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引きこもりの 要因になる「共依存」の親子関係


引きこもり 親子関係 共依存

 
引きこもり や 不登校の要因の一つに、「共依存」の親子関係があります。
 
しかし、多くの親御さんから、
「親子関係が、どのように子どもへ影響を与え、
 現在に繋がってしまうのか、よく分からない」と、ご質問を受けます。
 
そこでここでは、引きこもりの要因となる
「共依存の親子関係」について、お伝えします。
 

目次
1.共依存とは?
2.子どもの依存は、悪いことなの?
3.親の依存が危険な理由
4.親子関係の改善へ向けて

 


 共依存とは?


 
はじめに、「共依存」とは、自分で自分が認められないために、他者に自分を必要とされることや、依存している人からの評価が得られないと、自分の存在価値や、意味を見出せない状態のことです。
 
母と娘の親子関係で言い換えるなら…
 
「娘には、私が(お母さん)がいないとダメね」
「お母さんがいないと、私(子ども)は生きていけない」
 
というような状態で…
 
母は、「娘を幸せにするのために生き」
娘もまた、「母を幸せにするために生きる」関係です。
 

本来の親子関係は、幼少期から小学校低学年くらいまでの子どもが、良い意味で親に依存し、愛を根底に 自己肯定感を高め、お互いが信頼できる親子関係を築きます。
 
しかし、共依存の親子関係は、子どもが 親から離れていい時期でも、親自身が、「子どもに必要とされることが、私の存在価値(生きがい)だ」と、必要以上に思い込んでいるため、子どもを手放しません。
 
つまり、親が子どもに依存し、頼っている状態なんですね。
 
そして 親の依存から、子どもも、親離れすることに 過剰な罪悪感を持つ等、親に依存し続ける状態が、「共依存の親子関係」です。
 
また、本人達が、依存関係にあることに、気づかないケースが多いのも、共依存の特徴といえます。
 


 子どもの依存は、悪いことなの?


母と娘  親子関係 共依存
 
 
さて、「依存」と聞くと、「スマホ依存」「買い物依存症」「ギャンブル依存症」等、悪いイメージをお持ちかも知れませんね。
 
でも、「子どもの依存」って、そんなに悪いことでしょうか?

そもそも人間の赤ちゃんは、未熟な状態で誕生するため、最初は誰もが、親に依存しなければ、生きていけません。
 
そんな 互いに依存した親子関係の中で、子どもは、親から「守られているんだ」という安心感を持ちます。
 
また、子どもが親に甘えたり、自分のやりたいことを要求して、それが叶えられることで、「自分は受け入れられている」「愛されている」と感じながら、自己を肯定し、成長するんです。
 
そして、ご飯の食べ方や服の着替え等、少しずつ自分で何かをすることを学んだり、やりたいことを見つけ、自分で考えて行動する。
 
同時に、他者との調和を身に付け、親との丁度いい距離を取り、自立 と 親離れをしていくのです。
 
この自立へ向けた成長過程で、自我の芽生えである「イヤイヤ」があったり、「友達や恋人、親以外の人と関わりたい」と思ったり、反抗期のような反発が起るのも、人間が成熟するために必要なプロセスです。
 

 親の依存が 危険な理由


 
一方、共依存の親は、子どもへの愛情でもあるのですが…

「子どもに必要とされたい!」と、過剰に思い込んでいるため、親から自立しようとする子どもを、無意識に引き戻そうとします。
 
ただ多くの場合、「こんなこともできないで、早く一人前になって欲しい」等、口では自立を促しますが、実際に、子どもが自立しようとすると…
 
心配し過ぎたり、不安を煽るなどして、
社会へ飛び立とうとする我が子の羽を、プチプチと一本ずつ抜き取るような言動を繰り返します。
 
つまり、成長し、自立しようとする子どもの足を 引っ張るのです。

子どもに依存している親は、優秀である子どもが誉れであり、とても嬉しく、親を輝かせるアクセサリーのように扱ってしまいます。
 
そして、子どもの存在によって、自分の存在価値や、意味を見出そうとするのです。
 
故に、子どもが成長し親から離れると…
 
「嬉しいけど、あの子は、私なしで本当に大丈夫?」
「子どもから得られる喜びが、なくなっちゃう!」
「私の存在価値って? これから、何をしていいか分からない」等々…
 
