食べたい?って聞いて来たし、
 ワガママも許して来た。
 
 でも、いつも『なんでもいい』って答えるし、
 甘やかし過ぎては、自立できない」
 
こう思われる方も多いと思います。

もちろん、子育ては毎日のことで、本当に大変だと思います。
 
ただ、引きこもりを改善したいのであれば、
今までの接し方を、今一度、振り返ってみて下さい。
 
お子さんが希望を伝えた時、そのまま叶えてあげましたか?
 
実は、親御さんの都合のいいように解釈したり、
体に悪い、汚い、危ない 等の理由で、親御さんの「良かれと思って」に、すり替えていませんでしたか?
 
もちろん、子どもは 好奇心のままに、無理難題を言って来る場合もありますよね。
 
それが、物やお金等、物質的なものの場合、限度があります。
 
また、本当に危険なこと や 犯罪なら、やめさせる必要があります。
 
しかし多くの場合、
 
お子さんの感情を受け止めたり、
お子さんが納得できるだけの理由を説明したり、
お互いに歩み寄った 別の選択肢を提案する 等
 
その都度、親子で話し合う時間を取れば、問題ありません。
 
親御さんは、この話し合いの時間を取りましたか? 
また、先回りやお膳立てをし過ぎずに、お子さんを信じて、適切な距離で見守りましたか?

こうした親御さんの接し方を疑って、大変 申し訳ないのですが…
 
これらを日々行い、甘えの欲求が満たされた子どもが、
自立できないという例を、私は見たことがありません。

ですので、安心して、子どもの希望を 最大限に叶えてあげて下さいね。
 
もちろん、今までの考え方の癖で、「何も望まない」「ほっといてくれ」等、予定通りいかないことも、あると思います。
 
そんな時、親御さんは焦らずに、
「そもそも 私と我が子は、別々の人間。
 思い通りにいかなくて、いいんだな」と、割り切ってしまいましょう。
 
但し、「割り切ったから」といって、
お子さんと関わることを、やめてはいけません。
 
お子さんが、安心感 や 希望が持てるまでは、親御さんのサポートをお願いします。
 
 
接し方を変えるのは、親御さんも抵抗があったり、大変に思うかもしれません。
 
しかし、それは最初だけで、徐々に慣れていきますので、小さなステップを実践して、お子さん、親御さん、両者の不安を軽減して下さいね。
 
そして、引きこもりから脱出し、新たな希望を見出していきましょう!
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、目的設定が、引きこもり脱出の難所
2、将来の希望が持てない、お子さんの理由は何でしょう?
3、最大限に、お子さんの望みを受け入れる。

 
 

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