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「この本を読んで!」と、言われた時の 接し方


不登校 本・記事 改善法

 
中学生の女の子が 不登校なると、「これ読んで!」と、本 や ネットの記事等を、親御さんに渡す場合があります。
 
しかし、その本や記事のタイトルから想像するに、親御さんは 辛く感じる方が多く、渡された本 や 記事を、読めないかも知れません。
 
そこで今回は、私の姉の体験を交えつつ、
 
「この本(記事)を読んで」という、お子さんの心理と、
「親御さんが、本や記事を渡された時の お子さんへの接し方」をお伝えします。
 

目次
1.「この本読んで」と言わませんでしたか?
2.本や記事を読んで欲しい、子どもの心理
3.子どもは、親を試すもの
4.渡された本を読む、親御さんのメリット

 


 「この本読んで」と 言われませんでしたか?


 
あなたは(親御さん)、不登校をしているお子さんから、「この本を読んで欲しい」。
 
あるいは、ネット記事 や 新聞記事を手渡され、「これ読んで!」と、言われたことはないでしょうか?
 
実はこれ、不登校のお子さんに、多く見られる行動なんです。
 
不登校をしていた私の姉も、「不登校に関する本」を、母親に手渡していたことがあります。
 
しかし母は、一向にその本を読もうとせず、押し入れにしまい込んで、隠していました。
 
ただ今思えば、仕事と家事、思い通りにいかない 子育てに悩みながらも、母なりに、試行錯誤していました。
 
また、中卒だった母は、勉強や学歴に対するコンプレックスも強く、そもそも活字を読む習慣がありません。
 
そんな中、突きつけられた本は、「この本を読んで、勉強をしろ!」と言わんばかりで…
 
・今まで一生懸命やって来た子育てを、否定されるのではないか?
・家庭環境に問題がある。
・親が悪い、と書いてあるのではないか? 等々…
 
自分が責められているように感じて、罪悪感 や 自己嫌悪でいっぱいになり、苦しかったのだと思います。

このように、お子さんから 本 や 記事 を渡された場合、親御さんにとっては、辛さ や 不安 を感じて、読む気になれないかも知れません。
 
しかし、辛くても 本を読まない 親御さんの態度は、お子さんを より深く傷つけます。
 
それは、なぜでしょうか?
 