このような心配、不安、寂しさ、無意味さ等 に囚われてしまうんですね。
 
もちろん、どんな親も人間です。
 
子離れに対する心配 や 不安は 想像以上で、多くの方が辛い経験をしたり、寂しさを感じるもの。
 
しかし、「この寂しさは、感じるしかない感情だな」と気づいたり
 
「心配ばかりしていては、子どもを苦しめる結果になる」と思いを改め、子どもを信じて、手放します。

ところが、この手放し方 や タイミングが分からない場合、子どもに対して、親が干渉し過ぎる傾向があるんです。
 
というのも、共依存は、「過干渉」とも密接に繋がっていて、「子どもを 自分の思い通りにコントロールしよう」としてしまいます。
 
すると、親の思い通りにならないと、ヒステリックに怒る。
 
あるいは、成長に必要な葛藤や一時的な反発を、無理に抑え込んだり、受け入れられなかったり。
 
子どもの気持ちや、本当の意味での自立を理解しようとしません。
 
そして、「あの子には、私がいないとダメなの」とか、「子どものため」と言いつつ
 
「子どもから得られるものを 失いたくない」
「寂しさ や 孤独を、埋めたい」
「一人になりたくない」等々…
 
このような不安 や 恐怖心から逃れるために、子どもを依存させ続けてしまうのです。
 

加えて、共依存状態のご家庭は、夫婦関係が上手くいっていない傾向があります。
 
夫婦関係で、特に母親が、「夫に認められていない」と感じている場合、認めて欲しい対象を、夫から子どもへと移行する傾向が強いんです。
 
すると、子どもから必要とされることで、母親は「承認欲求」や「愛情」を満たそうとするため、子どもを手放すことができません。
 
そのため、「子はかすがい」となり、無意識に 子どもを生かさず殺さずの状態で、親の身近に置いておく。
 
こうなると、子どもは自立へ向けたスタートが、なかなか切れません。
 
もちろん、これは、子どもが親を愛しているからであり、子ども自身も 生きていくために必要だからしている行為です。
 
ただ、このような子どもは、
 
・親の重いプレッシャーを感じる。
・親離れできない自分を責める。
・子離れできない親を恨む。 等々…
 
悪循環にハマってしまいます。
 
その結果、自己肯定感が低く、人間不信になりがちです。
 
すると、学校や社会に出て行くことに、不安や恐怖を過剰に感じてしまい、自分の殻に閉じこもるしかなく、引きこもっているのです。
 


 親子関係の改善へ向けて


引きこもり 親子関係 改善法

 
いかがでしたか?
こんな話をすると、親御さんは腹が立つかも知れません。
 
ただ これは、親御さんを責めるものではありません。
 
なぜなら、親御さん自身も、同じように育てられたり、
そうしないと 生きていけなかったから、ではないでしょうか?
 
しかし、もしご自身に当てはまる部分があるようでしたら、反発せずに、親子関係を 改善する必要があります。
 
というのも、共依存関係の親子は、子どもが成人しても、親離れ・子離れできずに、「共倒れ」になる可能性が とても高いからです。
 
 
もしこのまま 子どもが社会に出られず、ずっと家にいるとなれば、老後も、子どもの面倒をみていかなければなりません。
 
また、周囲の目を気にして、孤立したり、いたたまれない気持ちが、今後もずっと続くのです。
 
あなたは、そんな未来をお望みでしょうか?

もし答えが「NO!」ならば、ご自身の将来のために、今「親子関係の改善」を真剣に考えて下さいね。
 
そして、親御さん自身が、
「適切な距離を取れる 親子関係に改善する!」と、決意することが大切です。
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、親の依存から、子どもも 親に依存し続ける状態が、共依存の親子関係。
2、子どもは 親に依存しなければ、生きていけない。
3、親の恐怖心から、子どもを依存させ続ける。
4、親子の共依存は、共倒れの可能性を高める。

 
 

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