「理由が分からない?!」
不登校の接し方
中学生が不登校になると、親御さんは、
「なんで? どうして?」「何があったの?」「いじめ?」「理由は?」と、聞きたいことだらけ。
でも、お子さんは、「自分でも分からない」と答えるケースは、とても多いんです。
そこで今回は、
「理由が分からない」不登校理由と、
「理由が分からない時の 親御さんの接し方」をお伝えします。
目次
1.なぜ 理由を聞いても、分からないの?
2.自分だけでは、コントロールできない理由
3.時間とともに気づく、不登校理由
4.不登校理由が分からない時の接し方
なぜ 理由を聞いても、分からないの?
冒頭でもお伝えしましたが、不登校は、学校へ行けない・行かない理由を、本人に聞いても、分らないことが多いんです。
なぜなら、子どもの多くは、
親御さんが苦労して、自分を育ててくれていることを 知っているからです。
そのため、「お母さんやお父さんに 心配をかけたり、悲しませたくない!」と考えます。
実はこれ、親御さんを思う お子さんの優しさ や 愛情から、本音の気持ちにフタをして、過剰に頑張り過ぎているのですが…
親御さんからすると…
「心配かけたくないなら、尚更 理由を話してよ!」
「理由を言わない方が、ずっと悲しい」等々…
こう言いたくなるかも知れませんね。
ただ、この本音の気持ちにフタをした状態は、心のバリアである「自己防衛反応」が働いている状態。
そのため、不登校の原因や理由は、無意識の領域(潜在意識の中)にしまい込まれ、守られているんです。
ですから、理由を聞いても、本人は答えられない。
つまり、「理由は、分からない」と答える場合、理由は意識化されていないので、子どもに聞いても、本当に分らないんです。
自分だけでは、コントロールできない 理由
理由の分からない不登校には、上記の理由の他にも、さまざまな要因があります。
例えば…
・思春期による、成長ホルモンバランスの乱れ。
・小学校から中学校への進級等 学校環境変化。
・先輩・後輩・友達等の人間関係。
・年齢に応じて、勉強や身に付ける課題自体が、難しくなる。
・家族の病気・介護・夫婦の不仲・親の離婚 等の家庭環境の変化。
これらを読んで、いかがでしょうか?
あなたは、思春期の葛藤 や ホルモンの分泌を、自分の意思で、コントロールできましたか?
また、自分だけではなく、相手がいる場合は、どうでしょう?
全てを自分の思い通りにすることは、不可能ではないでしょうか?
つまり、本人の意思だけでは、コントロールできない理由もあるんです。
それ故に、これらの小さなストレスが、日々積み重なって、本人も気づかぬうちに、大きな負担となり、動けないんですね。
時間とともに気づく、不登校理由
とはいえ、不登校理由について、お休みした当初は分からなくても、時間とともに、本人も「薄々気づき始めている」という場合もあります。
このような場合は、親御さんの悪口を言われて、言い出せなかったり、友達とのトラブルが多いものです。
なぜなら、不登校になるお子さんの殆どが、優しくて、誠実だから。
例えば、友達とのトラブルは、優しくて 誠実な子だからこそ、友達をかばったり、「チクリたくない」と思ったり。
相手が明らかに悪い場合でも…
「そもそも 友達を裏切るような人を選んだのは、自分だ。
私に 人を見る目がなかったせいだから、私が悪い」等々…
このように考える傾向が強く、自分を責めたり、自己嫌悪したりしています。
すると、「誰にも 言い出せない場合もある」、と思いませんか?
ですので、理由を話せなくても、
お子さんの優しさに免じて、今は 許してあげて欲しいと思います。
では次に、このような理由が分からない・言い出せない場合、親御さんは、どう接すればいいのでしょうか?
理由が分からない 不登校の接し方
まず、「なんで? どうして?」「いつまで、そうしてるの?」と、警察の尋問のように 問い詰めるのは、やめましょう!
親御さんも大変だと思いますが、理由を聞きたい気持ちを、一旦 置いといて下さい。
そして、お子さんの好きなことや、安心して休める環境作りに集中して下さい。
というのも、「本当の理由」や「本音」というのは、本人の中で、それを言っても大丈夫なくらいの「安心感」と「信頼関係」が得られた時にしか、言葉にならないことが多いからです。
それまでは…
「こんなこと言ったら、怒られるかな?」
「あんなこと言ったら、ダメって否定されるかな?」
「何もできない 不甲斐ない自分を知られたら、見捨てられるかな?」等々…
このように、お子さんは 不安が先にたってしまい、それがストレスとなって、身体に良くありません。
ですので、今は、次の2つが目標です。
・安心して休むこと。
・好きなことをして、心の充電をすること。
(ゲームや料理等、親御さんも一緒にできることなら、一緒に楽しんで♪)
こうすることで、「セロトニン」や「オキシトシン」等の幸せホルモンの分泌が促進され、乱れがちだったホルモンバランス や 自律神経が整います。
また、お子さんと落ち着いて話せる時は
「なんで?」の代わりに、「それって○○だからかな?」
「例えば、○○って思ってるの?」等々
お子さんが 答え易いように、優しく問いかけてあげて下さいね。
ポイントは、決めつけるのではなく、気持ちを代弁するような言葉を選ぶこと。
思春期の子どもは、「決めつけられた」と感じると、「どうせ、私のことを分かってくれない」と、すねてしまいます。
すると、いつまで経っても 本音を話してもらえません。
親御さんは、伝え方やタイミングを考えつつ、接していきましょう。
いかがでしたか?
ある程度、時間はかかるかも知れませんが、こうして「安心感」や「信頼関係」が感じられると、自己防衛反応も緩和され、徐々に お子さんの気持ちの整理が、進んでいきます。
すると、今まで話せなかった理由を話してくれたり、体調が整って、
不登校は、改善へと向かいますよ!
そして、一日も早く不登校解決をして、親御さんの安心も手にして下さいね。
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
まとめ
1、理由は意識化されていないので、子どもに聞いても分らない。
2、自分では、コントロールできない理由もある。
3、理由を話せなくても、お子さんの優しさに免じて、今は許す。
4、問い詰めるのをやめて、まずは 休ませる。
好きなことをして、心の充電をさせてあげる。