 本 や 記事を 読んで欲しい、子どもの心理


 
不登校のお子さんは、大きな不安を抱えている状態で、本心から「このままでいい」とは、思っていません。
 
また、親御さんに心配をかけていることも、十分わかっています。
 
ただ子どもが故に、語彙が少なく、感情や自分の気持ちを 言葉で表現することが、未熟です。
 
加えて、何か問題があっても、どんな解決策 や 選択肢があるのか、まだ知らないことだらけで、お金も持っていませんし、何か行動すれば、保護者の同意も必要ですね。
 
すると、どうしていいか分からずに、自分の思いを明確に表現することや、伝えることができない状態。
 
そのため、自分でも 今の状態 や 原因を知りたいし、「この苦しい状態を、何とかしたい」と考え、さまざまな情報を得ようとします。
 
すると、ネット情報 や 本で、自分の状況と同じような体験談や、「私もこんな気持ちでいる」といった言葉を、見つけることができるのです。
 
そして、お子さんは親御さんに、
 
「私を 少しでも理解してもらいたい!」
「不登校を 解決することに、協力して欲しい」
 
「でも、自分では今の状況を上手く説明できないし、
 さまざまな原因や理論を子どもから言っても、大人に信じてもらえないから、本や記事の言葉を借りて、伝えたい!」
 
つまり、“ 本 や 記事 は、自分の気持ちの 代弁者 ”なのです。
 
ですから、親御さんを責めているのではなく、現在の状態や自分の気持ちを、少しでも理解してもらおうと、必死に伝えようとしているんです。
 
このお子さんの優しさ や 勇気を誤解して、チャンスをミスミス逃してはいけません。
 
もしチャンスを逃してしまえば…
 

・私(親)は、あなた(子)を理解したくない。
・不登校 解決に、協力したくない。
・今の状態を 家族や子育ての問題として、認めたくない。 等々

 
このような親御さんの思いを、態度で伝えてしまっているようなものです。
 
これでは、お互いの歩み寄りが絶たれてしまい、親子のコミュニケーションや信頼関係は、成り立ちません。
 
ですので、もしお子さんから、本 や 記事を 渡された場合は、それがどんな本や 記事であっても、必ず読んであげて下さいね。
 


 子どもは、親を試すもの


不登校 本 記事 解決法
 
 
とはいえ、『毒になる親』等のドギツイ本を、お子さんに突きつけられたら、辛かったり、腹が立って、目を通せないかも知れません。
 
このような場合、「お子さんは、親御さんの愛を試している」と、考えられます。
 
例えば、カウンセリングでお子さんが、
「お母さんなんて、大嫌い! 早く死ねばいい!」等と、言う場合があります。
 
しかし実際には、お母さんのことが大好きですし、本当に死なれては困るのですから、本心ではありません。
 
ただ心の深い部分に、母親への「甘えの欲求」や「愛情の欲求」が、隠されていることが多いんです。
 
いかがでしょうか?
もしかすると、これらがピンと来ない方は、「恋愛」に例えると、分かり易いかも知れませんね。
 
例えば、大好きな彼と、些細なことで喧嘩をしてしまい、「あなたなんて嫌い! もう帰る!」と、家に帰ろうとしたあなた。
 
でも本当は、引き留めて欲しくありませんか?
 
その後、家に着くと、彼から連絡があり…
 
「君が僕を嫌いなら、僕は身を引くよ」
と言われたら、あなたは どう思いますか?
 
おそらく…
「そうじゃないよ!
 本当は、嫌いになんてなれないし、
 別れたくもないのに(涙)」等と、
腹が立ったり、後悔したりするかも知れません。
 
つまり、この行動は、本当は彼が大好きだから、自分のことを好きかどうか知りたくて、相手を試したのではないでしょうか?
 
これと同じようなことを、お子さんもしてしまうんです。
 
なぜなら、お母さん・お父さんが、大好きだから。
お母さん・お父さんを愛してるし、愛して欲しいから。
 
ですので、どんなにドギツイ本を持って来られても、怯まずに、まずは 読んであげて欲しい、と思います。
 
本や記事を 読んでいる親御さんの姿を見せることで、お子さんは、
「私のことを、本当は心配してるんだ」
「理解しようとしてくれているんだ」 と安心し、落ち着きを取り戻します。
 

 渡された 本を読む、親御さんのメリット


不登校 本・記事 改善法

 
最後に、忙しい親御さんにとって、時間を割いて 本 や 記事を読むことは、大変に思うかも知れません。
 
ただ、お子さんに渡された 本 や 記事を読むことは、 親御さんにとっても、「大きなメリット」があるんですよ。
 
なぜなら、親御さんの気持ちも、その本 や 記事には 書かれていることが多いから。
 
「子どもが 本や記事を渡す」ということは、既にお子さんは、その本 や 記事を読み終えていますよね。
 
その文中には、子どもの気持ち以外にも、「親の気持ち」「家庭の事情」「社会の影響」等に触れる部分も多く、書かれていることが殆どです。
 
ということは、親御さん自身の理解や、気持ちの整理がつけやすい。
 
加えて、お子さんも、親御さんの事情 や 気持ちを理解しようと、今 必死に勉強し、歩み寄ろうとしている。
 
つまり、“ 親御さんの気持ちも、伝わりやすい!”ということです。
 
このチャンスを、ご自身のためにも、しっかり活かして下さいね。

もちろん、今はまだ、しんどく感じるかも知れませんが、お互いの理解が深まれば、現状は必ず好転していきます。
 
少しでも早く、現状を良くするために、改善に向けた行動(接し方)を、実践して下さいね。
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、子どもからの 本や記事を読まない行為は、子どもを傷つける。
2、本や記事は、子どもの気持ちの代弁者。
3、あなたの愛が、試されているのかも知れません。
4、気持ちの整理ができるので、本や記事を まずは読む。

 
 

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