高校生の不登校
 

HOME | 高校生の不登校 | 進路不安 | 子どもの進路不安に、親御さんがしてあげられること

子どもの進路不安に、親御さんがしてあげられること


高校生 不登校 進路 不安

 
高校生の 不登校 原因の一つに、「進路(将来)不安」があります。
 
ただ子ども達の中には、「進路への不安」ではなく、
「勉強ができない(苦手)」や、
「みんなの(勉強)ペースについていけない」と、話す場合があります。
 
そこで今回は、
 
「なぜ、勉強ができないと話すのか?」その理由と、
「高校生の進路不安に、親御さんがしてあげられること」をお伝えします。
 

目次
1.「勉強ができない」と話す子どもの理由
2.「勉強ができない」もう一つの理由
3.子どもが抱える進路(将来)への不安
4.子どもの進路不安に、親御さんがしてあげられること

 


 「勉強ができない」と話す 子どもの理由


 
不登校の理由は数多くあります。
その中でも…
 
・勉強が苦手。
・みんなの(勉強)ペースについていけない。
・思うような成績が出せない。等々…
 
「勉強や成績不振で、不登校になった」、と話す子どもは多いんです。
 
ただこのような場合、子どもの多くは、「他人の評価(他者から、自分がどう思われるか)」に集中する傾向がとても強く見られます。
 
なぜなら、誰しも子ども時代は、「教師や、親の喜ぶ顔がみたい!」と期待に応え、評価を得ようと、勉強やあらゆる課題を、必死に頑張って来たからです。
 
ただ、子どもが成長するということは、徐々に、課題自体が、難しくなって来ることを意味します。
 
すると、自分にはできないことや、不向きな課題が数多く現れる。
 
そこで、クラスメイトやご兄弟(姉妹)等の、他者と比べてしまい、「できない私は、ダメ子なんだ」や「ダメな私は、認めて貰えない」といった、「劣等感」や「自己否定」を抱えます。
 
この劣等感 や 自己否定は、浅深高低の差はあれど、誰もが人生に一度は、感じるものではないでしょうか。
 
故に、「この悔しさをバネに、勉強しなきゃ」とか、
「○○ができるようになって、自分を認めてもらいたい」と、頑張っているのですが…
 
過剰に頑張り過ぎてしまい、オーバーヒート!
 
しかも、そんなオーバーヒート状態に、追い打ちをかけるようにして、「進路指導」や「進路相談」という形で、現実が突き付けられます。

すると、本人が持っている本来の「資質・才能・学力」が発揮できずに、委縮したり、反抗的になったり、悶々としたり。
 
そして、そんなことをしたくないのに、やってしまう自分を責めて、自己嫌悪や、自暴自棄になる等、精神的に不安定な状態が続きます。
 
こうなると、親御さんは、子どものことが 心配で堪りませんし、どう接していいか、分からないかも知れません。
 


 「勉強ができない」もう一つの理由


不登校 進路不安 理由
 
 
また、子どもの中には、 「何のために学校へ行き、勉強するのか?」
 
このような 「学校へ行く意味」や「勉強をする 目標・目的」が、 分からずにいるケースもあります。
 
例えば下記は、私が相談を受けた 高校2年生のAさんとの対話の一部です。


同じクラスのBさんは、『○○になりたい!』って、
『将来の夢』というか、明確な目標があるのに、私は……
 
きっとお母さんの言う通り、いい大学へ行って、
何か資格がないと、いい会社へ就職ができないんだろうな…と思う。
 
それに、今まで育ててもらって 申し訳ないし、
親に心配かけたくないっていう気持ちもあるから、
何とかしなきゃ!って、スゴク焦る。
 
でも、本当にいい大学に入れるかも、資格を取れるのかも分からない。
 
ましてや、その先の就職や結婚。
そのまた先の両立とか…、私にできるのかな?
 
でもそれって…
『みんながそう言うから、私もそうしなきゃいけないの?』と思ったり、怖いし、自信ないし、不安で仕方ない。
 
だって私…。
どうせ頑張っても、お兄ちゃんみたいに頭良くないし、勉強は好きじゃない。
 
それに、…美人でもなければ、何か取り柄があるわけじゃないし…。
 
もちろん、何か自分にできることで、人の役に立ちたい気持ちはあるよ。
でも…結局、私、何になりたいのか、何がしたいのか、
自分でもよく分からない…」

 

Aさんは悲しそうに、こう話してくれました。
 
このように、「勉強が理由で 不登校になった」と話すのですが…
 
「こうしたい・ああしたい」や「○○になりたい」といった、「将来の夢・希望」や「現実的な目的・目標」が思い描けないために、“ 将来への不安を募らせている ”、と考えられます。

