不登校になると、赤ちゃん返りをする理由
小学生のお子さんが不登校になると、親御さんは心配で堪りませんよね。
ただ今までとは、お子さんの様子が変わって…
赤ちゃん返りのように甘えて来たかと思うと、なんでも嫌がったり。
これではどう接していいか、親御さんは困ってしまうかも知れません。
そこで、お子さんが「赤ちゃん返りをする理由」と、
「不登校改善に向けた 接し方」を、お伝えします。
目次
1.なぜ、不登校になると「赤ちゃん返り」をするの?
2.「厳しい躾」や「熱心な教育」環境の影響
3.嫌がる時は、どうすればいい?
4.不登校の赤ちゃん返りに、効果的な接し方
なぜ、不登校になると、「赤ちゃん返り」をするの?
私がご相談を受ける不登校の小学生には、「赤ちゃん返り」をしている場合がしばしば見られます。
親御さんとしては、不思議に思ったり、「もう小学生なのに…」とガッカリしたり。そのため、「何故なんでしょうか?」とよくご質問を受けます。
実はこれ、主にお子さんが幼少期から不登校に至るまでの間に、甘えの欲求を抑えて 自分を律し、常に頑張って来た場合に起こります。
というのも、子どもは、パパとママが大好きで、「パパとママに喜んで貰いたいし、褒められたい」からなんです。そのため…
「パパを困らせないように、私がしっかりしなくちゃ!」
「ママを心配させないように、私が頑張らなきゃ!」
「だから、私は甘えちゃいけない」等々…
このように思い、自分を律して 甘えの欲求を我慢し、必死に頑張っていたり、ずっと緊張状態が続いていたのです。
でも、何かをきっかけに、張り詰めていた緊張の糸が切れ、「不登校」という現象を起こしています。
そして、学校をお休みしている間に、今まで我慢していた甘えの欲求を満たすために、赤ちゃん返りをする、と考えられるのです。
「厳しい躾」や「熱心な教育」環境の影響
また、もう一つの理由として考えられるのが…
「厳しい躾」や「熱心な教育」等の家庭環境の影響です。
これは、初めてのお子さんだったり、一人っ子の場合に見られる場合がとても多いのですが、親御さんとしても、慣れない子育てで、どうしていいか分かりませんよね。
そのため、知らず知らずのうちに、「厳しい躾」や「熱心な教育」になり過ぎてしまいがちです。
するとどうしても、「褒めたり、甘えさせてあげること」よりも、「叱ったり、ダメ出し」をする回数が増えてしまう場合があります。
また人間は、誰しも「快楽を得たい欲求」と「危険を避けたい(傷つくことから、身を守りたい)欲求」を持っています。
そしてこの2つのうち、より強く印象に残るのは、防衛反応の働きにより、「危険を避けたい欲求」です。
そのため、仮に「褒める・甘えさせてあげる回数」が、「叱る・ダメ出しの回数」と同じだったとしても、「自分を否定された!傷ついた(涙)」という恐怖心や心の痛みが、強烈に記憶に残るのです。
これが更に進むと、この恐怖心 や 心の痛みから抜け出すための「心のスイッチ」が入り、「二面性」という形で、別の自分を表現する現象が起こります。
これは、ある感情に蓋をし、封印(抑圧)した状態です。
そのため、何かをきっかけに 心のスイッチが ON/OFFを入れ替えて、一人の人間が、「別人格」を作り出すようなものなのです。
【例】
学校にいる時は、優等生(甘えを封印)。
でも、家にいる時は、赤ちゃん(自立心を封印)等
このように、本人は無意識のまま、心のスイッチの ON/OFFを入れ替えて、「ツンデレ」のような異なる性質の自分を演じる人格形成をする場合があります。
また、これは、ちょっと怖い話なのですが…
罰や暴力・性的虐待・ネグレクト等により心的外傷(PTSD)を負った場合は、「ツンデレ」どころでは済まなくなります。
すると、ビリー・ミリガンのような多重人格者となって、「暴力的な側面」や「狂気の側面」等が現れることもあり、こうなると改善するのは、困難を極めます。
子ども時代は誰にとっても、その人の「人格」を作り上げている途中の期間。
そして本来の人格形成は、統合された一人の自分で、甘えたり、怒ったり、泣いたり、喜んだりと、自分の気持ちや、喜怒哀楽の感情を表現できるよう 成長するものなのです。
ですので、お子さんが赤ちゃん返りをしている場合は、「甘えの欲求を満たしてあげること」と、「どんな自分も自分なんだ」と無意識レベルで思えるようにしてあげることが、とても大切です。
嫌がる時は、どうすればいい?
