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不登校の子どもが、夢に向かうための方法


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不登校の子どもは、「好きなこと や なりたいものなどの目標が見つかれば、不登校から抜け出せる」、なんて話しを、よく耳にすると思います。
 
でも、現実のお子さんは、「○○になりたい」と口では言うものの、ゲームとYouTubeばかりで、何の行動もしない。
 
親御さんとしては、「このままで、この子は自立できるの?」と心配されるかも知れません。
 
そこで今回は、「不登校の子どもが、夢に向かうための方法」をお伝えしたいと思います。
 

目次
1.子どもが話す「夢」
2.行動が伴わない、子どもの夢
3.やりたいことを見つけられる 環境作り
4.やりたくなるには、どうしたらいい?

 


 子どもが話す「夢」


 
不登校に限らず、子どもは、先生や大人達に 「夢は何?」「将来、何になりたいの?」と、よく聞かれます。
 
すると、とりあえず「大人に聞かれた時用の夢」を考え出し、「私は、○○になりたい」と話すことがあります。
 
また、年齢によっても、幼稚園の時は「お花屋さん」、小学生では「アイドル」、中学生の今は「パティシエ」などところころ変わって、「本当にやりたいことは、何なの?」と、親御さんは思われるかも知れません。
 
でも、子どもの「夢」というのは、年齢によって内容が変わっていくものです。
 
例えば、幼い頃は「アイドルもいいし、バレリーナもいいな」と、フォーカスが定まらないのですが、次第に、自己実現の夢や、将来の希望が、自分の個性、能力、適正などに合わせて、明確になっていきます。
 
その過程で、最初は「ただの憧れ」だったものが、「私はピアノが得意だから、ピアニスト」と、少し具体的なものになっていくのですが…
 
更に年齢を重ねると、実際の手順を知り、「プロでやっていくのは無理そうだから、音楽の先生になろう」と、自分の個性や特性に合わせて、将来の職業、社会での「役割」を想像しながら、そこに向かっていくのです。

とはいえ、「とりあえず誰かに聞かれた時用の夢」で、実は、「何になりたいか分からない。全くイメージできない」という場合は、注意が必要です。
 
なぜなら、自分の成長に対して、主体的な実感がなく、自主的、自発的に生きていない、ということだからです。
 
このような場合、「お子さんが、本当にやりたいこと(好きなこと・得意なこと)を見つけられる環境作り」を、親御さんがサポートしてあげて下さい。
 


 行動が伴わない、子どもの夢


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さて、冒頭でお伝えしたように、不登校のお子さんが、 「将来は、○○になりたい」と言うけど、行動は伴わない」という場合は多々あります。
 
例えば、以前、私がご相談を受けた Aさん(中3)の例で、考えていきたいと思います。
 

【Aさんのご相談内容】
Aさんは、中2の夏休み前から不登校になり、中3になると学校から進路を聞かれて、「スイーツが好きなので、将来は、パティシエになりたい」と話していました。
 
しかし、親御さんによると、「Aは、パティシエになりたいと言うのですが、家でパンケーキひとつ焼きません。 Aを、夢に向かえるようにするには、何をさせればいいですか?」

 
このような状況で、子どもは「夢がある」と言うけれど、実際の行動が伴わない時、親御さんとしては心配したり、本気度を疑ってしまうのも、無理はありません。
 
だって、このまま さまざまな習い事や専門の学校へ通わせても、続かないことが多く、手当たり次第にやる時間・お金・労力が、膨大にかかることが予測されるからですね。
 
まして、色々やってみた結果、「結局、やりたいことが見つからない」となってしまえば、挫折感も強く、将来、転職を繰り返した末に、もう引きこもるしかなくなってしまいます。
 
これでは、お子さんも親御さんも、しんどい。
 
ですので、こうならずに、「夢や自分の人生の目的、目標に向かっていける」「進学。あるいは、働いて社会で自立を果たす」ために、Aさんの親御さんには、次のことを実践して貰いました。
 


 やりたいことを見つけられる 環境作り


 
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それは、 「本当にやりたいことを見つけられる 環境作り」です。