これでは、「勉強ができない」というよりも、「勉強する意欲」が湧いて来ないのも、無理ありませんね。
 
もちろん、「勉強ができない」と話すお子さん全ての理由が、Aさんと同じではありません。
 
しかし、将来の夢や、明るい希望が持てずに、「漠然とした 進路不安」を抱えている子ども達は、少なくないのが現状です。
 


 子どもが抱える 進路(将来)への不安


 
さて、先述のように 子どもが 将来への不安を募らせてしまうのは、学校教育・家庭・友人・社会情勢・ネットやマスコミの情報等、さまざまな要因や影響が関係しています。
 
例えば…
 
・不景気の長期化による リスク回避思考 や 節約思考
・生き方の多様化
・親孝行や「周囲の期待に応えたい」と、過剰に思い過ぎる気持ち etc…
 
これらは代表的なもので、この他にもさまざまな要因 や 環境が影響して、不安を引き起こしている、と考えられるのですが…
 
冒頭でもお伝えしたように、私がカウンセリングを行う中で、最も強く感じるのが…
 
「周囲の期待に応えたい」と「他人の評価」を、過剰に気にし過ぎること。
 
この「周囲の期待」や「他人の評価」とは、教師や友人等の影響も含まれますが…
 
影響力の大きさで一番大きいのは、やはり「親御さん」です。

親御さんの望む成績、進学先、就職、その後の人生等、それらが、子ども本人の希望や幸せと 一致している場合は、なんの問題もありません。
 
また、子どもの望む、それなりの評価が得られている場合も、大丈夫!
 
しかし、子どもの望む評価が得られない。

あるいは、親御さんの望み と 子どもの望みが、食い違っている場合…
 
「自分の本当にしたいことを言ったら、
 親の期待に応えられなくて、
 親を傷つけたり、悲しませるのではないか?」
 
こう考えるようになります。
 
すると…
 
◆親を悲しませたくないから、○○できない。
 

あるいは、自分の希望を伝えても、
「そんなの無理に決まってるじゃない」等々…
 
いきなり否定されたり、嫌な顔や悲しんでいる親御さんを見ると、心配なんだと 分かっても、子どもはとても傷つきます。
 
このような場合… 
◆自分が傷つくのが嫌だから、○○できない。
 
 
更に、これらのショックや 不安を打ち消したいために、
 
◆どうせ何を願っても、努力しても叶わないなら、○○しない。
(最初から、望みを持たない。)
 
◆挑戦して、失敗したらカッコ悪いし、
「ほら、みたことか!」とバカにされて傷つくから、やらない。
 
こうのような考え方をして、リスク回避の選択ばかりする傾向が強くなります。
 
 
もちろん、何かを選択する際に、リスク回避も重要です。
しかし、全てを回避しては、何もしないことになり、前に進みませんよね。
 
ですから、進路相談等で、前に進む選択を迫られた時、

「どう決断していいか、分からない自分」に幻滅したり、
「自分の未熟さ」を痛感して、動けなくなるんです。
 
では、このような場合、どうすればいいのでしょうか?
 


 子どもの進路不安に、親御さんがしてあげられること


進路不安 親が できること

 
子どもが進路不安で悩んでいる場合、親御さんにしてあげられることは、実は、たくさんあるんです。
 
でも、全てをお伝えしていると、長くなりますので、今回は、その中の1つをお伝えします。

それは…
親御さんが、子どもに抱く「夢・期待・拘り」を、手放すこと。

こんな話をすると、怒られてしまいそうですが…
 
親ならどんな親御さんでも、多かれ少なかれ、なんらかの期待を、子どもにしてしまうものではないでしょうか?
 
もちろん、それらは親としての愛情であり、子どもを心配する気持ちから発せられたもの。
 
ですので、親御さんを責めるつもりはありません。

しかし結果的に、その期待や拘りが、プレッシャーとなって、子どもを押し潰しているとしたら…
 
あるいは、子ども自身の夢、希望、意思を奪っているのだとしたら…
 
それは、とても危険な行為!

なぜなら、自分の夢や希望、意思を奪われた人間は、生きること自体に、迷うからです。
 
すると、今は「不登校」で済んでいますが…
 
後々、「うつ病」「引きこもり」「自殺」「暴走行為(犯罪)」等、さまざな精神的病や犯罪等を、引き起す可能性が とても高くなるのです。
 
そんなことになっては、今よりもっと大変ですよね。
 
ですからそうなる前に、親御さんの夢や期待、拘りを、手放して頂き、子どもをプレシャーから、解放してあげて下さいね。
 
こうすることで子どもは、進路不安が軽減されて、本来の「自分の夢や希望」、「勉強する目的・目標」を真剣に考え、進路決定ができるようになるのです!

ただ子どもの中には、
「そもそも目標 や 目的設定 が苦手」とういう場合もあります。
 
あるいは…
「今まで 親の指示に従い、○○しなきゃ思考だったのに、
 急に 自由にしたいことしていい、って言われてもね…」
などと、反発 や 困惑する場合があります。
 
このような場合、直ぐに 不安は消えないかも知れません。
 
しかし、それぞれに解決法はありますので、ご安心下さいね。
※ただ今回は、全てをお伝えしていると長くなりますので、それぞれの解決法は、別の機会にお伝えします。

いずれにしても、子どもが、「勉強」を理由に 不登校になったと話す場合、「進路不安」の可能性も考えて下さいね。
 
そして、進路不安が強い場合、
親御さんが、子どもに 今すぐしてあげられることは…
 
“ 子どもに抱く 親の夢・期待・拘りを、手放すこと。”
 
そして、子ども本人が「自分らしく生きられるよう」、親御さんは、サポートしてあげて下さいね。
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、劣等感や自己否定が、不登校を引き起こす。
2、将来の夢や希望が持てずに、不安を募らせていませんか?
3、不登校生は、周囲の期待に応えようと、頑張り過ぎる傾向が強い。
4、親が子どもに抱く、夢・期待・拘り を手放す。

 
 

この記事の後によく読まれています
Ranking
最近の投稿