とはいえ、多くの親御さんから、次のようなご質問も受けます。
それは…
・スキンシップを取ろうとすると、嫌がるからできない。
・何かを教えたり、関わろうとすると、つっぱねる。
はい、そうなんですよね。
この時期、お子さんは 嫌がることも多いですよね。
親御さんが、「甘えさせてあげよう」「コミュニケーションを取ろう!」と思って せっかく頑張っても、嫌がられると、とても辛いですし、しんどいですよね。
そして、親御さんの方が疲れてしまうと…
結果的に、甘えの欲求が満たされずに、不登校が長引いてしまう。
これでは、悪循環にハマってしまいます。
そこで、このような時は、「うちの子は、今、ツンデレがマイブームなんだな」と、捉えて貰いたいのです。
そして、恋する乙女のように、「イヤ!」と言いながらも、「本当は追いかけて来て欲しいんだな」と理解する。
つまり、子どもに「嫌がられたから」といって、スキンシップを止めるのではなく、そこはあえて、親御さんが大人の対応をして、スキンシップやコミュニケーションを取ろうとして欲しいのです。
もちろん、お子さんが慣れていない間は、恥ずかしがったり、嫌がったりと、抵抗するかも知れません。
でも、だんだんとお子さんも慣れて来ますし、本心では「嬉しい♪」と思いますので、根気よくスキンシップ や コミュニケーションを、続けて下さいね。
不登校の赤ちゃん返りに、効果的な接し方
最後に、不登校の赤ちゃん返りに、「効果的な接し方」をお伝えしますね。
それは、なるべくお子さんの肌に直接触れる「スキンシップ」です。
人は、直接肌に触れられると、「幸せホルモン」や「癒しホルモン」といわれる「オキシトシン」というホルモンの分泌が促されます。
このオキシトシンが分泌されることで、お子さんは「安心感」を取り戻し、効果的に甘えの欲求を満たすことができるのです。
具体的な方法としては…
日々の生活の中で、嬉しい時、楽しい時等、事あるごとに、お子さんを抱きしめてあげて下さいね。
また、テレビを一緒に観る時は、膝の上に乗せたり、横に並んで肩を貸したり。
ゲーム等では、ハイタッチも効果的!
そして、お出かけ前のいってらっしゃいのハグに、お帰りのハグ。
おやすみなさいのハグに、添い寝等。
「スキンシップは取っている」という親御さんでも、今より、更に、スキンシップを取ることが大切です。
もちろん、先述でもお伝えしましたが、お子さんに嫌がられたり、「汗だくでハグはちょっと…」と思っても、今は不登校改善のために、スキンシップをしてあげて下さいね。
また、お子さんを叱る際は、叱った後、しっかり抱きしめてあげて下さいね。
叱りっぱなしでは、恐怖で心がいっぱいになり、「何がいけない行動だったのか?」、なんて冷静に考えられません。
すると反省どころではなく、また同じ過ちを繰り返したり、お子さんは、「私は、ダメな子なんだ」と自己否定をしてしまいます。
これでは、親御さんも大変ですし、お子さんの甘えの欲求を満たしてあげることもできずに、不登校が長期化します。
ですので、「叱る&ハグ」をセットにする習慣を、親御さんは身に付けていきましょう!
いかがでしたか?
お子さんへの接し方は、この他にも「効果的な褒め方」「叱る・注意する方法」等、まだまだあるのですが、長くなりますので、今回はここまでとさせて頂きます。
いずれにしても、お子さんの様子をよく観察しながら、根気よくスキンシップを続けて、不登校を改善していきましょう!
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、赤ちゃん返りするのは、甘えの欲求を抑えて自分を律し、常に頑張って来たから。
2、厳しい躾 や 熱心な教育等の影響により、二面性がある。
3、ツンデレで嫌がられても、スキンシップを取る。
4、子どもの肌に直接触れるよう スキンシップを続ける。