本当にやりたいことを見つけるには、やはり「環境」といものが、大きく影響します。
例えば、「やりたことが、分からない」という人の環境とは、主に下記のようなものです。
 

【×本当にやりたいことを見つけられない環境】
 
・子どもが何かを伝えても、親や教師が聞いていない。
・親や教師の思った通りの答えでないと、嫌な顔をしたり、叱責する。
・過干渉の親。
・夫婦仲が悪く、言い争いが絶えない。
・いじめられている。
・介護や病気の家族がいる。等々


このような環境にいると、他人の評価が気になり過ぎたり、目の前のことで頭がいっぱいになってしまい、将来のことや、自分の本当にやりたいことを、考える余裕がありません。
 
また、聞き分けのいい「いい子」ほど、自分の気持ちを押し殺す癖が付くので、好きなことや得意なことも、分からなくなってしまいます。
 
自分の気持ちを押し殺すことは、心にバリアーを作った状態で、摩擦や葛藤、嫌なことを跳ねのけられる代わりに、自分の気持ちを知ることや、表現することも、難しくなるためです。
 

加えて、日本の教育環境は、「夢は何?」「なりたい職業は?」と聞くことが多く、イメージだけで考えさせる傾向があります。(この段階では、先述した「ただの憧れ」の状態です。)
 
すると、自己実現の夢に必要な 実際の地味な作業(YouTuber なら、企画・シナリオ・動画撮影・編集・ナレーション 等)が分からない子どもが多く、本当に必要な個性・特性・知識・技術の習得 が、具体的な行動にならないまま大人になりやすい。
 
同時に、必要な知識・技術の習得には、多くの時間とエネルギーを必要とするため、本人が好きで、得意なことでないと、モチベーションが保てないため、そもそも続かないんですね。
 
このような教育環境から、将来の夢や職業を、本気で決めている中学生は 一握りしかいません。

また、夢=職業 と考えると、「職業上のメリット・デメリット」で考えるという方法もあります。
 
しかし、メリット・デメリットを重視してしまうと、「他人の評価」や「損得勘定」に比重が傾き、やはり自分のしたいことで、心が満たされることは、少なくなります。
 
すると、不登校でなくても、実際の仕事についてみると、「こんなはずじゃなかった」という結果になる人は、とても多いものです。

ですので、親御さんは、子どもに何かをやらせようとするのではなく、「本当にやりたいことを 子ども自身が見つけられる環境作り」をしてあげることが大切です。
 
では、実際にどうすればいいのでしょうか?
 


 やりたくなるには、どうしたらいい?


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まずは、子どもが、好きなこと・得意なことをやれる環境を作ります。
 
例えば、Aさんの例の場合は、お菓子作り。
親御さんが、お菓子作りをやらせようとすると、やってくれないので、「やりたくなるためには、どうしたらいいか?」を考えてみるのも一つの手。
 
また、親御さんも号令だけではなく、一緒に作ったり、親御さんだけで作ってみては、いかがかでしょうか?
 
もしお子さんに、「これを、こうした方がいい」と言われたら、「教えて欲しい」などと言って、お子さんの参加を促してみるのは、どうでしょう?
 
このようなチャレンジをしてみて、それでもだめなら、お子さんは本気ではないので、「パティシエ」に 親御さんは執着しないことです。
 
そして、お子さんが好きなこと、得意なことで、本当にやりたいと思えるものを、また探せばいいのです。
 
大丈夫、お子さんの人生は長いのですから。


子どもが夢に向かうためには、親御さんが やらせようとするのではなく、「やりたくなるには?」と考えることが、大切です。
 
もちろん、親御さんとしては、大変だと思いますが、色々試して、お子さんが本当にやりたいことを見つけられる環境作りを、サポートしてあげて下さいね。
 
最期まで お読み下さり、ありがとうございました。
 

まとめ
 
1、子どもの夢は、年齢により変わるもの。
2、子どもの夢は、行動が伴わない時期もある。
3、本当にやりたいことを見つけられる環境作りをする。
4、やらせようではなく、「やりたくなるには?」と考える。

 
 

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